Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

マルセイユにおける海洋教育

2009-10-07 | フランスの海洋教育
 オランダ経由でマルセイユに入る。朝,自宅を5時に出て,マルセイユ着は24時間後の朝6時であった。
 ヨーロッパといえば,ネアンデルタール人が最期を遂げた場所である。彼らは,ヨーロッパでどのような生活を送っていたのだろうか?
 ネアンデルタール人の最後を考えた。彼らは,スペインから日本に近い極東域のユーラシア大陸に広く生活していたが,スペインの南橋,ジブラルタ海峡の洞穴に最後の住処を得る。今から,2万5千年前のことだ。その頃,ホモサピエンスがジブラルタ海峡にやってくる。両種は3000年の重なりがあるらしい。
 彼らは,戦ったのかどうか,わかっていないようだが,少なくとも,武器,装飾品などホモサピエンスとあまり変わらない生活様式や技術を持っていた。言語についても,遺伝子の解析から使用能力があったことがわかっている。興味深いのは,ネアンデルタール人もアシカ,魚類など海の幸を食べた痕跡があることだ。3000年の間に一体何があったのだろうか?
 私が注目したのは,生物としての適応である。生物は,極限まで環境できる能力を持ち得ている。ただし,急激ではなく,少しずつ少しずつ環境に適応していく。その厳度を超えると,絶滅へと向かう。急激な環境変化に生物は弱いのだ。おそらく,それまで安定的であった洞窟の環境に大きな変化が起きた。津波等の災害,気候の大きな変化が重なったのだろう。「強い生き物が残るではなく,環境に適応できるものが生き残る」のである。
写真は,地中海大学の本部(ナポレオン3世が后のために建てたもの。生涯で1度しか使わなかったという。)