goo blog サービス終了のお知らせ 

Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

閉伊川ワカサギ博士は【 https://note.com/tsuyoshi_sasaki】に移行します

2025/04/15

2025-04-15 | 水圏環境教育


アジア海洋教育学会年会が開催されます  AMEA ECOPs 2025 JAPAN Welcome!
アジア海洋教育学会年会が開催されます  AMEA ECOPs 2025 JAPAN Welcome!|佐々木剛_東京岩手 Tsuyoshi Sasaki_TokyoIwate

アジア海洋教育学会年会が開催されます  AMEA ECOPs 2025 JAPAN Welcome!|佐々木剛_東京岩手 Tsuyoshi Sasaki_TokyoIwate

AMEA with ECOPs OCEAN LITERACY CONFERENCE 2025 JAPAN Welcome! ASIA MARINE EDUCATORS ASSOCIATION with UN Ocean Decade endorsed program for Early Career Ocean Prof...

note(ノート)




人口減少を食い止めるためにはどうするか?

2025-04-05 | 水圏環境教育
【日本の各地の人口減少に歯止めがかからない】
日本の各地の人口減少に歯止めがかからない。これは,重大な国家の危機である。何が問題か,それは,人口減少によって現在世界第4位であるG D Pが先進国最下位に陥落,あるいはそれ以下になると予測され,税収が減少し国民健康保険制度,社会保険制度,インフラ整備などが維持不可能となり,もはや豊かな国家ではなくなるからだ(現状も決して豊かではない)。現状のままでは,将来の子供達に莫大な借金を残したままにあの世に行ってしまう,と死んでも死にきれない。そう思うのは,私だけではないはずだ。これは政治の問題であり,国民には非がない。政治が悪い,と思う人もいるかもしれない。しかし,それは大きな間違いである。現状を変えていく政治家を選ばない市民一人一人が問題なのだ(私も含めて)。残酷であるが民主主義国家の一員となった日本国民の責任なのである。その理由は,民主主義国家は,意見を言わないと価値観や存在が消えて無くなってしまうのだ(意見をはっきり言うように日本人は教育を受けていない)。それが,民主主義の危険な部分だ。
【なぜ日本は生産性が低いのか】
とはいえ,なんとかしてこの現状を打破しなくてはいけない。そう思い手にした本が日本人の勝算(デービッドアトキンソン著)である【写真①】。この本では,人口減少による諸問題を食い止めるためには国民一人一人の賃金をいかにU Pするかが大きな課題であるとする。そして,賃金を上げるためには日本人の生産性を高める必要がある。生産性とは,G D Pを生産人口で割った値である。悲しいことに,G D Pが世界第4位であっても,生産性は世界28位と先進国で最低水準である。なぜ,日本は生産性が低いのか,それは他の先進国にあって日本にないもの,大人を対象とした教育制度が貧弱であるからだ。確かに,生産性がトップのアメリカ合衆国では,各市町村に大学のエクステンションセンターが配置され,大学が企業や自治体と連携しながら街づくりや地域資源を活用した教育研究活動を行う制度がある。大人を対象とした「アダルトエデュケーション」の機会がある。残念ながら,日本の大学には大人を対象とした教育は限られた範囲にとどまっている(そもそも大学の7割が首都圏にあるのは問題だ)。そのことが,生産性が高まらない原因の一つだと私は考えている。では,大学と連携することでどのようなことが可能となるのか。この書物を基に,その根幹となるスキルを紹介する。
【1 アントレプレナリズム(イノベーションを促進する能力)】
イギリス政府の分析によると生産性向上をもたらす上で,一番重要なのは「アントレプレナリズム」だ。もともとは,東西貿易盛んなマルコポーロの時代に生まれた言葉「仲買人」の意味を持ち,経済学では「イノベーションを起こすような新しい発想の創出,普及,適用を促進する(ファシリテーションする)精神,チャンスを積極的に探ってそれに向かって冒険的にリスクを取る精神」だ。つまり,起業家だけではなく 既存企業でも,あらゆる人間活動に適応可能な能力だ(ピータードラッカー)。イギリス政府の分析によるとこのアントレプレナリズムと生産性の間の相関係数は0.91と極めて強い関係がある。つまり,新しい発想を持ち,既存の経営資源,人材,技術資本を組み直し,新しい企業体系を作り,技術,組織その他の資源の新しい組み合わせを構築することが生産性向上には一番効果的だ。IMDワールド デジタルコンペティティブネス ランキング2017によると,日本企業の機敏性は世界63カ国中 57位で先進国中最下位だ。新しい技術を生み出すより,既存の技術の使い方を変える方が簡単であり生産性向上には効果的である。しかし,日本人はそれがうまくできていないということだ。新しい技術は広く普及させることが一番重要だ。人の手を介するものであり,アントレプレナーがいればいるほど 新しい技術の普及は進むのだ。しかしながら,日本ではアントレプレナーの育成に十分な時間を注いでいない。なぜなら,学校教育だけでは十分に育成することが難しいからである。
【2 労働者1人当たりの物的資本】
設備投資を含めた労働者1人当たりの物的資本の増強である。物的資本とは土地,公的なインフラ,機械なども含み,生産性向上に貢献する傾向も確認される。その投資自体もGDPの成長に貢献し,生産性向上に貢献する。当然物的資本の状況と生産性向上との相関係数は0.77,高い数字である。しかしながら,物的資本に場所により大きな違いあると気づくのは私だけでないであろう。インフラの整備された東京の都市部を拠点に考えると,都心を離れれば,離れるほど公的インフラ(道路整備,公共交通機関や公的建物など)への投資が貧弱である。

