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とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

パスポートの受給、島本で?高槻で?(Ⅱ)

2014年07月25日 | とだ*やすこの町政報告
7月24日の午前、高槻市の「地方分権推進特別委員会」を傍聴しました。島本町は7月22日付で、高槻市に「旅券発給事務における窓口対応業務の事務委託」の申入れを行いました。このことに賛成しかねている立場の者として、高槻市側でどのような議論がなされているのか、知っておく必要があると思い傍聴させていただきました。

議論の内容は深く、整理された発言ばかりでした。正直、このことにまず感銘を受けました。賛成にしても反対にしても自らの意見表明を行うことが重要、賛成=行政追随でまったく質疑することなく賛成する議員が多い島本町議会との違いを痛感しました。

出された意見は客観的にみて概ね納得できるものでした。が、いずれも島本町にとって厳しいという印象を受けるものばかりです。以下、わたし自身のメモに基づくもので、戸田の目線からのご報告となります。

委員の方から、まず、既に手狭になっている高槻市パスポートセンターのスペース拡張やプライバシー保護の課題に取り組めること(島本町も一部費用を負担します)、経費削減以上に高槻市側に責任が伴うこと(=リスクも生まれる)について発言がありました。

さらに別の委員から、市にとってマイナスにならないことを前提に財政的なメリットを求めるものではない、しかしながら費用負担のあり方(初期費用や人件費など負担対象・負担率)は極めて重要であるというご意見がありました。

具体的には、JR高槻市駅前に建物を建てた当時の初期費用(土地買収・建設費)などを含む、負担対象に関する考え方であると戸田は受け止めました。貸館施設であることからその貸館利用料をもとに積算された金額をベースにして島本町側の負担を積算している現状が妥当かどうかというご指摘もありました。

これを受けて、もうひとりの委員の方から、果たして、納税者である高槻市民とそうではない市外の市民へのサービスを同等に考えることが妥当なのか、という問題提議もありました。極めて妥当なご指摘と受け止めました。

が、同時に、今回の数字とは比べ物にならない規模で「一般廃棄物処理の事務委託(=ごみ処理問題)」においても同様の議論が交わされることになるであろうと、実感することになりました。そして、広域行政に関する資料には今後も必ず「合併議論を含めた」という文字が登場します。

他には、島本町側の導入年度の財政効果は117万9000円と積算されているが、窓口業務を行えば収入印紙の売りさばき収入がおよそ20万円入るので実際には約98万円の効果となる(島本町の全員協議会でもこのことは議論されました)、すると1件あたり970円の経費削減と試算、その一方でこれが島本町にとって住民サービスにつながるのかというご意見がありました。

それは、行政としての財政削減の数字の規模に比べて、島本町の住民にとっては高槻市に出かける交通費が自己負担となること、町外に出かけるための時間を要することなどから、島本町の方の住民サービスにつながるのか懸念するという意味、わたしはそのように受け止めました。

あくまでも島本町側の問題としながら踏み込んで発言しておられましたが、まさに、この点が、わたしを含めた、今回の事務委託に疑問をもつ議員の反対根拠です。

いずれにしても、島本町が正式に委託を依頼したことを受け、今後、両市議会の9月の議会において「規約案」を審議し、議決することになります。これについては9月議会の日程について、委員より厳しいご指摘と要望があり、最後に委員長自ら、委託ついては島本町から高槻市が受けるものであることから受ける側が先に議決してしまうことのないよう、議会の日程調整について強い要望がありました。

さらに、島本町において今回の案件は、住民へのパスポート受給窓口業務という住民サービスに大きくかかわるものであることから、住民意見の反映や議会の議論を尽くしていただくよう島本町にはその努力を求めたいという内容の委員長まとめもあり、島本町の根源的な課題を指摘していただいたことになります。

言論の場における委員長という立場の発言の重さ、深さ、寛容さに感銘を受けました。朝、祇園祭に気をとられ、気がつけば「京都・河原町」行のホームに立とうとしている自分に気づき(本当ならJR山崎駅から高槻駅に向かうのがベストだった)、猛暑のなか超急ぎ足で高槻市議会に向かうというありさまでしたが、傍聴により、広域行政は住民自治の問題、祇園祭の後祭復興と同様に官民の心意気の問題であるという思いを強くしました。


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寝屋川市の窓口業務を視察(6月3日)
担当職員から丁寧な説明を受けました

島本町の職員では対応できない事務ではありません
これについては政策企画部長も断言、認めています。