一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

大崎善生氏、逝去

2024-08-05 23:35:14 | 愛棋家
作家の大崎善生氏が亡くなった。享年66歳。下咽頭がんだったそうである。
大崎氏は「将棋世界」の元編集長で、村山聖九段の生涯を描いた「聖の青春」、奨励会を退会した青年を描いた「将棋の子」は話題になった。
といっても私は大崎氏の小説はまったく読んだことがなく、2003年に上梓されたエッセイ「編集者T君の謎 将棋業界の愉快な人びと」くらいしか読んでいない。これは登場人物が面白いこともあるが、それを余すことなく活写した大崎氏の文章力が素晴らしく、将棋ファン必読の書である。
私生活では2003年に、高橋和女流三段と結婚した。どうであろう。将棋専門誌の編集長を務め、作家として多くの作品を発表し、極め付きは美人女流棋士と結婚する。将棋愛好家としてこれ以上ない人生だと思う。
だが、がん発症はその人生設計にはないイレギュラーなものだった。ネットで「藤井聡太七冠への祝辞」の記事を読んだが、これは半分「遺書」である。大崎氏はおのが命運を悟りながらも、冷徹な目で現状のすべてを綴った。
いまごろは、村山九段に挨拶をしているのだろうか。伝説の名編集者に、合掌。
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4 コメント

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大崎善生さん (将子)
2024-08-13 23:31:03
昨年の11月、藤井先生の王位就位式をライブで見ていて、大崎善生さんを初めて見ました。ご病気のため、奥様が祝辞を代読されたのですが、奥様、一公さんのおっしゃる通り、とても綺麗な方ですね。
祝辞がかなり長くてびっくりしましたが、面白い内容で、私にしては珍しく最初から最後まで拝聴させていただきました。藤井先生との記念撮影で、嬉しそうにニコニコされていて、可愛らしい方だなぁと思ったことを覚えています。

余談ですが、2017年6月の朝日新聞に、大崎さんが「藤井将棋の原風景」という文章を寄稿されたのですが、その中に、「(藤井先生が)これからぶつかるいくつもの壁をどうやって乗り越えていくのか、そんなことにもワクワクする」また、「新聞社のインタビューに、藤井君には、圧倒的な騎士になってほしい、と答えた」と書かれていました。
藤井先生には、大崎さんの期待に応えて、壁を乗り越え、圧倒的な棋士になってもらいたいです。ご冥福をお祈り致します。
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せめてもの救い (一公)
2024-08-14 02:32:09
>将子さん
高橋先生は美人です、中倉彰子先生系の美人ですね。
高橋先生の結婚が発表されたとき、奈落の底に落ちた将棋ファンが少なからずいたはずです。
藤井先生は、とくに大きな壁もなく、すんなりと八冠を達成した感じです。もうこの時点で、圧倒的な棋士だと思います。紛れもなく、史上最強の棋士です。
大崎氏は自身の寿命が尽きることが無念だったでしょうが、藤井先生の八冠を見られたことが、せめてもの救いだったといえましょうか。
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美人の奥様&本 (将子)
2024-08-15 22:36:13
高橋先生も中倉先生も、清楚な正統派美人ですね。
大崎さんは、素敵な奥様に恵まれ、一公さんのおっしゃる通り、藤井先生の八冠制覇を見届けられて、良い人生を送られたと言えるのではないでしょうか。

ところで、一公さんお勧め「編集者T君の謎 将棋業界の愉快な人びと」、早速kindleで購入させて頂きました。まだ、初めの10ページぐらいしか読んでいませんが面白そうです。
いつも、色々と教えて頂き、ありがとうございます。
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イカソーメン (一公)
2024-08-17 23:37:43
>将子さん
いつも隣に高橋先生がいて、大崎先生は幸せだったはずです。

あー、いまはkindleで手軽に買えるんですね。
本分は、編集者T君(それか大崎氏)と大山先生の、イカソーメンを巡る攻防が面白かったです。
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