憩う、楽しむ 広島・湯来通信 

広島市中心部から1時間。新たな交流・体験エリアである湯来地区の最新情報。天然温泉と豊かな自然が皆様をお待ちしています。

湯来に伝わる民話「大原長者」

2011年10月06日 07時02分22秒 | 民話
10/6(木)13℃     


 おはようございます。
 一雨ごとに秋の気配が濃くなって、山々の木々の彩りや、寒さが一段と気になるようになってきました。さすがに、皆さんのご家庭ではエアコンをつけっ放しにして就寝ということはなくなったんじゃないでしょうか?(我が家にはエアコンがありませんけど)
 その代わり、朝が寒いと感じた日には、傍らにいつの間にか灯油ストーブ(薪じゃありませんから念のため)が出没してました。
 そうそう、電気を使わないタイプのストーブが震災のあった東北地方では見直されているようで、万が一の停電や個別仮設住宅での利用が増えているようで、製造メーカーも時期を早めて作り始めてるそうです。電気がこない使えない事態のもしもを想定したら、用意したほうがいいんでしょうかね。
 でもデモでも、化石燃料が無くなったら・・・・、いつまで化石燃料が使えるのか気になってきました。
 ”節約・もったいない等々”贅沢は敵だということを肝に命じておきたいところです。


 さて、今日の湯来に伝わる民話は「大原長者」です。 湯来町の木岡(ユズリハ)という集落の中心部に倉庫があって、郷土民具や版画を展示していらっしゃる場所があるんですけど、その版画の一つに「一粒のお米」が食べられるまでの版画があるんです。最近、物を粗末に扱う傾向が強くなってきてますから、一度見ていただきたいと思います。
 湯来交流体験センターで展示してもらい、来訪者に見ていただきましょうかね。
 物語を読んで正しく理解していただいて、「もったいない・物を大切にする」ってことを感じ取っていただければ嬉しいです。


 石ヶ谷峡を登っていくと大原の里があります。むかし、ここに広い土地を持った長者が住んでいたので長者原とも呼んでいます。
 長者の大きな蔵の中には、米俵が山と積まれ、
 「蔵の中の米俵を並べたら、大原から一里(約4km)もある日室の里まで続くそうな」
 「土地は広いし、おとこし(男性)、おなごし(女性)をたくさん雇うていなさるけぇ、仕事はせんで毎日遊んでいなさるそうなと」
 「広い屋敷じゃけぇ、めったに旦那さんやおかみさんにお目にかかれんそうな」
 村の人達のうわさ通り、長者一家は毎日色々な遊びにふけっていました。
 中でも、「はま射」と言って、藁で作った丸いドーナッツ型の物を転がして弓矢で射る遊びをよくやっていました。
 ある年の正月、藁で作ったはま射に飽きた長者の息子が、ふと神棚にあった大きな鏡餅に目をつけました。
 「おい、あの鏡餅を持ってこい」
 とおとこしに言いつけました。言われたとおりに神棚から下ろして持って来ると
 「よし、はま射の時と同じように、餅を転がせ」
 餅はころころと転がります。長者の息子は弓矢で射ますが当たりません。一回目、二回目と転がし、三回目に矢はたがわずパシッと餅に当たりました。
 ところが不思議なことに、餅の矢に当たった所から、真っ赤な血が流れ出ました。あたりの雪もこの血で赤く染まりました。
 これを見た長者の息子もさすがに気味悪くなり、以後は、はま射を止めました。

 そんなことがあってからの長者の家では、することなすこと悪いことばかりが続きました。
 その年の春、長者は
 「こぶしの花はまだ咲かんが、木の芽をよう出たし、ぼつぼつ苗代を作らせにゃあいけまあで」
 そんなことを言いながら日室の里に様子を見に出かけました。途中の土手の丘からうつろの里を見てビックリしました。
 「うつろの里じゃあ、田植えの真っ最中じゃ」
 苗代に種もみを蒔いて芽が出て、田植えをするまでには一ヶ月以上もかかります。長者は驚いて飛んで帰り、おとこしたちに、
 「うつろの里じゃあ、田植えをしよる。はよう、苗代作りをせにゃあ、急いでくれ」
 苗代が送れ、田植えが遅れ、秋風が吹く頃にようやく稲の穂が出ましたが、実らず実米は取れませんでした。
 それやこれで、長者の家運もしだいに傾き、遂に絶えてしまいました。
 大原の里では、こぶしの花の咲く頃に苗代を作っていたのに、その年はこぶしの花が咲かなかったともいいます。
 その後、この里もだんだん寂れて家屋敷や田畑の跡を残す、昔の里山になりました。
 日室の里とは、湯来温泉の東北側の丘地で、うつろの里とは今の打尾谷のことで、うつろの大木があったことから、うつろの里が「打尾谷(うつおだに)」になったと言われています。


 次回の湯来に伝わる民話は「西峠のキツネ」です。お楽しみに~。


 ずっと以前のブログで書かせていただいたんですけど、日室と言う集落のあった場所に行ったことがあります。昔ながらの集落の形態を一部に残し、ふるさとを捨てて出て行ったときに植えられた杉の木が植えられていました。
 傍らに転がっていた五右衛門風呂の風呂釜や食器のかけらが今も脳裏に焼きついてます。


 色々な観光地へ出かけてみたい願望はあるんですけど、胸が苦しくなってしまうほど切なく感じてしまう”廃村集落”を再訪問してみたいと思うときもあるんですけど、傍らから見ると”変なヤツ”に見えてしまうでしょうね。


 秋晴れで、気分転換をしたくなったら、名前の知れた山への登山でない場所歩きもして見たいなー



 今日からまた数日は天気がいいようですね。気分いいから、冒頭の絵を私が書いて見ました。民話の原本にあった絵を真似て書いてみたんですけど、ヤッパリできは悪いですね。なにしろ完成まで3分足らず。認めていただけるものではありませんけど、何も無いよりはマシかと思い書いたしだいで・・・・・。失礼しました。

 私の週末スケジュールは残りの農作業の完済。しまりの無い身体にムチ打って、頑張ってみることにします。時間できたら、清水寺展が福山?で開かれているようですので、仏像を見たくて出かけてみようかとも思ってみたり、疲れを取るために只只寝ておこうかと思ったり・・・・・。体調しだいかな????



 では、今日も一日、充実した一日でありますように。頑張って!!
コメント
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