幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 愚者の言葉を聞かないように、ただ行動せよ

2011-12-07 02:40:45 | Weblog

 
 
  ぼくの目は近眼だったから、レーシックして直した
 
  ぼくの腸がおかしかったから、手術して直した
 
  ぼくは、サイボーグになった気分だった
 
  全身麻酔をして醒めたときは、リバースしたような気分だった
 
  でも、それも束の間
 
 
  ぼくは目が見えなかった方がよかったし
 
  べつに健康になったからといって、どうということもない
 
  寿命が延びようが、体調がよくなろうが、それがどうしたというのだろう
 
  別にどうでもいい
 
 
  世の中、矛盾だらけだ
 
  おかしいことの方が正常のことよりずっと多い
 
  そんな中で、治療したり、良くしたりすることなんて、ぜんぜん意味がない
 
  逆に、なにも良くなってないし、健康でもない
 
  それがこの基準の逆転した価値観の中で、正常、ぼくが感じる正常な感覚なのだ
 
 
  きみにはわかる?
 
 
  天使の彼女はどこかへ消えてしまったし
 
  それはたぶんぼくが最低だったから
 
  セクハラだし
 
  それに、ぼくの描く絵は、倒錯しているエロだし
 
  詩は、女々しく、自分のことしか書いていないから
 
  読んでて、誰も面白くない
 
  誰も、ぼくになんて興味あるわけないだろ?
 
  そんなの、オマエに言われれなくたってわかっている
 
  グルRに言われなくたって、自分が一番お見通し
 
  天使だって同じこと
 
  天使は美しいことが好き
 
  エゴなんて美しいはずはない
 
  でも、ぼくはエゴでしかないし
 
  だって、悟ってなんかいないし
 
  そんなもの金輪際いらないから
 
 
  きみは、ぼくの美を見て不快になる
 
  でも、たぶん、ぼくが死んだら、みんなその絵を正視できるのだろう
 
  それは、クルアーンの予言のようにも確実だ
 
  なぜなら、みんなぼくのエゴが嫌いなのだ
 
  世の中、比較するのが好きで好きでたまらないからね
 
  ぼくの個性は強力だ
 
  きみの個性よりもずっとずっと
 
  それが許せないのだ
 
 
  言ってることがわからない?
 
 
  言葉なんて、どうでもいいのさ
  
  言葉をしゃべらずに、
 
  否、いろいろしゃべってる言葉を全部聞き流して
 
  ただ、やらなければならないことだけをやる
 
  そうしなければならないと思う
 
 
  それが愛だ
 
 
  愚者が愚者の言葉しかしゃべれないのは
 
  演技しているうちに、本当の愚者になってしまったからだったら
 
  その愚者は、本当は賢者だったはずだ
 
  だったら、その愚者の言葉など聞く必要もなく
 
  その愚者を、賢者のように扱うべきだろう
 
 
  そうじゃないかな
 
 
  もし、愛があるなら
 
 
  そして、愛以外、それ以上に、この世に価値あることなんて
 
  なにもないのだから
 
 
  ぼくは、ただの無駄のようにふるまう
 
  道化のようにではなく、愚者のように、吊るされたバカ者のように
 
  ひっくり返って、風景を見つめ
 
  もっとも無駄なものが、人知れず、もっとも価値あることをする
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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