結局エミリーさんは
エスパニョーラ島(ハイチとドミニカ共和国がある島)上空を
でっかいうずまきのスカートで覆いはしたものの
暴風雨と洪水ではなく
ぽつぽつと小雨をしたたらせ
涼しい顔でしれ~っとキューバの方に去っていきました
自宅待機となっていた私たちも
「雨降らないねぇ」と空を見ながら
ほっと胸をなで下ろしたのでした
こういう風に全力で最悪の事態回避のために準備しているときに限って
幸いにもこういう風に、はい・大袈裟でした、またやられた、と言いたくなる程
何にもなかったことが良くある
暴風雨、ハリケーンの影が気象レーダーに現れるたびに
終日ミーティングして
お金と労力とオポチュニティ・コストを総動員して
がががーっと物事が動くことにも
ちょっとお疲れ気味
手を抜いたりして大事になったときを想像するのが怖いから
みんな一応真面目にやる
そしてまったく予期していなかったときに天災はやってくる
イソップ童話の狼少年ではないのだから
いつ何時でも最大限の準備を怠ってはいけないのは我々人道支援家の鉄則
でもね
去年大地震が起きて外国人の国連やNGO職員がうじゃうじゃいる今だからこそ
みんなでわっと一つ一つ反応しているけれど
ハイチ人スタッフたちは
「僕は30年以上この国で緊急支援を経験しているんだ
(裏を読むと:暴風雨ごときで今さら何をバタバタ騒いでいるんだい)」
というコメントをさらりと言い捨てたりしている
そんなこんなでまた1週間くらいは通常業務が中断され
あら あっという間にもう金曜日
9月に学校が始まる前に
巻き返さねば!