AKB48の旅

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「セブンスコード」MV

2014年03月05日 | AKB
いちおう「映画」として公開されたとのことなんで、「映画」表記でも良いんだろうけど、見終わった印象が紛うがたきMVだった。いや違うな、これは「セブンスコード」という曲のMVという域を超えてる。終始一貫して前田敦子その人のPVとするのが正しいか。

となると、第8回ローマ国際映画祭での監督賞と技術貢献賞の受賞が謎ということになるけど、単なる箔付けとしては、肝心の前田さんの受賞じゃないし、そこはシンプルに、黒沢監督が評価されたものとして理解することにしよう。

ストーリーはあってないようなものと言い切ってしまっても良いと思う。いちおう表面的にはなぞれるし、それなりに推定なりこじつけはできそうだけど、たぶんそんなのはどうでも良いことかと。そもそも題名の「セブンスコード」が、映画としての名前では"Seventh Code"、楽曲名が"SEVENTH CHORD"であるという点で、これが単なる記号に過ぎないことが分かろうというもの。ストーリーを含め、すべては前田さんに奉仕するためだけに用意されたものだろう。

何よりも真っ先に印象に残るのが、映像の美しさかな。ヴラヂヴォストークという街の歴史を踏まえた荒廃感を背景に、前田さんのマイナスオーラが見事に嵌まってる。映像としてしっかり捉えられてる。おなじみの表現になるけど、前田さんの、そこだけ空気感が違う、硬質な存在感が際立つ。

ヴラヂヴォストークの、廃墟のようにも見えるヨーロッパ調の町並みを走る車のほとんどが日本車の中、松永の乗るヴォルガの個性が、まさに前田さんのそれのようだし、一度たまたまナンパされただけという設定なのに、国境を越えて会いに来る、家宅侵入までする、さらには屈強の男達に身ぐるみ剥がれ、手込め?にされても、そんなことをまるで意に介してない、服を泥棒して無銭飲食をして、そのままそのレストランに居座ってしまう、そんなすべてが、前田さんを指し示す記号になってる。

クライトロン"Krytron"というギミックから原爆云々の展開も、前田さんに本格的なアクション、そして格闘を演じさせ、殺人にまで到らせるためのものだろうし、そこは流石に、実際しっかりと動けてる。演じ切れてる。与謝野晶子へのオマージュは、これは何なんだろう。ロケ地がヴラヂヴォストークだったからなのか、それとも前田さんに、与謝野晶子を連想させる何かがあるというところから、ロケ地が決定されたんだろうか。

メイキングでの、黒沢監督の前田さんに対する激賞ぶりにはちょっと驚いた。テキストとして出た時には、スポンサー様に対する単なるリップサービスぐらいに思って流してたけど、これを見ると、けっこう本気の発言なのかも知れない。脚本も黒沢監督とのことで、それは黒沢監督が、前田さんのことを深く理解してることの証左となる。その上で、ということなんだろう。

あとは、黒沢組スタッフ総出なのか、MVとしては規模が大きくて、これは予算も相当にでかかったことがわかる。やはり秋元氏から黒沢監督に直々に、とにかく徹底的に、前田さんの魅力を映像作品にしてくれとの依頼があったのかなと思わせる。

最後にオチと言うつもりでもないけど、「セブンスコード」の公式ページを見て、やられたと思ったのが、指原さんの「目に見えるものがすべてじゃねーんだよ」が、前田さんへのオマージュだったこと。指原様、流石です。

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