滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0702/61:場外馬券売り場誘致問題】彦根市議会が同意の請願を賛成多数で可決

2007-02-28 01:41:22 | Weblog
 
彦根市議会は定例議会初日の2月26日、産業建設常任委が採択の報告をした、同市原町に計画中のJRAの「場外勝馬投票券発売所」をつくることに同意を求めた請願を14対11の賛成多数で採択しました。
 
請願は、同市鳥居本学区自治連合会などが提出しました。昨年12月定例議会では常任委が採択にしたものの、本会議で継続審査になり、同委に差し戻されていました。
 
本会議では3議員が反対、1議員が賛成の討論を行った後、採決が行われました。
同施設は十数年前に計画されましたが、住民団体の反対運動で立ち消え状態になっていました。「彦根にギャンブル施設はいらない」と、以前から反対を表明している獅山向洋市長は「公約でギャンブル施設に反対してきた。議会が採択されたことであり、(市長として)影響を受けるものではない。採択によって設置に同意することはない」と、反対の方針を改めて示しました。
 
一方、地元の「原地域開発事業推進のための協議会」は、8256人の署名を添えて、獅山市長に対して設置同意の陳情をしており、3月5日からの本会議の質問戦が注目されます。

(2月27日付け毎日、朝日などが報道)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070227-00000193-mailo-l25 など


【0702/60:知事マニフェスト問題】就任1年をめどに公約達成度を検証、知事が議会で表明

2007-02-28 01:25:12 | Weblog

嘉田由紀子知事は2月26日の県議会で、昨年7月の知事選で示したマニフェスト(政権公約)の達成度を、就任からちょうど1年になる今年7月をめどに検証することを明らかにしました。マニフェストに盛り込んだ内容を07年度の予算編成にどう反映させたかについては2月議会の閉会後に公表するとのことです。

嘉田知事は、県議会の一般質問で清水克実県議(自民党・湖翔クラブ)からマニフェストについて問われ、「フォーラムを開催して第三者、有識者や県民の皆さんを交えながら達成度を検証したい」と述べました。

数値目標を示した一部の公約がすでに達成困難な状況にあることについては「誠実に作成したが、知事になってから得られる情報は想像以上に多いことに気づいた」と弁明しました。

嘉田知事は、マニフェストに掲げた「県職員の1割削減」を就任早々に撤回しており、また「07年度から小中学校での35人学級実現」は一部実現にとどまっています。一方、公約の3本柱の一つとされている、ダムの凍結・見直し方針は2月議会で方針転換し容認の姿勢を示しています。

(2月27日付け各紙が報道)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000702270003 など





【0702/59:常設型市民投票条例】近江八幡市が制定へ、市政の重要事項で市民の賛否を問う

2007-02-28 00:54:51 | Weblog

近江八幡市は、市政に関して意見が2分するような重要な事項について、市長や市民が民意を確認する必要があると考えたときは、市民に直接賛否を問う常設の市民投票条例の制定に向け、3月市議会に提案します。市町村合併など特定の目的で投票条例を制定するケースは増えていますが常設型は県内で初めてです。3月5日開会の定例市議会に提案し、可決されれば公布から1年経過した日から施行の予定です。
 
市または市民全体に直接利害が及ぶ重要事項に限り、満18歳以上の市民だけではなく永住外国人にも投票の資格を与え、二者択一で賛否を問います。市長自らが発議したとき、市議が定数の12分の1以上の賛成を得て発議した場合」投票資格者の50分の1以上が市長に請求し市議会の過半数が賛成した場合、投票資格者の3分の1以上の署名をもって市長に請求した場合、市民投票をしなければならないとしています。常設型市民投票条例は広島市、三重県名張市など全国で15自治体が制定しています。
 
定例議会に提案する「協働のまちづくり基本条例」の中で市民投票ができると規定していることに基づき市民投票条例を制定することになったものです。市民投票の結果は市民、市議会、市長は「最大限尊重しなければならない」としています。

県内では、市民投票については、米原市が昨年9月に施行した「自治基本条例」の中でとりあげており、野洲市も住民投票ができることが盛り込まれた「まちづくり基本条例」を議会に提案することを予定していますが、投票実施の具体的手続きなどを定めた条例はまだありません。

(2月27日付け毎日、朝日などが報道)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070227-00000189-mailo-l25 など


【0702/58:旧五個荘町、名誉毀損訴訟】大津地裁が2月26日、旧五荘町元町長の賠償請求を棄却

2007-02-28 00:33:05 | Weblog

講演の内容で名誉を傷つけられたとして、滋賀県旧五個荘町(現東近江市)の小串勲元町長が、前町長の前田清子東近江市議に1000万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟の判決が2月26日、大津地裁であり、稲葉重子裁判長は請求を棄却しました(ニュース番号0602/1、2006年2月25日などを参照)。
 
