Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

東京海洋大学海街コミュニティ・スクール in 糸魚川

2023-06-06 | 水圏環境教育
 本年度から,水圏環境コミュニケーション学実習の一環として,全国の生徒数減少を鑑み水産高校への訪問を加えることとした。また,海街コミュニティ・スクールの活動の一環でもある。マリンドリーム能生の取締役である清水様,海洋高校の中田校長先生をはじめとした地元の方々に多大なるご支援をいただいた。この場をお借りして感謝申し上げる。今回は学生11名が参加した。初日は,海洋高校を訪問し,養殖施設,マリンドリーム能生(道の駅)に設置した海洋高校マリンショップ,海洋高校の専用港の見学,松本教頭先生の講話をいただいた。2名の教育実習生の様子を確認した。午後は,弁天島のある海岸で高校生のインストラクションによるカヤック体験を実施した。学生たちからは,地域に特化した専門性の高い実習が行われており驚いた様子であった。また,彼らは大学での早期からの実践教育の必要性を訴えていた。
 生徒が減少する中で,圏外からの入学生を確保するための取り組みが行われ,80名定員に40名近くが圏外からの入学生で占められていた。糸魚川市からの入学生は激減しており,人口減少への対応が急がれていた。夕方は,地元のホッサマグナミュージアムの香取学芸員,コーディネーターの伊藤様よりホッサマグナについて,地域資源の魅力についてそれいぞれプレゼンをいただいた。
 2日目は,世界ジオパークであるホッサマグナを土台とした能生川流域の支流である湯沢川の源流にある万年雪を実際を訪れ,現地の斎藤元消防団長に36年前の雪崩災害についての解説をお伺いした。その後,92歳の栄子様のご自宅にお伺いし,地域の豊かな資源についてお話を伺った。ホッサマグナは堆積岩で大変にもろく,源流域での土砂崩れや雪崩が発生して大きな被害を受けているにもかからず,天然ガス,天然水などの恵みによって支えられているとの解説を頂いた。自然の脅威と恵みは表裏一体であり,そこに人々の生活が存在している。常に自然と向き合いながら生活する意味は何なのかを学生たちは考えた。
 以上の体験的な学習を基に,糸魚川市に対して水圏環境教育プログラムを提案することとなった。閉伊川での森川海体験実習をベースとして「レジリエントな持続可能な流域コミュニティの構築」を目指した水圏環境教育プログラムの開発を目指す。クラウドファンディングで実施した海街コミュニティ・スクールの活動の一環として,継続的な取組が期待される。