Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

コミュニティの発展とコミュニティにおける発展の違い

2016-03-30 | 水圏環境教育
コミュニティとは、何かを成し遂げようとする場所やつながりで、お互いにインタラクティブに情報交換ができる状態という。

その様な中にあって、コミュニティにおける(in)発展とコミュニティの(of)発展とはどの様に異なるのか?

前者は例えば企業誘致によって雇用を生み出すことだ。コミュニティは発展しなくても、経済は活性化し生活の安定化がはかられる。しかし、企業がいなくなれば、また元の状態に戻るか、それ以下になる。

後者はコミュニティ自体を発展させることによって地域にあるもの、資産、財産、アセットから、自分たちで考えを示しあい、工夫をしながら経済を発展させる。一人一人の成長によって、持続的な経済を樹立することができる。

理想は後者であろう。では、どの様に後者を組み立てていけばいいのであろうか。実践を通して理解を深めたい。



コミュニティ発展の意義

2016-03-29 | 水圏環境教育

フロリダ大学のマイクスプランガー教授から閉伊川MANABIプロジェクトの感想をメールで届いた。

5年間をかけて作り上げた流域コミュニティ発展の取り組みは賞賛に値する。是非,フロリダ大学との共同研究として研究を進めたいと。コミュニティの発展とコミュニティにおける発展の違いを良く理解すること,必要性重視と資産重視のコミュニティの発展とは別物であること等を整理することが必要である。以下の論文を参考に送って頂いた。
 
 
 スプランガー教授とは、2008年からの付き合いがある。震災前の2010年に宮古,大槌にも来て頂いた。私も2009年2月にメリーランドにあるNOAA本部へ新採用のシーグラントスタッフと一緒に訪問し、NSGOの長官からのメッセージを頂いた。「とにかく、コミュニティベースの取り組みをしなさい。私も、その一人だった。そのときの取り組みが今の自分に生きている。国を発展させることに確実につながる。」

宮古市長に受賞報告

2016-03-28 | 水圏環境教育

レジリエンスアワードの金賞受賞の報告のため閉伊川サクラマスMANABIプロジェクト実行委員とともに宮古市役所を訪問した。宮古市では秘書室の方々にお世話頂きながら、市長、副市長に直接報告することができた。また,生活福祉部長、環境課長,商業観光課長にもご出席頂いた。宮古市教育委員長、閉伊川漁業協同組合組合長、さんりくESD閉伊川大学校、森・川・海MANABIネットワークシステム、岩手マリンフィールド、宮古水産物商業協同組合の関係各位に今回ご同行頂いた。東京海洋大学修士1名も同行したが,エコツーリズムによるコミュニティデベロップメントの研究のために滞在する予定だ。

訪問の目的は、今回の受賞は地元の方々、自治体の方々による協力があってこその受賞であることを伝えること、そしてお世話になった方々への感謝の意を込めたことである。

関係各位にあらためて感謝申し上げたい。

 


ジャパン・レジリエンスアワード金賞受賞者

2016-03-25 | 水圏環境教育

藤井内閣府参与(右)とオリンピック銅メダリスト田中雅美(左)そして「企業・産業部門」「地方自治体部門」「教育機関部門」、「NPO・市民活動部門」の金賞受賞者達。

http://www.resilience-jp.org/20160316090034/

田中雅美さんのお話はとても素晴らしいお話しでした。

私は強そうな女とよく言われます。確かに,数々の練習をこなしてきた。水泳選手は一日に1万5千メートルを泳ぐ。筋トレもする。しかし,シドニーオリンピックは本当に怖いレースだった。マスコミにも大きな期待を掛けられて,あれだけ練習したのに,個人では入賞を逃し,大きく落ち込んだ。

個人に次ぐメドレーの試合も先行きが見えなかった。しかし,チームメイトから「雅美,一人では無理かも知れないが,四人だったら大丈夫だ」と励まされ,仲間の存在をすごく感じた。人と人との繋がり,関係性が自分を強くしているのだとそのときに強く思ったようだ。オリンピック選手のように精神的にも肉体的に鍛えていてもメンタルを支えているのは関係性(大事にされている感情,共有,帰属意識)なのだ。

