あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書新評論このアイテムの詳細を見る |
もう記憶も確かではないけれど、日本史Bとか世界史、倫理社会に分かれたのは高校になってからで、中学ではトータルに教えられていたような気がします。
いずれにしろ、現代史っていう科目は無かったし、何年に何があったとかいう歴史事実満載の内容で、知識を増やし、記憶力を試す教育内容ではなかったかと思う。
先日、スウェーデンを訪問する機会の恵まれ、何故選挙の投票率がいつも80%以上なのか、税金を80-85%取られていて、豊かな生活ぶりは何故???
日本と違うなーーー!
以前読んだ「あなた自身の社会」っていうスウェーデンの中学教科書をもう一度引っ張り出しました。
スウェーデンにも国税・地方税はありますが、特徴は全国290あるコミューンという行政単位です。日本でいえば市町村のようなもんでしょう。1950年には数百人単位で2500あったコミューンを統合していったのですが、コミューンとは何で、公園・学校・運動施設などを所有していて、教育・医療などのサービスをコミューンに依存していて、コミューンへの税金を通じて、住民はそれぞれのサービスにかかわり、その運営費用を支払っていることがしっかりと教科書に明記されています。
第一章が「法律と権利」になっています。
どんな法律が何時出来たということでなく、「法律はあなたにも適用される。」という内容紹介がほとんどを占めます。13歳でどういう権利と義務を持つのかア?15歳では・18歳になって成人したらどんなことが出来るようになるか?選挙・結婚・お酒・銀行借入・運転免許・どんな職業に付けるかも、細かく明示されます。
自分で自分の行き方を決定できることが強調されています。
どの章にも「民間陪席判事は、まったく法律の教育を受けていません。この精度の長所と短所は何でしょう?」というような設問が数問書かれています。
そして必ず、設問に対して、自分で考えて、友人に意見を言ってみよう。皆で意見を交換し、話し合ってみよう!という教科書です。
あなたが、実際に裁判にかけられたら、どうなるかも説明されています。
前書きにもある、スウェーデンの教科書の特徴は、
1、実社会への手引書になっています。子供たちが社会生活を賢く送るために、いま知っておくべき事項、福祉など、将来必要になってくる事柄がきちんと説明されています。
2、社会的存在としての人間にさまざまな角度から光を当てています。他人とのかかわり。他人から、考え方や行動の上で不断に影響をを受けていて、こちらからも影響を与えている。共通の悩みも持っていることなどです。
3、子どもたちが自分自身の意見をもつことを徹底して奨励しています。各章に用意されている170余りの「課題」がそれです。模範解答はほとんど示されません。「君自身はどう思うか。友人の意見と比較しよう。みんなで討論しよう。」が基本です。
4、社会は自分たちの手で変革できることを教えています。社会は異なった意見を持つ人々の妥協の結果として存在していること。より多くの支持者を獲得できるなら、それらを変えることが可能になること。社会は自らがすくりかえていくものであるとのメッセージを伝えています。
やっぱり、こんなに教科書に差があると、日本と違った国が出来るっていうことが判ります。
最近の、中学の教科書ってどういう内容になっているんでしょうか???