【3 社員教育によるスキルアップ】
3番目に生産性の向上と高い相関があるのが社員教育によるスキルアップである。相関係数は0.66 だ。イノベーションを起こし 成長を推進するには社員自身もレベルアップしていかなければない。スキルアップと企業規模の間にも強い相関関係がある。日本には経営者のスキルアップという固有の問題がある。労働者の人材評価は世界第4位で高いにもかかわらず,日本の経営者の能力は極めて低く評価されている(IMDワールド タレント ランキング 2017 によると日本の経営者 ランキングは63カ国中 第57位,分析能力第59位 有能な経営者がいる割合第58位,経営教育を受けたことがある割合第53位,海外経験第63位,経営者分析能力63カ国中59位で先進国中最下位)。

【4技術革新】
実は生産性向上と技術革新の相関係数は意外に低く 0.56だ。先に紹介した3つの要素と比べると決して高くない。このことは,技術革新だけでは生産性を上げるのには不十分であることを示す。イギリスは大学の評価が高く,様々な分野で革新的な技術を生み出しているが,経済全体の生産性向上に対する貢献度合いが期待したほど高くないためであり,その原因を新たに開発された技術の普及率が低いからと分析した。これは,アントレプレナリズムと深い関係がある。要するに研究開発のための研究開発に終始してしまい,実際の導入までこぎつける力が足りないのだ。技術大国と言いながらアナログの部分が多い。日本は特許の数が非常に多いのに特許が活用されていない(OECD もザフューチャー オブ プロダクティビティ報告書)。世界の一流企業は,技術革新が順調に進んで生産性が向上しているが,大半の日本企業の生産性はなかなか上がらない。
【5  競争】
最後に,日本企業の過当競争の問題だ。ワールドエコノミック フォーラムの分析によると日本の企業間競争の熾烈さは世界第1位である。企業間競争の熾烈さは生産性向上にマイナスに働く。競争と生産性向上との間にある相関関係は極めて低い(相関係数0.05)。その理由は、価格競争が厳しくなりローロードキャピタリズムに移行してしまうためだ。利益が削られ,研究開発や設備投資を削ることも余儀なくされ,その結果,将来性と持続性に悪い影響が出る経営戦略をとる傾向が強くなるという。日本は過当競争状態だと指摘されている。


日本台湾合同海洋リテラシー調査が始まりました

2025-04-04 | 水圏環境教育
国立台湾海洋大学海洋教育センターと東京海洋大学水圏環境教育学研究室が共同で実施する調査が始まりました。対象は高校生です。ご協力をお願いします。



「桂林荘雑詠諸生に示す」広瀬淡窓

2025-03-25 | 水圏環境教育
 令和7年3月26日卒業生へ ご卒業おめでとうございます。
 海,川,森,自然と人とのつながりを大切にすること,そしてそのつながりから人と人とがつながり,そして生活や社会が形成されていること,このようなつながりの価値(関係価値)を意識し意味付けることが,持続可能な社会を目指す上で重要なポイントです。
 実習や研究を通して,このような自然とのつながりに対する価値【関係価値】に対する認識が高まったのではないか,と思います。
 経済と自然とそして関係価値の3つのバランスの取れた社会づくりを目指して各方面での活躍を期待します。



<令和7年度日本水産学会春季大会 水産教育推進委員会企画 シンポジウム> 人口減少社会における海洋・水産に関わる教育機関の課題と展望

2025-03-25 | 水圏環境教育


水圏環境リテラシーを高める「海街コミュニティ・スクール」について 東京海洋大学 佐々木剛教授②

2025-02-13 | 水圏環境教育
水圏環境リテラシーを高める「海街コミュニティ・スクール」の二日目
本日は,水圏環境リテラシー教育推進プログラムについて紹介させていただきました。2007年からスタートして10年間文科省からの支援を受けて実施した事業,その後10年間,海洋政策文化学科での講義,実習として継続し実施しています。2007年から網中館長さんにお世話になり,港区立中高生プラザでの「海の科学を学ぼう」が実習の原点でした。

南側のビル15階から見た東京海洋大学全景です。

2025-02-11 | 水圏環境教育
周囲を高層ビルに囲まれてこの大学エリアだけが,空が大きく悠然とした佇まい。周囲のマンションに住む方々の憩いの場所となっている。今日はテストのため人通りがなく「歯医者さんから今日は学校は休みですか」と質問を受けた。


FMヨコハマのKeep Green & Buleに出演ー水圏環境リテラシーを高める「海街コミュニティ・スクール」について 東京海洋大学 佐々木剛教授①

2025-02-11 | 水圏環境教育
FMヨコハマのKeep Green & Buleに出演し,水圏環境リテラシーを高める「海街コミュニティ・スクール」についてお話をさせていただきました。
 2006年から取り組んできた「水圏環境リテラシー教育推進プログラム」。以来20年経過し,水圏環境リテラシーの意味もそしてその重要性もこの時代にはなくてはならないことを,年を経るごとにそして今まで以上に強く感じています。
そして,収録を聞き,その思いが強くなりました。
 第1回目の今日は,なぜ水圏なのか,そしてリテラシーとは何なのか,について,DJMITSUMIさんのかけあいで,わかりやすく解説しています。水圏というと馴染のない言葉なので難しく感じるのですが,「地球を覆っている水」という意味です。そして,水は地球を覆っているだけでなく,深海から大気圏まで循環し,回っているその現象を捉えた言葉でもあります。その意味で水圏は特別な役割を果たしています。そして,環境はある物体(主体)とその周囲(客体)との相互作用を表現した言葉です。人と水圏との相互作用のことを水圏環境と取らることができるでしょう。
 そしてリテラシーとはもともと読み書き「識字」できる能力という意味ですが,水圏環境リテラシーとは,人と水圏との相互作用を理解し,活用できる力と捉えています。
 ここで,大切になってくるのが人と水圏との相互作用です。アメリカの海洋教育者の方々と日本の海に関わる教育者の方々にアンケートを取る,海の捉え方に大きな違いがあることに気づきます。それは,その地域に住む人々の水圏への関わり方,接し方が異なっているためなのです。さて,どのように異なっているのでしょうか。ぜひ,この続きはFMヨコハマをお聞きください。
 DJのMITSUMIさんの的確な質問と前田さんの総括で大変聞きやすい内容に仕上がっております。DJのMITSUMIさんそしてディレクターの前田さんにはお世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。お時間のある方はぜひ,こちらのURLにアクセスをしてみてください。