 

 


第5回水圏環境教育研究会が開催されました。

2016-03-24 | 水圏環境教育

私ども一般社団法人日本水圏環境教育研究会は、水圏環境に関する総合的な知識及びそれを活用する能力をより多くの人が身につけることにこそあると考え、水圏環境に関する総合的な知識を多くの人に広め、又その活動を担う人材を育成することを水圏環境教育の目標に掲げ、国内外で行われている水圏に関する教育実践、教育実践研究支援及び教育の振興を目指すことを目的とし、国立大学法人東京海洋大学海洋政策文化学科水圏環境教育学研究室の中に佐々木剛准教授を代表理事として平成24年に設立されました。研究活動も今年で5年目に入り、活動実績も年々増え、2015年度は49件の体験学習や講演活動に取り組みました。

今年度の研究成果発表は大きな2つのトピックスを中心に、2016年3月19日に東京都港区芝浦港南区総合支所(みなとパーク芝浦)で5回目となる定期研究発表大会を開催致しました。 

 1,ジャパンレジリエンスアワード(国土強靱化大賞)2016「NPO・市民活動部門」

金賞の報告:(東京海洋大学海洋政策文化学科 佐々木准教授)

岩手県宮古市を流れる「閉伊川」流域の皆さんと共に取り組んできた、森・川・海の繋がりを通して地域住民を中心としたつながりの回復,地域資源の有効活用といった「内発的発展」と食の本有的価値の理解の深まりを探究した活動が高く評価され、全国240件の応募の中で最高の栄誉である金賞を受賞しました。この受賞の詳細について発表し、ご出席頂いた皆さんから大きな拍手と称賛のお言葉を頂戴致しました。

 

2,中学生による研究活動成果の発表(東京都港区立港南中学校2年生)

  生徒の皆さんから、学校の側を流れる高浜運河で毎月行われている「運河学習(水質・生物などの調査内容)」について、パックテストによる水質調査結果と釣り・フィッシュキラーによる生物採取で得られた生物の棲息分布調査結果から、身近にある水圏環境をどの様に変えていくのか現状と未来について発表して頂きました。また、生徒の皆さんの発表とは別に、本活動を指導した花島宏明教諭から見た「中学生による運河学習の取り組み」の成果についてもご発表頂きました。これは、実際に探究活動をした生徒側からの視線と、探究から発表まで指導した教師側からの視線という、同じ取り組みをそれぞれの側から発表した珍しい事例で、港南中学校の校長・副校長・担任・評議委員の皆さんも熱心に聞いておられました。

 

この他、東京大学大気海洋研究所(猿渡敏郎助教授)から「漁業の後継者と地元への愛情の育成を意識したアウトリーチ活動」を、文部科学省初等中等教育局(高橋洋子教科書調査官)から「社会科教育の観点から調べる海事産業 ―人々の工夫と努力に関する分析―」と、それぞれ水圏環境教育や社会・環境教育の観点からご発表頂きました。また、東京海洋大学水圏環境教育学研究室の学生(修士1年・2年)からも、岩手県宮古市で取り組んでいる、「サクラマスを用いた水圏環境教育プログラムによる流域の内発的発展に向けた取り組み」や「宮古産サクラマスの生態学的な研究」など、水圏環境教育と地元の発展に教育が密着している事例について発表して頂き、質疑では貴重なご意見を頂く事が出来ました。

 

私ども、一般社団法人日本水圏環境教育研究会は水圏環境に関する総合的な知識を多くの人に広める為,実践活動に数多く取り組んでいますが、実践研究や教育にも力を入れています。例えば,会話分析の手法を用いた学習者の科学的思考の発達過程の解明,興味・関心・意欲向上の要因分析などを行い,学習者の学びの支援を行っています。また,水圏環境教育に関する実践活動を支援するために,プログラム開発や提供、水圏環境教育推進リーダーの育成も行っています。この様に,一般社団法人日本水圏環境教育研究会は人材の育成・教育実践・教育実践研究支援及び教育の振興と発展を推進しています。

 

※水圏環境とは,「人間をとりまき,人間と相互作用をおよぼしあうものとしてみた

水圏」と定義しています。

 

 2016年3月23日

一般社団法人日本水圏環境教育研究会

代表理事 佐々木 剛

(事務局 三輪 宏) 


森・川・海MANABIネットワークシステムコア会議(サーモンランド宮古まちづくり協議会)開催!

