8日と9日の夜に会津若松市では「会津絵ろうそくまつり~ゆきほたる~」が開催されました。
市民の憩いの場である「鶴ヶ城(つるうがじょう)」公園や旧会津藩松平氏の庭園「御薬園(おやくえん)」などで約7千本のろうそくが灯され雪の夜を幻想的に彩りました。
鶴ヶ城本丸では和紙で包まれた燭台(しょくだい)や子供達が手作りした灯篭(とうろう)や瓦燈(がとう)などのいろんな明かりが大勢の市民や観光客の目を楽しませていました。
この催しも今年で9回目を迎え、会津の冬のまつりとしてすっかり定着してきたようです。
会津絵ろうそくの製造は今から5百年ほど前の宝徳年間、芦名盛信公の時代に始まりました。
漆器製造の基になる漆の実から最上級の木ろうを採取し、ろうそくを作ったのです。
その後蒲生氏郷公や保科正之公が会津の産業を発展させるために漆樹の栽培を保護奨励した結果、漆やろうの生産が盛んになりました。
江戸時代になり将軍綱吉公に会津絵ろうそくが献上されてから世間に広く知れ渡るようになりました。
婚礼の際には華やかな花が描かれた絵ろうそくが一対灯されこれが「華燭の典」の語源になったとされています。
昔会津ではお供えする花が無くなる冬の時期に仏壇の中に花の代わりとしてこの絵ろうそくをお供えしましたが、今では年中飾られています。