稲葉裁判長は、前田市議が一昨年6月に行なわれた市民団体「市民運動ネットワーク滋賀」主催の「滋賀県初の女性町長による町政改革」と題された「講演会で、小串元町長が在任中の土地取得をめぐり「土地転がし」と話したことに対し、「問題があったのでは、と意見を述べるにとどまっている。原告の直接関与が意味されているとは言い難い」と名誉棄損に当たらないと判断した。その他の発言内容についても、いずれも不法行為は成立しないとして退けました。

(2月27日付け京都新聞の報道に一部加筆)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070227-00000019-kyt-l25


【0702/57】能登川図書館長が語る隠れ場としての図書館、「自殺したくなったら図書館へ行こう」

2007-02-27 00:45:11 | Weblog

本と出会い「命」考えて
 
年間の自殺者数が8年連続で3万人を突破し、深刻な社会問題になっています。自殺したくなったら図書館へ行こう」という言葉が全国に広がるきっかけを作った東近江市立能登川図書館の才津原哲弘館長(60)に、現代社会における図書館の可能性や果たすべき役割などについて聞きました。

 ――「自殺したくなったら図書館へ行こう」という言葉の由来は。

アメリカの図書館のポスターにこの言葉が使われていることを、図書館情報大学長を務めた竹内哲(さとる)さんの講演録で知りました。アメリカでは図書館が自殺防止の役割を果たしていることを知人らに紹介したのがきっかけで、多くの人にこの言葉が知られるようになりました。

 ――なぜ、この言葉を紹介したのですか。

自殺者が一人も出ない街、自殺を考えている人が一人もいない街は、日本のどこにもないはずです。自殺する前の段階で、本や人と出会い、ほっとできる「隠れ場」としての図書館が求められていると思ったからです。

 ――能登川図書館は今年、開館して10年を迎えます。

旧能登川町の公民館図書館の時には、年間1万冊の利用でした。それが現在は年間30万冊。日常的に本と向かい合う家庭が増えたと思います。また、様々な人との出会いもありました。ガンの宣告を受けたある女性は「ヨーロッパの修道院の図書室がそうであるように、自分にとって図書館は魂を癒やす場所だ」と話してくれました。

 ――どうやって、利用を1万冊から30万冊に増やしたのですか。

何かを知りたいと訪れた利用者を、手ぶらで帰さない態勢を整えることです。それには絶えず良い本をそろえ、利用者の関心に応える必要があります。能登川図書館は毎年、約1万冊の本を購入してきました。図書購入の予算を付け、本を選ぶ職員をきちんと配置する。これに尽きます。

 ――図書館の職員の役割は。

年間7万冊もの本が出版されており、1人が読める本は限られています。責任を持って本を選ぶ力は一朝一夕ではできません。本と利用者に継続的にしっかりと向き合う。その経験の積み重ねが本を選ぶ力を育てます。そこに人件費として予算を投ずることは、図書館を生かすことにもつながります。

 ――なぜ、図書館に興味を持ったのですか。

最初は就職先の一つぐらいに考えていました。大学卒業後、千葉県八千代市の図書館に勤務しました。長く続けるつもりはありませんでしたが、列をなして本を待ち、深々と感謝して本を受け取る人たちと接するうちに、やりがいを感じるようになりました。

 ――理想的な図書館とは。

誰もが気軽に歩いて行けるように、中学校区に一つあること。市町の予算の1%くらいを図書館の費用に充てることが条件です。図書館は生涯にわたっての「学び」を保障し、人が知りたいことを提供する場。身近にあることが何より重要なのです。

 ――3月で定年退職になるそうですが。

バトンを手渡す職員一人ひとりに頑張ってほしい。ただ、図書館は職員だけで出来上がるのではなくて、利用する住民一人ひとりが育てるのです。良い図書館は天から降ってこない。自分たちの図書館として利用し、図書館を育ててほしいですね。

 ――定年後の夢は。

友人がいる福岡県二丈町に移り住むつもりです。小さな町で、図書館がありません。今度は住民の立場で、町のためにできることをしていきたいと思います。

1946年、広島市生まれ。学習院大卒業後、千葉県八千代市立図書館や福岡市民図書館、福岡県苅田町立図書館などを経て、95年に旧能登川町立図書館建設準備室長に。97年、同館長・博物館長に就任し、2006年から現職。趣味は硬式テニス。お薦めの本は「月人石」(乾千恵、谷川俊太郎、川島敏生)、「砂漠でみつけた一冊の絵本」(柳田邦男)、「絵本があってよかったな」(内田麟太郎)の3冊という。

(2月26日付け読売新聞が報道)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news001.htm