2016-03-21 | 水圏環境教育

思い起こせば1年たちました。

森・川・海MANABIネットワークシステムの設立準備委員会がスタートして早一年。

皆さんの声を繁栄したことを提言しようと模索し、何もできないでおりました。

あっという間の1年でした。

でも何もしなかったわけではなく、ひたすら分析を行っていました。

1年を経過して思いは変わりません。

それは,全体がサーモンランド宮古であること、その一言に尽きます。

そして個々の活動がサーモンランド宮古を介してつながっていること。

まだその意識があるかどうか。おそらく,いまだある人が少ないのではないでしょうか。

もっと大切なことは、サーモンランド宮古とは何かということです。

サーモンランド宮古とは何でしょうか?

1森川海のつながり

2河川の清冽さ

3魚類の種類、生息場所

4森林の豊かさ

5全体がかつて海底であったこと。

6地層の観察ポイントの豊富さ

7土壌の豊かさ

8アユの美味しさの理由

9牡蠣の美味しさの理由

10「閉伊川」が日本最大級,東日本の清流といえる理由

などなど様々なサーモンランド宮古の特徴があります。

このような特徴を繋がりとしてのサーモンランド宮古を理解する機会を増やすこと。

観光客だけでなく、宮古市民が触れることができる仕組みを作ること。

その仕組み作り(MANABIの仕組み)を考えるための会議をこれから1年間かけて行っていきたいと思っております。

その成果は、森・川・海MANABIネットワークシステムにお集まり頂いた方々とも共有していきたいと思います。

 


閉伊川サクラマスMANABIプロジェクトがジャパンレジリエンスアワード金賞受賞!!

2016-03-19 | 水圏環境教育

平成28年3月15日、研究者、地元自治体、民間企業、流域住民が協働で進めている「閉伊川サクラマスMANABIプロジェクト」が一般社団法人ジャパン・レジリエンス推進協議会が主催する第2回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)NPO・市民活動の部門で金賞を受賞しました。
 ジャパン・レジリエンス・アワードは、国土強靱化基本法に基づき設置された表彰制度です。国土強靭化基本法の附則に、「国や地方公共団体だけではなく、地域住民、企業、関係団体等も含めて被災状況等の情報を共有すること、平時から大規模自然災害等に備えておくこと及び新たな技術革新に基づく最先端の技術や装置を活用することが不可欠である」とされています。
 本表彰では「企業・産業部門」、「地方自治体部門」、「教育機関部門」、「NPO・市民活動部門」の4部門が設けられ,部門毎に金賞、最優秀賞、優秀賞、優良賞、そしてグランプリ、特別顧問賞/特別賞が選定されました。本年度は240件の応募の中から選定され,「閉伊川サクラマスMANABIプロジェクト実行委員会」の取り組みが、NPO・市民活動の部門における優れた活動として金賞を受賞しました。閉伊川サクラマスMANABIプロジェクトは、地元の特産品であるサクラマスを活用し、食の本有的(固有)価値を理解し,共感力を醸成しながら、持続可能性・レジリエンスの高い流域社会を実現するための年間を通した体験学習プログラムです。本取組は、文部科学省科学研究費,文部科学省過疎高齢化対策推進費,ニッセイ財団,河川財団,日本財団,こども夢基金,さんりく基金、宮古市創造基金,三大学連携推進会議(岩手大学,東京海洋大学、北里大学)等の支援を受けて行われています。
なお、受賞の詳細は、日本経済新聞にて紹介される予定です。
http://www.resilience-jp.org/20160316090034/

佐々木則夫監督と