美術史家若桑みどりさんは、1935年生まれの江戸っ子・東京芸術大学を卒業して、いち早くイタリア・ローマ大学に留学しました。
帰国後、1988年3月まで東京芸大の音楽学部教授を勤めました。
NHKカルチャーセンターで若桑さんが話した雑談をエッセイ集に仕立てた本です。
若桑さんは、ジュンダー文化論に詳しく、メディアリテラシーといって映画・絵画・文学などに表われる性差別を検証して、女性にとって住み易い社会を創ろうとしている方です。
若桑さん・専門の美術史よりも雑談の方が面白いということで出来た本みたい。
かなりの直球、それも剛球を投げ込んでくる方です。
イタリア留学に向う船の上から、雑談は始っていきます。すでに東洋人であるというだけの差別も感じ、日本人でありながら西洋文化を研究するという矛盾・苦悩にも満ちています。
船上でベトナムの娘さんとの会話が始ります!「「ナンジ イズコヨリキタリ イズコニユカントホッスルヤ?」「ワレ トウキョウヨリキタリ ローマニユク。カシコニテガクヲオサメ ミヲタテルコト ワガノゾミナリ。」「ワガナハ ワン・セイ・ハー・黄・青・霞、サイゴンノフボノモトニユク。」「ワガナハ ホン・ポン・リョク山・本・緑、トモニサンセンソウモクノイロナリ。」と、屈託が無い!!
権威を失墜させるのも大好き!モナリザにヒゲを付ける行為も説明されるし、ブリューゲルの絵に、地球儀の上にウンコをしている絵のあることも紹介。馬鹿が2人描いてあって、タイトルが「三人の馬鹿」。
見るだけで笑える美術史を目指しました。
イタリアから帰国して、すぐの芸大祭のテーマが「やらせてお願い」・サブタイトルが「発情期よ永遠なれ!」だったそうです。私も公職にある身なので、あまりコーショクなことは言えない。p20・なーーんてダジャレてますが・・・。
お母さんもそうとうに・大変な美人だったらしく、40歳過ぎたら、自分で自分の姿が鏡で見ることが出来なくなり、家にある鏡という鏡を全部割ってしまったというツワモノです。
教授選考でも、ある優秀な女性を”化粧が濃い”という理由で拒否した東大の先生がいたそうです。「テメエの愛人にするわけでもあるめえし!」209ページと手厳しいです。
美術史家として身を立てるには、一に体力、二に語学、三・四がなくて五にお金・といって憚らない若桑さんです。
最後の章は、
一つの歌がくれるほどの生きる力をはたして一枚の絵がくれるだろうか!。
いったい何人の人が、この歌によってカタストロフから救われ、最悪の情況の中で生きることを引き受ける気持ちになったであろうか。
最悪の情況の中でも破滅せぬためのWISDOMをくれた!!!
ビートルズ賛歌でエッセイを閉めます。
帰国後、1988年3月まで東京芸大の音楽学部教授を勤めました。
NHKカルチャーセンターで若桑さんが話した雑談をエッセイ集に仕立てた本です。
若桑さんは、ジュンダー文化論に詳しく、メディアリテラシーといって映画・絵画・文学などに表われる性差別を検証して、女性にとって住み易い社会を創ろうとしている方です。
若桑さん・専門の美術史よりも雑談の方が面白いということで出来た本みたい。
かなりの直球、それも剛球を投げ込んでくる方です。
イタリア留学に向う船の上から、雑談は始っていきます。すでに東洋人であるというだけの差別も感じ、日本人でありながら西洋文化を研究するという矛盾・苦悩にも満ちています。
船上でベトナムの娘さんとの会話が始ります!「「ナンジ イズコヨリキタリ イズコニユカントホッスルヤ?」「ワレ トウキョウヨリキタリ ローマニユク。カシコニテガクヲオサメ ミヲタテルコト ワガノゾミナリ。」「ワガナハ ワン・セイ・ハー・黄・青・霞、サイゴンノフボノモトニユク。」「ワガナハ ホン・ポン・リョク山・本・緑、トモニサンセンソウモクノイロナリ。」と、屈託が無い!!
権威を失墜させるのも大好き!モナリザにヒゲを付ける行為も説明されるし、ブリューゲルの絵に、地球儀の上にウンコをしている絵のあることも紹介。馬鹿が2人描いてあって、タイトルが「三人の馬鹿」。
見るだけで笑える美術史を目指しました。
イタリアから帰国して、すぐの芸大祭のテーマが「やらせてお願い」・サブタイトルが「発情期よ永遠なれ!」だったそうです。私も公職にある身なので、あまりコーショクなことは言えない。p20・なーーんてダジャレてますが・・・。
お母さんもそうとうに・大変な美人だったらしく、40歳過ぎたら、自分で自分の姿が鏡で見ることが出来なくなり、家にある鏡という鏡を全部割ってしまったというツワモノです。
教授選考でも、ある優秀な女性を”化粧が濃い”という理由で拒否した東大の先生がいたそうです。「テメエの愛人にするわけでもあるめえし!」209ページと手厳しいです。
美術史家として身を立てるには、一に体力、二に語学、三・四がなくて五にお金・といって憚らない若桑さんです。
最後の章は、
一つの歌がくれるほどの生きる力をはたして一枚の絵がくれるだろうか!。
いったい何人の人が、この歌によってカタストロフから救われ、最悪の情況の中で生きることを引き受ける気持ちになったであろうか。
最悪の情況の中でも破滅せぬためのWISDOMをくれた!!!
ビートルズ賛歌でエッセイを閉めます。