喜多院法興寺

住職のひとりごと

「大人」は18歳?世界では主流だけど…

2008-03-14 09:09:48 | Weblog
朝日新聞
 {大人になるのは20歳のままがいいのか、18歳に引き下げた方がいいのか。社会で独り立ちが認められる成人年齢を20歳と定めた民法を変えるかどうかの議論が11日、法相の諮問機関「法制審議会」で始まった。「最近の若者は……」という年長者の嘆き節は古来変わらないが、いまどきの若者は成熟しているのか、いないのか。

 「なんで18歳なんですかね。20歳のままで困ったこともない気がしますけど」。Jリーグ柏レイソルの李忠成選手(22)は、あるべき成人年齢についてそう話す。

 本人は「20歳すえ置き派」だ。高校卒業直前、18歳でプロ契約し、成人後に「今後も日本でプレーしていくため」と日本国籍を取得した。高卒と同時にプロと成人という節目を一度に迎えたら、せっかくの成人の区切りを意識できなかったと思う。「高校の延長のようでダラダラなっていた気がする」と言う。

 プロの世界では、年収が大人の何十倍でも、年齢上は「子ども」という場合が少なくない。日本ハムのルーキー、中田翔選手(18)は契約金1億円、年俸1500万円、小遣い月30万円とスポーツ紙に報じられた。

 法制審で議論されるのは、親の同意がなくても契約や結婚など大切なことをひとりでできる年齢を20歳から18歳に引き下げてもいいのか、という点が軸になる。

 いまどきの若者はそれほど十分に成熟しているのか。成人年齢の議論で必ず出るこの質問を専門家にぶつけてみた。

 精神科医の斎藤環氏(46)は「今の日本人が精神的に成熟するのは、30歳から40歳ではないか」と言い切る。ネットカフェ難民や若年ホームレスなど、望まずして、取り残された若者は少なくない。「なのに、成人年齢を18歳に引き下げれば、そうした若者がさらに追い込まれてしまう」

 同じ精神科医の香山リカさん(47)は18歳への引き下げに賛成だ。「大学2年目、就職して2年という中途半端な時でなく、高卒と同時にするほうが分かりやすい」。一方で、若者が成熟していると考えているわけでない。「大人になっても親に寄生し続けるパラサイト・シングルが増えている。親も親で、30歳、40歳になった子にべったりと依存する親もよく診察に来る」。もはや成熟=成人と考えること自体が無理だと実感している。

 世界を見渡すと、成人年齢の主流は18歳。ただし、18歳成人の国でも「飲酒は21歳」「運転は16歳」などと許可年齢はまちまちだ。

 コメディアンのパックンことパトリック・ハーランさん(37)は米コロラド州出身で、18歳で成人したが、飲酒は21歳からだった。「大人として扱っているのか。どっちなんだよ、と若者はイライラしていた」という。

 日本で「18歳成人」が実現しても、飲酒や喫煙の許可年齢は20歳のままの可能性が高い。「18歳を大人と認めるなら、お酒も同じ年齢からじゃないと矛盾するのでは」とパックンは考える。「(法制審の)学者さんも自分が若者だったころを思い出してほしい」 }

  法相の諮問機関「法制審議会」では大人になるのは18歳に引き下げた方がいいのか成人年齢を20歳と定めた民法を変えるかどうかの議論が始まる。大人としての自覚をうながす意味にも18歳を成人としたなら、飲酒や喫煙の許可年齢も18歳にすべきと考える。