一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

9月7日のジョナ研(前編)・植山悦行七段戦

2012-09-12 00:04:30 | ジョナ研
7日(金)は、金曜恒例のジョナ研があった。このところ、「大野教室の前日にジョナ研」が続いたが、「大野教室のない週にジョナ研」が本当で、ようやく正規に戻った形だ。
私はいつものように、午後7時に駒込ジョナサンに入る。奥に案内されると、W氏、Hon氏、Kaz氏と3人も先客がいたので驚いた。
私のサラリーマン時代は、8時や9時の退社は当たり前。7時にプライベートで別の場所にいるなんて考えられなかった。W氏らの業務はどうなっているのだろう。ただいまさらだが、もし私がいまもサラリーマンを続けていたら、彼らとは知り合いにならなかったし、LPSA女流棋士との交流もなかった。
20分後、R氏が来る。今回ももちろん、仕事を抜けだしている。
「中井先生どうなりました?」
が挨拶代わりだ。しかし私たちは答えられない。
中井広恵女流六段はきょう、中村真梨花女流二段と女流王将戦の挑戦者決定戦を戦った。これだけメンツがいれば、誰か結果を知ってそうなものだが、意外や誰も知らないのだ。
続けてKun氏も来た。やはり中井女流六段の勝敗は知らないようだ。そこで私たちは思った。当人に聞けばいいじゃないか、と。
代表して、私が中井女流六段にメールを入れる。これは中井女流六段の誕生日パーティー以来、約2か月半ぶりになる。世間では、私と中井女流六段が年中メールのやり取りをしていると思っているかもしれないが、それは誤りである。
私は用もないのにメールは出さないし、中井女流六段も私に近況を知らせる理由がないから、お互いダンマリを決め込むことになる。
すぐに返信が来た。注目の結果は、「負けました」。「倉敷藤花戦、頑張ります」とあった。その言葉を信じて、次に期待するしかない。
7時38分、Fuj氏が来た。私の左に座る。さすがのFuj氏も、女流王将戦の結果を知らなかった。
きょうはこの7人である。久しぶりに、レギュラーが勢ぞろいした。ではここで、席の配置を記しておこう。

     W Hon Kun

  Fuj 一公 Kaz R
        壁

小太りの私とFuj氏が並ぶと暑苦しいが、やむを得ない。
とりあえず食事をしながら雑談。そのうちのひとつは、3日に行われた王位戦・植山悦行七段と甲斐智美女流四段の一戦だ。これ、私たちは当然、植山七段が勝つと信じていたが、結果は負け。しかもW氏の報告によると、ふつうに負けたらしく、私たちは心底ガッカリした。
8時28分、W氏にその将棋を並べていただく。きょうはここで初めて、将棋盤が出た。
将棋は先手甲斐女流四段の石田流三間飛車。植山七段は飛車先の歩を突かず、いつもとは一味違った指し回し。甲斐女流四段の指し手も堂々としており、見応えのある好局となった。しかしこれではいけないのである。
中盤、甲斐女流四段が▲8三歩成とした手が味わい深い。「このと金が間に合ってくるんですよ」とW氏の解説が入った。
植山七段は甲斐玉にちょっかいを出すが、甲斐女流四段は間違えない。▲5二歩成と金取りに成ったところで、W氏が「これで植山先生が投了しちゃったんですよ」とつぶやいた。
「エエッ!?」と私たちは仰天する。ここで投了とは、随分中途半端な気がする。それも道理で、最近は植山七段が投了すると、対局者が必ず「エッ?」と聞き返すそうだ。私も「早投げの大沢」と言われているが、さすがにここでは投げない。
植山七段の感想によると、「この手を指されたら困るな」という手をことごとく指され、途中からイヤになってしまったそうだ。
先日の私との指導対局もそうだったが、植山七段は自分と棋風が似ている人の将棋をキラう。読んでいるうち、対局相手の中に自分の姿を見つけ、イヤになってしまうのだ。
植山七段は、これで対女流棋士に4敗目。「植山先生は女流相手に平手で指すからいけない。飛車落ちなら底力を出して勝てるのに」は、私たちがよく使うジョークだが、それも虚しくなってきた。最近の植山将棋には粘りがないが、齢を重ねて、気力がなくなってしまっているのだろう。
続けてW氏がHon氏と席を替わり、「将棋倶楽部24」で指した将棋を並べ始めた。W氏、ほかのジョナ研仲間に隠れて目立たないが、けっこうな将棋好きだ。ネット将棋を指し、請われてもいないのに将棋を並べるなどが、その証左である。
この将棋、お互い「15級」を名乗っているが、とても15級とは思えないコクのある展開で、私たちは大いに楽しんだ。ちなみにW氏は自称「アマ1級」である。ふつうの将棋道場なら「アマ二段」というところ。
続けてKun-Kaz戦、R-Hon戦が行われる。Kun-Kaz戦は大会なみのピリピリムード。Kun氏の先手で▲7六歩△8四歩▲7七角△3四歩▲8八飛、と進んだ。「向かい飛車」といえば△8五歩に呼応して8筋に振るのが相場で、3手目▲7七角からの▲8八飛は珍しい。しかしこの指し方は、「将棋世界」の最新号に出ていたという。Kun氏は毎回指し手に工夫を凝らすが、その勉強熱心さには頭が下がる。
もう一局のR-Hon戦は横歩取り。どっちもファミレスの余興らしからぬ戦型だ。みんな将棋が好きだなあ…。私は笑いを堪えるのに必死だった。
(つづく)
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする