喜多院法興寺

住職のひとりごと

家庭訪問で虐待分からず、江戸川の小1死亡

2010-01-28 06:49:06 | Weblog
編集手帳 読売新聞
 {ある感想を、漫談家の徳川夢声が日記に書いている。〈不愉快なのは自己的な親の方が、愛情の深い親よりも孝行者に恵まれることだ〉(1944年3月27日付)

◆あの親に、この子はもったいない。心からそう思うときがある。今月24日に死亡した東京・江戸川の小学1年生、岡本 海渡 ( かいと ) 君(7)の記事を読み返している。

◆継父(31)と実母(22)が傷害致死容疑で逮捕された。以前にも、海渡君の胸や腹にできたアザを診察中の歯科医が見つけたり、「ギャー」という叫び声を近所の人が何度も聞いたりしている。日常的に虐待があったのだろう。

◆搬送先の病院で息を引き取る2日前、学校帰りの海渡君に近所の男性が「お父さんからいじめられていないか?」と声をかけた。「いじめられてません。悪いことをすれば怒られるけど」。そう答えたという。もっといい子になれば優しくしてくれると、けなげに信じていたか、小さな胸の内は知るべくもない。

◆痛くて悲しい仕打ちに、あなた方をかばうことで報いた子である。どんな青年に育っただろう。この世に二つとない宝物であったと、そう思わないか。父よ。母よ。

 自分の子どもをいじめて殺す、犬や猫でも自分の子どもを懸命に育てると言うのに。殺された海渡君は、親からいじめられていたのに、いじめられてませんと、親を信じた。そんな海渡君を、虐待して死なせた。学校ももっと親身になって、対策を講じたなら、助けられたかも知れない。出来ることなら、もう一度生まれ変わって、幸せを経験させてあげたい。