Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

地元高校生によるイトヨ飼育”産卵成功”

2005-06-11 | 源水調査
ついに,0町の地元高校生によるイトヨの飼育で,産卵に成功したと報告を受けました。我が子の誕生と同様とてもうれしいです。イトヨが雄が鳥のような巣を作り,メスをその巣に誘い込み産卵させるというユニークな生態を持っています。しかし,産卵ふ化成功までこぎつけるにはには技が必要でなかなか,地元では普及していません。「クーラーが必要?」とか「巣の材料は?」とか様々疑問が出てきます。そこで,本校で数年来成功している「これでは間違いない」という方法を伝授しました。はやりポイントは水
の濾過方法と巣材でしょうか?
ここで水槽の作り方を教えましょう。
濾過は底面濾過がベスト方法は60cm水槽を用意。底層に高さ5cm程度の塩ビパイプをのせます。その上に,魚焼きの網をのせ,底層全体を覆います。その上にさらに,タマネギ袋をしきます。この時,魚焼きに5cm×5cmの穴をあけここに,20cm程度の塩ビパイプをたてます。さらに,砂利を10kgほど投入します。これで完成。あとは25cmの塩ビパイプにエアーを入れて,水を入れます。すると,水が底面で吸い取られ塩ビパイプの煙突から水が出て来ます。このような水槽を作ると1年以上水を換え
なくてもいいようです(たまには注水が必要です)。この方法は,いろんな魚に応用できます。(ゾエア幼生には厳しい?)巣の材料は山口川のバイオマットです。
 現在,0町のイトヨは雄が卵を守っているようです。ふ化が成功するよう祈っております。

モクズガニ幼生元気に泳ぐ

2005-06-10 | Weblog
今日は久しぶりに気温が上がり,実験室も室温が高くなりました。水生菌が発生していないことを確認するために顕微鏡をのぞくと,ゾエア幼生が卵から元気に飛び出してきました。泳ぎ方はまるで人工衛星のようで円を描きながら水中を元気よく泳ぎ回ります。小さく見えにくいので,お椀に入れてみました。白く見えるのがゾエア幼生です。



市内小学校にイトヨ贈呈

2005-06-09 | Weblog
市内の小学校では,本校が昨年山口川で採集したイトヨの稚魚を昨年9月から育てて
います。10ヶ月ぶりに訪問し,4匹のうち,1匹が冬を超し,元気に水槽で泳いで
いました(写真)。メス2匹と雄1匹を贈呈してきました。早速メスを見るとみるみ
る体色が変化。メスを追いかけ回しています。産卵が楽しみです。イトヨの生態を教
えると皆さんが同じ反応を示します。巣作りを多くの皆さんにできれば小学生の生徒
さんたちに見てほしいですね。



一県一漁協

2005-06-09 | 話題
今国が進めている一県一漁協の構想を他県の知り合いから伺いました。協同組合は本来組合員の収入や生活向上を目指して設立されたものです。しかし,現在債務超過に陥っている組合が少なくなく経営が厳しさを増しているようです。ここ5年間でも,ほとんどの生産物単価が値下がりし,それに応じて生産量も減少傾向にあります。この状態が続けば,おそらく将来かなり厳しいものになるでしょう。一方で,インターネットやマーケティングの手法を利用した流通,販売面では,数々のヒット商品が生まれています。その利益が生産者にダイレクトにいくようになれば・・・お話を聞くほどに,身の引き締まる思いがしてきました。この大変さをなんとかバネにしてまずは自分のできることから始めよう!と心に誓いました。

淡水型イトヨ採集補助

2005-06-05 | 源水調査
 インターアクトクラブの活動の一環として,県内沿岸部にある湧水の町O町にて地元高校生によるイトヨ調査が行なわれ,研究支援という形で参加させていただきました。大槌川の他小槌川支流にても採集を行ないました。ちょっと見た感じ,顔つきが違うようですが,遺伝的にはどうなっているのでしょうか?水温は13度と1月から調べている水温とほとんど同じで,採集に参加した生徒には冷たかったようです。地元の高校生たちも,タモ網を片手にタコを釣りながら(靴が水に浸ることを当地方ではこういいます)頑張っていました。本校の生徒は,慣れたものでさで網を使って上手に採集をしています。採集したイトヨは地元高校の玄関前にて飼育しています。繁殖期を迎えた個体ばかりで,おなかが大きいメスがいて,今にも巣を作ってしまいそうな様子です。イトヨをはじめて見る生徒がほとんどで,イトヨの珍しい生態を聞いて目を丸くしていました。どうしてこれほど淡水型イトヨ(降海している個体もいるかもしれませんが,周年生息していることは事実です)が豊富なのか,本当に不思議です。水質と餌に恵まれたのでしょうか?ワカサギがなぜ閉伊川なのかという疑問は解明されましたが,なぜここにイトヨがという謎は解決されていません。ぜひ,調べてみたいものですね。参加した生徒たちは「こんな魚がいるとは知らなかった。もっとPRしてもいいのに。」と語っていました。

閉伊川の水温

2005-06-05 | 閉伊川調査
閉伊川は水温が14度。気温も上がらず,15度。イトヨも遡上が見られません。天然アユも1ケ月遅れました。今年は意外にもマハゼ当歳魚が多いようです。ワカサギは個体数が少なく,しかも小型がほとんどとれていません。ワカサギの遡上が終了するのは6月下旬から7月上旬,あと一ケ月様子を見ていきたいと思います。