三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

映画「#スージー・サーチ」

2024年08月15日 | 映画・舞台・コンサート
 映画「#スージー・サーチ」を観た。
映画『#スージー・サーチ』公式サイト

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 アメリカのパラダイムは、今も昔も、アメリカンドリームだ。有名になる、金持ちになるのがアメリカンドリームで、物欲主義がその本質である。大豪邸に住んで、毎日豪華な料理を食べる。移動は自家用ジェットや運転手付きの高級車。
 一方で、人間関係は家族第一主義で、理想の家族を求めて結婚と離婚を繰り返す。離婚のたびに裁判をするのだが、そこは互いのアメリカンドリームのぶつかり合いの場だ。商売になるから弁護士はたくさんいる。国民ひとりあたりの弁護士数は、日本の10倍以上だ。なんとも浅ましい限りである。

 スージーが目指すアメリカンドリームは、ポッドキャストで有名になることだ。金を稼げれば、病気の母の治療費が出る。ヘルパーも雇えるかもしれない。切実な問題なのだ。バズることに命がけだから、いいねやフォロワーの数に一喜一憂する。
 しかし切実なのはスージーだけではない。同じように片親しかいない学生で、その親が働けない状態になってしまった人もいるだろう。共同体が手を差し伸べるべきだが、アメリカンドリームの国は、病人や貧乏人に冷淡だ。

 スージーは小賢しい割に、間が抜けている。そのあたりを笑い飛ばすコメディとして製作されたのかもしれないが、スージーも含めて、アメリカの軽薄さと愚かさが、どのシーンにも充満している印象だった。ちっとも笑えない。

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