Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

地球環境戦略研究機関(iGES)を訪問

2009-03-28 | 水圏環境教育センター
神奈川県葉山町上山口。バス路線沿いに上山口小学校という小学校がある。近くには小さな川が流れており,河口には葉山の御用邸がある。川の状態は決して良い状態ではない。

さて,この施設は品川駅から約1時間の湘南国際村の敷地内にあって眼下には相模湾を見渡せる風光明美なところである。夕方は、富士山に沈む夕日が美しい。

この施設は日本政府の主導により設立され、研究員56名,研究支援・広報スタッフ23名,管理業務スタッフ40名,特別会計事業29名となっている。アジア太平洋地域における持続可能な開発の実現を目指し地球環境の実践的な研究を行っている。現在は、気候政策、バイオ燃料、森林保全、淡水、廃棄物、資源、ビジネスと環境、能力開発と教育の各研究プロジェクトを実施している。

ロスアンゼルスの岩手県県人会でお会いした川井村出身の方の息子さん(カルフォルニア大学バークレー校のPhDである)にお会いし,アジア太平洋地域における気候変動に関する研究についてお話を伺った。アジア太平洋地域においてテクノロジーに関する目標達成はそう難しくないが,政治,経済の問題が絡むと難しい。どのようにして解決していくかが大きな課題である。

教育に関しては,環境人材育成コンソーシアム準備会が3月25日に発足し,「産学官連携によるアジアで活躍する環境人材育成に向けて」議論が始まった。平成21年度には「環境人材育成コンソーシアム」が立ち上がる。(コンソーシアムとは共同体という意味であり,このブログでも取り上げているが,横や縦の連携を強化するということだ。)

本学も2010年には水圏環境教育センター(仮称)が設立される予定である。それぞれの大学における個性的取組があってはじめてコンソーシアムも生きていくことであろう。また,インドネシア,韓国が取り組むシーグラントカレッジのような施設も世界的な動きの中で必要になってくることであろう。

21世紀のFDモデルの構築に向けて

2009-03-25 | 水圏環境教育センター
21世紀のFDモデルの構築に向けて:オープンエデュケーションscholarship of teaching and learning(SOTL) とテクノロジーの活用を中心に と題し,MIT(マサチューセッツ工科大学)教育イノベーション・テクノロジー局上級ストラテジスト東京大学大学院情報学館 ベネッセ先端教育技術講座 特任教授 元カーネギー財団上級研究員,知識メディア研究所所長の飯吉透氏による講演要旨を紹介する。

<FDとは何か?>
FD楽しいですか?それとも,憂鬱ですか?と尋ねると,日本では,FDというと暗くなる。しかし,アメリカでは,驚いたことー楽しくやっている。―教員誰もが似たようなトレーニングを受け,同じような教授方法をマスターしようとするからとうまくいかないのだ。

教えと学びのパラダイム転換はFDでも同じである。学生にこのことを話しているが,先生に話すと全盛期モデルになる。
”NO PAIN,NO GAIN”から”MORE FUN,MORE GAIN”へ 楽しむことが必要である。
(ワカサギ博士:FDとは大学教育の質を高めるという意味であるが,FDの本来の意味がうまく紹介されていないのが日本の現状である)

<アメリカの高等教育におけるFDの歴史>

元来は研究者として育成するためのものがFDである。
社会や経済における変化の影響―”つまり研究知識偏重は良くない”から始まり,学生の多様化という観点でFDが必要になった。

もう一つの潮流として,授業実践を公開,コニュニティーとして教育実践の改善に関する知識構築を行う,
carnegie acacemy for the scholarship of tehaching and learning (CASTL)というものに取り組んだ。
CASTL CAMPUS PROGRAM 大学機関レベルのでSOTL連絡協議会がはじまった。
際学会を通じたSOTL連絡協議会のグローバル展開とネットワークを構築した。

