Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

サクラマスの棲む川

2010-11-26 | 閉伊川調査
「サクラマスの棲む川」の著者である水口憲哉名誉教授が来室された。氏によれば、サクラマス資源について数億円をかけた、ある県の事業、サクラマスの産卵場の事業が不発に終わったという。確かにサケと違い遡上後に直ちに産卵する魚ではない。数カ月間、河川で生活するうちに、好適な環境がなければ、産卵までこぎつけない。天然産卵ができるような環境を作るしか他はない。サケよりも回帰性が高いが放流ヤマメの貢献度はあまり高くなく、あまり調べられていない、という。その意味で閉伊川大学校のじみちな取り組みに期待したいとのお言葉をいただいた。
氏の本によれば、県内では閉伊川の遡上量が最大であるという。三陸の沿岸の中でも、サクラマスにとってまだまだ豊かな環境が残されている河川ということでだう。閉伊川大学校のスローガン「なあどか、すっぺす」の意味を噛み締めた。

三陸のサケは永遠に大丈夫か?

2010-11-25 | 閉伊川調査
http://www.kqed.org/education/educators/science.jsp
いわて三陸ではサケの遡上がいよいよ活発になってきた。
しかし、織笠川は例年になく遡上がないという。サケ祭も中止という。
カルフォルニア州は約4-50年前から不漁が続く。
日本がモデルにしたサケの付加水槽。「カルフォルニア式」は過去の遺産なのであろうか。
ぜひ、KQEDのビデオをみて欲しい。

お台場海浜公園の海底調査【TBS飛び出せ!科学くん】

2010-11-07 | 東京湾
 海洋生物の解説の依頼を受け,お台場海浜公園の海底調査に同行した。東京湾といえば,決して詳しいわけではないが,少なくとも東京港のすぐそばで生活し毎日海に接していることは事実である。それだけ,東京港への思い入れは強く,「何とかしたい!」(なあどか,すっぺす!!)という思いは閉伊川と一緒である。しかし,その度合が極端に異なる。何が異なるかというと,生活排水の量である。東京港はそのほとんどがヘドロで埋め尽くされている。上から見ると真っ黒。2900万人の生活排水が流れこんでくるのだ。
 また,何処の場所でも共通なのは人々の意識。どうしても陸上生活を送る人間は,水へのケアがない。自然が何とか解決してくれると思っているのだろう。どうすれば,東京湾に対する関心を高めればいいのか。何とかできないものか?この思いから同行を決意した。「東京湾でも生物が頑張って生きている」。生物にエールを送りつつ,私たちが何が出来るだろうか,を考えるきっかけになれば,と願う。12月4日にオンエアされる予定である。

第4回閉伊川大学校わくわく自然塾が開催されました

2010-11-01 | 水圏環境リテラシープログラム
第4回閉伊川大学校わくわく自然塾が、閉伊川支流刈屋川上流の閉伊川漁業協同組合押角養魚場で開催されました。子供たちは、宮古市内の小学生20名他、保護者6名、閉伊川漁業協同組合からは6名、閉伊川大学校からは8名が参加しました。

今回のテーマは「ヤマメの採卵、サクラマスの不思議」。養魚場で飼育されているイワナ、ヤマメの見学で子供たちは、「こんなおおきなさかながいる!、すごい!」と大歓声をあげました。参加した大人たちも初めてみる数多くのヤマメ、イワナに興味を惹かれていました。

次は、自分たちで採卵のためのヤマメの親魚の選別です。子供たちは、はじめてヤマメを触り、成熟状態を調べ、採卵用と未熟魚を選別。

次に、イソジンで消毒後、一人一匹ずつヤマメが与えられ、搾出法でヤマメのメスから卵を絞り出します。ヤマメの人工受精を体験できる環境はなかなかあるものではありません。

その後は、ふか水槽の観察。サケと違って黄色の卵に子供たちは驚いていました。

一連の体験活動のあとに、今度は水圏環境リテラシーに基づいた森川海のつながりの講義。ヤマメがいるのは森があるからであり、森があることで、川が出来、ヤマメの住む川となる。このような川はとても貴重で大切にしましょうと話をしました。サクラマスが海で捕獲されるのも、島国であること、森のおかげであるだということも強調いたしました。

もちろん最後には、採卵後のヤマメを提供していただき、ヤマメのつみれ汁とヤマメのちゃんちゃん焼きに舌鼓を打ちました。

天候にも恵まれ、美しい紅葉の元で自然観察体験、野外でのリテラシー学習、食育と充実した自然塾となりました。この場をお借りして、参加いただいた小学生と保護者の皆様、体験学習をご提供いただいた閉伊川漁業協同組合の皆様、そして閉伊川大学校のスタッフの皆様に感謝申し上げます。