「魚類生態環境学の不思議を探る~涸沼のシラウオから深海魚のシーラカンスまで~」

2025-01-29 | 水圏環境教育
2月13日(木)に東京大学猿渡敏郎先生をお招きして行う講演会「魚類生態環境学の不思議を探る~涸沼のシラウオから深海魚のシーラカンスまで~」ですが、初回参加の方は参加費無料となります。

オンライン参加も可能ですので、お忙しい折かと存じますが、ぜひご参加ご検討のほど、どうぞよろしくお願いします。

                記

日本水圏環境教育研究会主催
講演会「魚類生態環境学の不思議を探る~涸沼のシラウオから深海魚のシーラカンスまで~」

講演者/東京大学大気海洋研究所 資源生態分野 助教 猿渡敏郎先生(農学博士)

1 日時:2025年2月13日(木) 17:00〜18:30(受付16:30〜)、18:30〜20:00 懇親会

2 場所:ハイブリッド(東京海洋大学5号館410番講義室 o rオンライン)

3 目的:猿渡先生が取り組まれてきた、涸沼のシラウオや深海魚のシーラカンスをはじめとした魚類の生活史と進化に関わる研究のお話をお伺いします。     実はまだ未解明のことが多い魚類の生態を知り、私たち人間の暮らしとの深い関わりについて考えます。

4 対象:どなたでも参加可能です。

5 参加費:会員・学生は無料、一般 2,000円(初回参加の方は無料)  懇親会:3,000円(学生無料)

6 申し込み方法:下のフォームに送信をお願いします。オンライン参加の方には、Webリンクをお送り致します。
https://forms.office.com/r/JdSPCZrTeF

7 〆切:2/12(水)24:00



AMEA with ECOPs 2025 JAPAN を開催します!!

2025-01-09 | 水圏環境教育
2025年8月4,5,6日(東京),7,8,9日(糸魚川市)にてアジア海洋教育学会を開催します。
 
発表会は東京にて,エクスカーションは世界ジオパークである糸魚川市にて開催します。詳細はHPにて。

1 基調講演:東京大学大気海洋研究所 道田豊名誉教授(ユネスコIOC議長)

2 教育と科学・技術の若手専門家(小中高大学生含む)の情報共有とネットワーク化を図る

3 スケジュールは,8月4日夕方集合事前ミーティング,8月5日&6日 本会議,7,8,9日 2泊3日@新潟県糸魚川市

4 会議では,ストランドごとに各地域の問題,課題解決の取組について発表し,その後みんなで時間をかけて議論する
1)小中高生が取り組む海と生活をつなげる探究活動
2)大学生が取り組む海洋リテラシー教育と研究活動
3)若手専門家が取り組む海洋リテラシー教育・研究とエンパワーメント
4)インフォーマル,フォーマルな教育機関におけるユネスコ海洋リテラシー教育の展開
(海洋リテラシーテーマ)レジリエンス,気候変動,水産資源,水産養殖,海水温上昇,海水面上昇,ブルーカーボン,アクアポニックス,エネルギー資源,関係価値,生物多様性,等々

5 AMEA with ECOPs TOKYO宣言(オーシャンディケード2030の目標達成に向けて何ができるのか,その可能性を皆さんで議論して宣言にまとめます)を出す

6 森川海街こどもサミット優秀者によるプレゼン,全国公募のポスター展示
https://www2.kaiyodai.ac.jp/~t-sasaki/AMEA2025/