<オープンエヂュケーションの3構成要素>

◎オープンテクロノジー  
大学がネットワークを作りいいものが繋がっていく。改変することが出来る。大学が繋がることが大切だ。

◎オープンコンテンツー Multimedia educational resources for learing
触るベからズ,ではいけない。これは大学の文化の問題として,時間がない,適合しない,など固定化されているためである。オープンコンテンツプロジェクト,ウエブで製本したものが送られてくる。いろいろな学会とも提携している。オープンラーニングイニシアティブ 次世代のオープンコースopen course wareである。

日本は20年以上遅れている。どんなに材料が良くても,料理人がしっかりしないといいものは作れない。同じように,知の料理人としての教員は,これらの教えるための道具と材料をこなすことが求められる。他の料理人はどうしているだろう。これをFDの教材と使うとどうなるか?と考えていくことが重要だ。

◎オープンナレッジー オープンエデュケーションで大事なのは知識である。
ここでいう知識とは,教授と学習に関する経験的知識,科学が発達しても教育的知識表象が必要。

これら三拍子そろったものを作る。例)KEEP TOOL という教材ツールキットを作成した,育知識表象共有テクノロジー 世界中のスナップショットを連携させる取り組みを実施した。

<広義のFDを構成する3要素>
広義のFDを構成する3要素は教員開発,教授開発,組織開発である。 
文化を変える必要がある,表象の制度を改善する,情熱や意気込みをどう変えるか,何か新しいことを試みをすると失敗する,失敗を奨励すること。イノベーションセーフティネット,学生の成績が落ちるかもしれない。情報を交換する場が必要。
FDは多角度的にみていくことが必要である。


大学教育研究フォーラム in 京都大学

2009-03-24 | 水圏環境リテラシープログラム
京都大学で開催された第15回大学教育研究フォーラムにおいて,本学が取り組んでいる水圏環境リテラシー教育推進プログラムが紹介された。

大学教育研究フォーラムは,地域社会に貢献できる大学を目指すために,大学教育のあり方を様々な角度から議論する研究集会である。

その背後には,これまでの大学が研究活動に主眼が置かれ,教育活動にあまり力を注いでなかったという反省がある。

こうした活動は,アメリカの大学で始まったものであり,日本の大学教育にはなじみのないものと言っていいだろう。

そのため,これまで具体的事例は紹介されていなかった。本学の取り組みである「水圏環境リテラシー教育推進プログラム」は,いわば大学の教育活動を推進するための具体的な方向を示したものとして評価できよう。

発表では,科学をわかりやすく伝えるための「水圏環境コニュニケーション学」の実践事例を紹介した。その中で,ローバート・カープラス(LHS, UCB)が開発したラーニングサイクル,それをもとした授業実践として,港区立中高生プラザで実施した受講生が小学生に海洋科学をわかりやすく伝える「海洋科学講座」を紹介した。

この「海洋科学講座」は参加した学生のみならず,受講した小学生,保護者,職員から「砂のでき方がよくわかった」「うちのこどもが家に帰って楽しそうに学んだことを話してくれた。」「来年もぜひ実施して欲しい」など高い評価を得ている。

ラーニングサイクルにもとづいた教授方法は,意欲的に活動に取り組むというメリットがあるものの,まだ日本では浸透していない。解決しなければならない様々な課題がある。多くの皆さんが活用できうる,日本にマッチしたよりよい教材開発・授業実践ができればと考えている。


海洋教育セミナーが東京海洋大学で開催

2009-03-14 | Weblog
The ocean education seminar is held in the TUMSAT.

