「どこがって…。愚問だな。言うまでもないよ、あれほどの美人はいないじゃないの」
私は気色ばんで答える。
「パーフェクト…。大沢さん、室谷さんにパーフェクトっていう言葉使ってるけど、あれは『ボディ』の前に付ける言葉だよ」
「…パーフェクトだよ。ボディに限定する必要なんてない。由紀ちゃんはすべてにおいてパーフェクトなの!!」
きょうのA氏はいつになく挑戦的である。きょうはこれで「3軒目」だというから、多少酔っているのだろう。
「ボクは小柄なコが好きなんだよね」
とA氏。
「ああ、奥さん小柄だもんね。オレは背の高いコがいいの。…根本から好みが違うんだから、こりゃダメだ」
小柄…という単語から、本田小百合女流二段の話になる。
「本田さんは強くなったよねえ」
対局中のKun氏が、感心したように言う。局面はKun氏の優勢だ。
本田女流二段の充実は、一同が異議なし。彼女は将棋に手厚さが増した。不断の努力が実を結んできたのだろう。
その本田女流二段は9月3日に、女流王座戦の挑戦者決定戦を戦う。しかし相手が里見香奈女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花では、さすがに分が悪いだろう、が私たちの見解だった。
His-Kun戦はKun氏の快勝。前回の雪辱を果たした。
午後10時16分、今度はKun-Fuj戦が始まった。Fuj氏はもちろんだが、Kun氏も将棋が好きだ。
戦型は角換わり相居飛車。LPSA同士の対局では、ほとんど見られない戦型である。
再び将棋ペンクラブの話題になる。今年のペンクラブ大賞贈呈式は9月21日(金)に行われる。会費が8,000円もするので私の参加は微妙だが、今年は米長邦雄永世棋聖「われ敗れたり」が大賞を受賞している。米長永世棋聖にお目にかかるのもいいかと思う。
「ペンクラブ大賞って、将棋小説に甘くない? いつも何かの賞を獲ってる」
と、私はA氏に憎まれ口を叩いておく。とはいえ、選考委員はつねにニュートラルである。そこがペンクラブのいいところだ。
A氏の話もマル秘満載で、ここには書けないことばかりだった。
Kun-Fuj戦は、一手争いの激しいことになっている。先ほどまではKun氏が圧倒的優勢に見えたが、Fuj氏の△5五桂~△6七桂成が妖しい手。
Kun氏は▲3三金(王手)△2一玉▲4三金(と銀を取る)。Fuj氏、△5九角と▲4八飛車取り。しかしこの終盤で飛車など取っていられない。狙うは▲7九玉だ。
Kun氏、▲3三桂成とゲタを預ける。Fuj氏、ここで△6八銀! 当然とはいえ、6八に打つのが好手。以下、綺麗に先手玉を詰め上げた。
緊張感のある、実にいい勝負だった。まるで、NHK杯を観ているかのようだった。
11時を5分ほどすぎた。A氏が帰るようだ。私がA氏と飲むときは、いつもA氏が飲み代を持ってくれる。ならばここでは、私がA氏の食事代を…となるところだが、そうはしないのがジョナ研である。植山悦行七段だろうが中井広恵女流六段だろうが、しっかり割り勘である。A氏からもしっかりお代をいただいた。しかしA氏はこれに懲りずに、また参加してもらいたい。
A氏が退席した10分後、Kun氏も退席。11時20分である。これはKun氏、前回同様、最終電車があぶない感じだ。
その直後、残ったHis氏、Fuj氏、私の3人も帰ることにする。食事代は12,150円だった。
私は気色ばんで答える。
「パーフェクト…。大沢さん、室谷さんにパーフェクトっていう言葉使ってるけど、あれは『ボディ』の前に付ける言葉だよ」
「…パーフェクトだよ。ボディに限定する必要なんてない。由紀ちゃんはすべてにおいてパーフェクトなの!!」
きょうのA氏はいつになく挑戦的である。きょうはこれで「3軒目」だというから、多少酔っているのだろう。
「ボクは小柄なコが好きなんだよね」
とA氏。
「ああ、奥さん小柄だもんね。オレは背の高いコがいいの。…根本から好みが違うんだから、こりゃダメだ」
小柄…という単語から、本田小百合女流二段の話になる。
「本田さんは強くなったよねえ」
対局中のKun氏が、感心したように言う。局面はKun氏の優勢だ。
本田女流二段の充実は、一同が異議なし。彼女は将棋に手厚さが増した。不断の努力が実を結んできたのだろう。
その本田女流二段は9月3日に、女流王座戦の挑戦者決定戦を戦う。しかし相手が里見香奈女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花では、さすがに分が悪いだろう、が私たちの見解だった。
His-Kun戦はKun氏の快勝。前回の雪辱を果たした。
午後10時16分、今度はKun-Fuj戦が始まった。Fuj氏はもちろんだが、Kun氏も将棋が好きだ。
戦型は角換わり相居飛車。LPSA同士の対局では、ほとんど見られない戦型である。
再び将棋ペンクラブの話題になる。今年のペンクラブ大賞贈呈式は9月21日(金)に行われる。会費が8,000円もするので私の参加は微妙だが、今年は米長邦雄永世棋聖「われ敗れたり」が大賞を受賞している。米長永世棋聖にお目にかかるのもいいかと思う。
「ペンクラブ大賞って、将棋小説に甘くない? いつも何かの賞を獲ってる」
と、私はA氏に憎まれ口を叩いておく。とはいえ、選考委員はつねにニュートラルである。そこがペンクラブのいいところだ。
A氏の話もマル秘満載で、ここには書けないことばかりだった。
Kun-Fuj戦は、一手争いの激しいことになっている。先ほどまではKun氏が圧倒的優勢に見えたが、Fuj氏の△5五桂~△6七桂成が妖しい手。
Kun氏は▲3三金(王手)△2一玉▲4三金(と銀を取る)。Fuj氏、△5九角と▲4八飛車取り。しかしこの終盤で飛車など取っていられない。狙うは▲7九玉だ。
Kun氏、▲3三桂成とゲタを預ける。Fuj氏、ここで△6八銀! 当然とはいえ、6八に打つのが好手。以下、綺麗に先手玉を詰め上げた。
緊張感のある、実にいい勝負だった。まるで、NHK杯を観ているかのようだった。
11時を5分ほどすぎた。A氏が帰るようだ。私がA氏と飲むときは、いつもA氏が飲み代を持ってくれる。ならばここでは、私がA氏の食事代を…となるところだが、そうはしないのがジョナ研である。植山悦行七段だろうが中井広恵女流六段だろうが、しっかり割り勘である。A氏からもしっかりお代をいただいた。しかしA氏はこれに懲りずに、また参加してもらいたい。
A氏が退席した10分後、Kun氏も退席。11時20分である。これはKun氏、前回同様、最終電車があぶない感じだ。
その直後、残ったHis氏、Fuj氏、私の3人も帰ることにする。食事代は12,150円だった。