地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

7時間ハイク

2012年02月05日 | haïti

山登りは続く。

 

だいたいこんな山道で、どうやって建設資材を運ぶって言うんだ?

ロバも馬も通れない道もある。

人は元気にひょいひょいと上っていく。

時折裸足で、頭に物を乗せて。

ゴツゴツの岩も、雨で濡れた泥だらけの道も、動物の糞もへっちゃら。

でもこちらとしては糞から感染し得るコレラが怖いんですが。

新鮮な空気が清々しい。

こんなに長いハイキングはいつぶりだろう。

私の体力、まだまだいけますな。

フラットシューズもジーンズも泥まみれ。

運動靴で来れば良かった。

いくら歩いてもまだ着かない。

歩けば歩くほど、人々の側を通り過ぎる度、気持ちが押される。

アクセス困難なこの土地に、良い教育の機会の手助けをして、

よりよい生活を営めるように。

 

教育指導官は泣きそうになっている。

道中ずっと「しんどいしんどい」と弱音を吐いている。

でも川では必ず手を引いてくれて、

泥だらけの困難な山道では手を差し伸べてくれる。

私の貴重な水を勝手に鞄からとって飲みやがったけど。

最初は、こんな太ったおじさん捕まえて、こんな大変な視察を強いて、

水もないし、この人心臓発作か糖尿病かなんかでいきなり倒れたらどうしよう、私の責任だ、と思ったけど、

足が痛いだけみたいだから、そのまま歩いてもらいました。

こういう山の中の学校を訪れるのも彼の仕事なのに、こうでもしないと行かないから・・・

 

歩くこと計4時間、やっと見えたーーー。

 

今までひとつも学校がなかった村に昨年10月に作られた学校。

全部コミュニティの手作り。

ここに350人。

外にも溢れ出る。

雨が降ったら中止。

 

この子も、

この子も、

この子たちも、

4人の子どもがいるこのお母さんも、

村に初めての学校ができたことが嬉しくてたまらない。

初めて学ぶことが嬉しくてたまらない。

この子たちには学ぶ権利があるし、

明日を担う人間になってもらわなくてはならない。

校長先生。

他の4人の先生たちは、みんな資格もないし、初めての教師体験。

1週間研修しただけ。

6歳から16歳まで、みんな1年生。

黒板もノートもない。

ここの先生たちもまだ給与未納。

それでも未来があるという。

 

すべての人々に教育の機会を。

教育は基本的人権。

問題だらけで目を覆いたくなる現状だけれど、

ハイチは少しずつ変わっていっている。

 

さて、我が事務所は建設を決行できるのだろうか。

以前読んだ Three cups of tea という本を思い出す。

アメリカ人が、パキスタンの山奥に学校を作る話。

村人が長い山道、資材を運んで、

何年もかかってやっと作り上げた。

私たちにそんなリスクを負えるか。

お金も今年末までで期限切れになる。

これができたら、たぶん人生でも重要な出来事になる。

駄目だったらけなしてください。