本セミナーは,日本船舶海洋工学会海洋教育推進委員会主催で,全国の大学,高等学校,高等商船の学生により,これまで彼らが取り組んできた海洋教育についての事例発表ならびに研究発表会が行われた。
Case announcement and meeting for research papers on ocean education conducted by university and high school, student of higher marchant ship in the Japan, marine ship engineering association's ocean education promotion committee sponsorship were carried out this seminars.
主催学会が工学系という事もあり,水中ロボット,体験乗船,海洋スポーツ,帆船教育など船舶に関する話題提供がメインであった。全国各地で実施されている熱心な取り組みに会場からは惜しみない拍手が与えられた。
There was the sponsorship institute on the fact of the engineering, and topic offer on ships such as underwater vehicle, experience boarding, ocean sports, sailing ship education was a main.
The enthusiastic challenge carried out in national each place gave not grudging handclap from the place.
本研究室からは,手賀沼の住民意識調査,閉伊川大学校の運営と評価,大田区ふるさとの浜辺公園における水圏環境教育の有効性に関する調査結果を報告した。
From this our AMEL LAB, the survey result on resident consciousness investigation of Teganuma, management of the Heigawa River university school and evaluation, effectiveness of aquatic environment education of the in artificial beach park was reported.

最後に,総合討論が行われた。私の方からは,「将来社会人になって海洋教育に携わりたい思っているか?もし,携わるとした場合どのような基盤整備が必要だと思うか?」という質問をさせていただいた。
Finally, the total discussion was carried out.
Is it thought from my way ocean education want to the future member of society ?
Is it thought that what kind of establishing of a base is necessary, when it participated,?
The question had been done.
その答えとして,職業として成り立たせるための仕組み作り,マーケティングの手法を活かした海洋教育活動,海洋教育活動のしっかりとした位置づけ,その仕組み作りのために学会が機能すべきでは?といった意見を頂いた。
There were opinions that positioning of mechanism for establishing as an occupation, ocean educational activity which utilized the technique of the marketing, ocean educational activity done securely.
日本のこうした海洋教育活動は近年盛んになってきている。しかしながら,その活動のほとんどはボランティア活動であり本職として取り組むことは難しい。海洋教育を志す学生が将来のプロフェッションとして仕事に就ける仕組み作りが日本の喫緊の課題であろう。
Such ocean educational activity of Japan becomes recently prosperous.
However, it is a difficult situation that most of the activity is the volunteerism and that it wrestles as this job.The mechanism make it provides for the work, as the student who aims at the ocean education makes it to be future profession, will be an urgent issue of Japan.

ポイントレイズ・ナショナル・シーショアを訪問。

2009-03-11 | シーグラントカレッジプログラム
本日が最後の調査となった。ポイントレイズは,1700年代に発見された。この半島は,はじめは島であったが少しずつ移動して大陸と繋がったという地理学的にも興味深い場所であり,またクジラやエルクなど様々な野生生物の宝庫であり自然観察学習にも最適な場所である。ポイントレイズ・ナショナル・シーショアとして国により保護されている。http://www.nps.gov/pore/

フランシス・ドレイクはアメリカ西海岸からイギリスへ帰ろうとしたのだが,霧のため海岸線が全く見えない。そのため,詳細な海岸線を記録することが出来なかった。イギリスのドーバー海峡に似ていることから,当初Nova Alvion(New Englandという意味)と名付けられた。

フランシス・ドレイクの船は,ここで5週間休み,船底の修理をした。この時,とても気の優しいMiwoks族というNative Americanが栽培した作物や,漁獲したサーモンや貝そしてツノジカを提供してくれたという。

このポイントレイズにあるドレイク湾を訪れる。そこの観察ポイントの一つLimantour Beachに降り立つ。北西から風が入り,ちょうど海に向かって強い風が吹き,砂が舞って不思議な幾何学模様を描く。全長4kmほどの海岸である。砂浜の両端は切り立った断崖が見える。岩手県の北山崎を連想させる。

また,この周辺は海も含め一帯が自然公園になっており,数多くのハイカーが訪れている。ジョンミューアのレッドウッドもこの近くにある。(残念ながら,漁民や漁船など人々の生活と海とが繋がっている形跡は全くない。)

帰国を前に,この浜辺で3ヶ月を振り返った。

様々な研究者や教育者がたくさんいて,いろいろな取組を行い,そして連携し合うこと。様々な意見を多くの人々が納得できるように合意形成を図っていくことが重要なポイントだ。

