AKB48の旅

AKB48の旅

裏AKB48ヒストリー ファン公式教本

2013年04月02日 | AKB
のめり込むように、一気に読み切ってしまった。面白かったなんてもんじゃない、もの凄く、日本語が苦手とする最大級の誇張表現でもって叫びたいくらい、もの凄く面白かった。

描かれてるのは、主に初期AKBの実像とでもいったら良いか。大声ダイヤモンド以前にしてキングレコード以前、地下アイドルにして水面下の存在だった頃の初期AKBについて、丁寧な取材を元にした「劇場史観」を通して、手法としては因果関係を中心にして、当時の事実関係なぞってる。ライターさんからは、AKBに対する愛情が溢れてるのが伝わってくるし、込められた熱量も半端ない。

「風吹新規」の身としては、これを読んだことで、ようやくにして僅かではあるけど、AKBの黎明期に足を踏み入れることができた気分。もちろん、これもまた「劇場史観」と言う名の物語ではあるけれど、目撃者の数だけ真実があるのであり、それが既に過去である以上、現在に生きる身としては、その物語を自身に引きつけて理解するしかない。

そういう視点から見て面白いなと思ったのが、現在のAKBの様々な要素の萌芽が、当初は異なった意味付けなり、存在様式をとっていたと言うこと。これは言わば当然なわけで、鳥の羽や翼が、当初は飛ぶための道具ではなかったみたいな、ちょうど進化論との相似形になってる。成功した存在を、過去に遡って振り返ると、必ずと言って良いほど、そんな相転移に出くわすことになるわけで、AKBも正にそうだったことがわかる。

ここら辺は、これまでは個別の情報を拾い集めることで、完全なる憶測で考えていたところだけど、因果関係の方向性については、いくつか修正が必要かもしれないけど、大枠の修正というか、根本から捉え直さなければならないところは、特になかったと言い切れるんじゃないか。

後は、「ヲタ」と言う言葉の定義を、少しばかり修正する必要に迫られたかな。なるほどなあという感じで、少なくとも、ここに証言を寄せているような「古参ヲタ」さんと、そうではない、より新規のヲタさんは、分けて考えるようにしないといけないのかな。

付け足しだけど、題名はもちろんのこと、本のサイズもデザインも「AKB48ヒストリー 研究生公式教本」そっくりになってるのには、ちょっと笑った。この2冊を並べると、上下巻とか前後編にしか見えない。これはやはり、純粋にリスペクトと言うよりは、ちょっとではあっても「混同」を期待したのかな。

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