感染症診療の原則

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7年と11か月

2018-03-07 | (ちょっと休憩)ほんとに休憩
2010年4月
「後輩の医師がやっている活動の応援もあって」とその時編集長は編集部員に言った。
もともと犬は好きだった、昔飼ってたんだよといった話をしていた記憶があるけれど、多忙な日々にお世話はたいへんだったのか、2010年前のご自宅に日々のお世話のいる動物はいなかった(と聞いていた)。
ご家族待ち望むトーマスがやってきたよ〜ということで初めてお目見えした日は衝撃的だった。

およ!それまでにイメージしていた犬となんだか違う。
 吠えない(訓練していたからからね、と編集長)
 尻尾を降らない(誰にもふらないんだよ、と編集長)

ひととおり目視とクンクンが終わったらぷいっとどこかにいってしまった(食べ物を持っていないか確認しているんだよ、と編集長)。
年に数回しか合わなかったけれど、そんな簡単に媚び売ったりしないんだぜ、我が道をいくんだぜ、という哲学のようなものを次第に感じるようになった。
(中に誰かいるのか?)

そんな彼は、忘年会やpartyでは皆さんにイイ子イイ子してもらって、困るなあ顔をしつつもカメラ目線は怠らないプロフェッショナルであった。

初期のブログ記事を読み返したら、散歩に連れて行ってもらっていたのは編集長で、添い寝をしてもらっていたのも編集長だった。

編集長は(あえて)大きな組織に属さない、スペシャリストとしての道を選び、多種多様なノイズ(その他略)の中で闘ってきた。
闘うというのは大げさだよと言われそうだが、この国で、既存のものに流されず口閉ざさず、後進の人たちのためにしなくてはいけなかったことは、そう表現してもおかしくないものだった。
世の多くの、特に医師のような人相手にやる気や魂が削られることの多い仕事をしている人たちはには、どこかですべての緊張をほどいて緩めるところ(関係)があってほしいと思う。
そうした人たちの思いや努力で現場や社会は確実に少しずつよくなっているからだ。
食事会や勉強会で会う時は、皆さん笑顔だが、毎日の中には本当にいろいろなことがある。
折れないで、疲れないで、悲しまないでいてほしいと思う。
トーマスは編集長にそうした時間や場をくれる家族でありバディだった。

ぷいっとどこかにいったはずなのに、気づけば足元で静かにまどろんでいる。
(元気で楽しい時にはあまり考えないが)しんどいときや重たい気分の時に、(あれこれ口出しせず)誰かが一緒にいる、というのはすごいことだ。
誰かも誰でもいいわけではないからなおさらだ。

英語のケアの教科書にはbeingこそcareなのだ、という書き出しがある。
beingの場所は変わっっても、見守り祈り続けることはできるけれど、
大切な人たちと同じ場所・時間いられる時間は実は限られているんだよ、と親しい人が先に行くたび教えられている。

皆さん、今日も明日も大切に。
(編集部)

思い出シリーズ
2010年 家族が増えました

2010年 似た者どうし

2010年 似た者どうし2

2010年 ラブラブ

2010年 介助スキル

2010年 多芸

2010年 おしゃれ

2010年 編集長の人工呼吸器を奪う

2010年 肉球チャレンジ

2011年 編集長を押し倒す

2012年 編集長の寝込みを襲う

2013年 添い寝

2014年 美容院

2017年 添い寝
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