また,こうした人々が横に繋がるだけでなく,縦にも繋がることも大きな特徴だ。横のつながりとは,その同じ年代に並行して,同世代でそれぞれの異なる地域において大きな影響力を持つ意見や考え方が,お互いの交流を深めることでさらにより良いものが作られていく。19世紀ー20世紀前半の自然環境保護運動に取り組んだジョンミューアや自然観察学習運動ジョン・バラの他,エマーソン,ホイットマン,エレン・スワローなどである。「大学教育は人民のために」というランドグラントカレッジとも関連する。(実は日本のお雇い外国人もこのランドグラントカレッジから派遣されている。)

さらに,時代は進み1960年代にはレーチェエル・カーソンによる自然文学で環境保護運動が起きる。この運動が一つのきっかけとなりシーグラントカレッジが誕生したことは以前述べたとおりである。

そして,カーソンと時を同じくして,ハービーホワイトはローレンス科学館を設立し科学教育をスタートさせる。楽しく科学を学習できる科学教育システムを世界へと発信している。

世界規模の環境問題が起きている中,現在,海洋教育者と呼ばれる人々,シーグラントカレッジやCOSEEのような大学の教育機関に所属する人々が,海洋リテラシー普及のためにつながりを持ちながら,各地で活躍しているのである。今年の大きなテーマはクライメートチェンジだ。

もちろん,一つの国だけでは成功しない。多くの国が連携し協働し合うことによってはじめて実現するものだ。日本の果たすべき役割は何なのか?これからどのように国際的役割を果たしていくのか。日本の特色は何なのか?(海洋の分野でいえば,里海であろう)いずれにしても,一人一人の取り組みと一人一人をつなげるシステムが重要だ。

Point Reyes National Seashore Visiting
http://www.nps.gov/pore/




JSPS(日本学術振興会)サンフランシスコ研究連絡センターを訪問

2009-03-08 | シーグラントカレッジプログラム
JSPS(日本学術振興会)サンフランシスコ研究連絡センターを表敬訪問し,アメリカ,日本における科学研究・教育に関する情報交換と3ヶ月間の研究報告を実施した。

 センターは,海外拠点の第9番目である。バークレー校正門から歩いて20分ほどの場所にある。国際的な科学に関する共同研究協力を推進する役目を果たす。特にサンフランシスコセンターは,アメリカ西海岸における大学の協働を推進する他,アメリカの研究者のJSPSを通じた日本での研究推進,日本人研究者のサポートを実施している。

 アメリカ西海岸における大学の協働推進の例としては,JUMBA(Japanese university offices in the Bay Area)である。JUMBAは西海岸に支部を持つ大学連携の中心的な役割を果たす。JUMBAには,Hosei University, Kagoshima University, Kyushu University, Osaka University, Tohoku University, and Tokyo University of Scienceが加盟している。(水産資源の需要が高まっている西海岸では,将来TUMSATの事務所も必要になって来るであろう。)

 アメリカの研究者のJSPSを通じた日本での研究推進の例としては次のようなものがある。マクダミッド博士は,京都大学でのJSPSプログラムを終了し,東京工業大学で講演を行った。そこで,白川博士(ノーベル賞受賞者)と知り合ったのがきっかけで,現在携帯電話やタッチパネルで使われている電気を通すプラスチックの作成方法を発見につながった。 
 
 研究者間のネットワークが,時に新しい発見の大きな糸口となる場合がある。その意味では,アメリカに限らず,日本と海外の研究者がネットワークを作っていることは大変重要なことである。

 また,3ヶ月間の報告として,大学や博物館,科学館における科学者と一般人や高校生以下を結びつける立場のエデュケーターの存在が,よりよい教育推進のために必要であることなど研究成果を披露した。

VISITING JSPS SAN FRANCISCO CENTER

The JSPS ( Japan Soc. for the Promotion of Sci. ) San Francisco research communication center was visited, and information exchange on scientific research and education in Japan and the U.S. and research report for 3 months were carried out.

There is a case in which the network between researchers becomes the time with large beginning of the new discovery.The fact is to be very important Japan overseas network without limiting to U.S. in the meaning.

And, it was reported though that existence of Educator of the standpoint which links under university and museum, scientist in science museum and ordinary person and under senior high school student was necessary for the better education promotion, that it clarified it as a report for 3 months.

閉伊川ワカサギ博士,カルフォルニアワカサギ博士と会談

2009-03-04 | ワカサギに学んだこと
 閉伊川ワカサギ博士は,本日カルフォルニア大学デービス校のカルフォルニアワカサギ博士と意見交換をした。デービス校はメインストリートがどことなく,TUMSATに似ている。

 カルフォルニアワカサギは正式名称はデルタスメルト(以下デルタスメルトとする)というが,世界中でサンフランシスコ湾の奥にある,サクラメント川河口域とスイスン湾の周辺にしか住んでいない大変貴重な魚だ。

 しかし,サクラメント水路により大量の水が汲み上げられ南カルフォルニアに運ばれる。それも,ダムなどからではなく,直接河口域から汲み上げられるという。3月のポンプアップが一番多いという。なぜかというと,農業用水につかっているからである。

 その3月はデルタスメルトのふ化の時期と重なる。そのため,3月にふかした仔魚は大量に吸い上げられ,生息が不可能な場所へと運ばれる。産卵期間は3-5月である。4,5月もまたくみ上げがあり,仔魚への影響は計り知れない。

 また,サクラメント川河口域は汚染がひどい。周辺には工場が並ぶ。ゴールドラッシュ時のセディメントがたくさん堆積している。また,降水量も少なく,デルタ地帯は干上がり,以前生息していた場所は陸地になっている箇所が多い。生息環境としては決していいものではない。

 こうしたことが原因で,デルタスメルトは減少の一途をたどっている。地元の人々は,特に大きな魚に興味があり,小さい魚にはほとんど興味がないという。また,キュウリ臭が強く,多くの人から好まれないという。

 デルタスメルトを守るか,それとも農業を守るかというと,やはり農業であり,サケを守るか,デルタスメルトかというと,はやりサケであり,保護対策の選択肢から外れてしまう,と嘆く。デルタスメルトは小さいので食べないそうだ。

 今できることは,ふ化場で稚魚を育て,放流することが一番だという。残念ながら,サクラメント川の流れが速く,水深が深いため,産卵場の生息環境は明らかになっていない。閉伊川漁師の知恵として,産卵場造成によって,個体群が増大する可能性があること話すと,大変興味を持っていた。また,閉伊川で実施したワカサギの産卵遡上の環境要因で,春の大潮で夕方6時頃が最も遡上が多いことそれは,月の周期にも関係があることを話をすると,じつはデルタスメルトも同じ現象であり,なぜなのか不思議であったが,同じワカサギ属の性質ではないかと大変興味を持っていた。

 また,神奈川県の芦ノ湖で実施している,ワカサギの自然産卵法について話をすると,こちらにも大変興味を示し,ぜひ取り組んでみたいということであった。

 絶滅が心配されるデルタスメルトを救うため,日本の技術が役立つ日が来そうである。ただ,心配なのは,デルタスメルトは地元民になじみがないことである。サケマスふ化場下流に生息するイトヨのようなものだ。理想的なのは,デルタスメルトを通して一人一人が水環境への意識を高めることだ。

 ハイポメサス(ワカサギ属)を通してお互いの国の研究者や漁業者が交流を持つことで,何らかの可能性が開けることを願い,会談は終了した。今年は,ワカサギ放流100年である。100周年を記念し,催しをしたいものである。
 
Dr. JAPANESE SMELT MEET DR. DELTA SMELT
IN UC DAVIS, TWO SMELT DOCTORs TALKED ABOUT SMELT FISH FOR THE FUTURE. THEY DISCUSSED ABOUT HOW TO INCREASE DELTA SMELT, AND INFORMED ABOUT JAPANESE SMELT SPAWNING CONDITION RELATION TO SPRING TIDE, AND HOW TO MAKE SPAWNING GROUND, HOW TO DO ASHINO-KO NATURAL SPWANG METHOD.


UCバークレー校ローレンス科学館での公開セミナー

2009-03-03 | シーグラントカレッジプログラム
 UCバークレー校ローレンス科学館での公開セミナーが無事終了した。テーマは現在取り組んでいる東京海洋大学水圏環境リテラシー教育推進プログラム(TUMSAT AMEL program)の概要と,3ヶ月実施した調査内容の報告である。

 AMELプログラムは,2007年より始まった現代GPプログラムであり,一般市民が海への理解を高めることによって,持続可能な社会を目指すというもの。このプログラムでは,学生が必要最低限の海洋に関する知識とわかりやすく伝える技術,そして合意形成をはかる技術をマスターする。将来は,水圏環境教育推進リーダーとなり,水圏環境リテラシーを高める教育活動を実施することが可能となる。今回,このプログラムのために,4つの科目を新設したこと(水圏環境リテラシー学,水圏環境リテラシー学実習,水圏環境コミュニケーション学,水圏環境コミュニケーション学実習),そして,2010年には国内初めて大学の中に教育センターを設置する予定であることを述べた。

 さらに,この3ヶ月の研究活動では,2010年に教育センター(水圏環境教育センター[仮称])を設置するための調査活動であることを説明した。その調査活動の内容は,ブログで取り上げたものである。

 最後に,この3ヶ月間の調査活動でのInspirationとして,Educator が博物館や水族館LHSなどで重要な役割を果たしていること。シーグラントカレッジやLHSのように大学におけるEducatorが,学校教育現場で科学的知識を高める上で重要な役割を果たしていること,Scientist, Educator,Exhibitorなど様々な人々が意見を交換し合い,協力し合うことによってよりよいものができることなどを話をした。

Communicating ocean science for informal audience

2009-03-02 | ローレンス科学館
生物学教室の向かい側では,UCバークレー校の大学生25名を対象にCommunicating ocean science for informal audienceが実施された。これは,社会教育における海洋科学コニュニケーション論である。

 この授業では,講義で理論を学んだあと科学館に出向き,MAREプログラム(海洋教育の教材)を用いて,教育方法を学ぶ。本日は第6回目で構成主義が大きなテーマだ。 ヒトの学びはどのようにしておこなわれるかという講義である。(ちなみに,参加学生は,全ての学部が対象であり,理学部や人類学科など多彩である。)
 
 まず,構成主義の概念について説明する。人間は興味のあるものから学んでいく。そのあとに,質問を設けると,学生から,雨あられのような質問が飛び交う。質問をしながら,お互いに学んでいく。
 
 人間はどのような経験が学習に効果的なのだろうか?という質問を講師が投げかける。そこで,月の満ち欠けの実験を行う。なぜ,月の満ち欠けは起こるの?(この実験でミスコンセプションを実感する)

 視聴ビデオでは「どのようにして季節が出来るのか?」ハーバード大学の学生に尋ねている。このビデオでどれだけ優秀な学生でもミスコンセプションを持っていることを理解する。どうして学びには,既有概念が大事なのか?どうして既有概念がよくないのか,を議論する。既有概念をどのように扱うといいのだろうか?どのように学習者の既有概念に近づけるといいのか?

 バークレー校の海洋学者が講師となり,潮汐はなぜ起こるのかを説明。学生たちは,その話を聞いたあと,どのような教材を作れば効果的なのだろうか,と議論を深める。そして。1. 太陽と月と地球の模型, 2.模造紙と鉛筆, 3.紙でつくった太陽と月と地球の模型, 4.大きな地球のボールと長いロープ, の4つの班に分かれ検討をした。

 このあと,MAREプログラムが紹介され,その中から自分が好きな教材を選び,実際に来館者に教える実習が始まる。すべての講義の流れが,ラーニングサイクルにもとづいていることに注目したい。

Today's lecture is 6th of Communicating ocean science for informal audience. Today's topic is that What is constructivism ?How do you illicit prior knowledge?
(Instructor, Dr. Lynn Tran )