健康楽園。

健康に関する情報・提案を主にする。

若乃花と貴乃花。

2005-06-29 | 読んでみた。finding.
古代カインとアベルの時代から兄弟関係って難しいもんだと思う。若貴問題はマスコミ騒ぎすぎ!彼らの問題なんだから・・・。
最近、兄弟に関する本を読んだ。一般的に長男は最初の跡継ぎだから、大事にされて育つ。与えられるのが当たり前になるから、のんびりしていて、ガッツに欠ける。弟は、ほっとかれるから、自分で取ってこなければ生きられない。だから強く、反骨心に満ちて、社会的自立心も旺盛だ。長幼の序で地位は兄の方が上で、実力は弟が上というネジレが多くなるから、お互いうまくいかなくなってくる場合が多い。家訓で、同じ場所で働かせないという家がたくさんあるのもうなずける。
なかにし礼さんの「兄弟」。恨み、忌み嫌う兄弟を描く。「赤い月」の満州から小樽に帰国して、ニシン網の博打をするところはすごい。兄貴が現れて賭けに出る場面は胸が躍る。大金を得るが、結果失敗。兄は借金を続ける・・極貧の生活。「1日三度の食事を世の中からもぎとってくることがいかに難事業であるか?ほんのわずかの場所を手に入れるために人間がどんなに良心や誇りや魂までをも売らなくてはならないか身にしみて教えられた。これから先どれほどの数の屈辱に耐えなければならないかと思うと呆然となった。」兄弟193ページ。
逃げるように東京に出て、シャンソンの歌詞翻訳をしているところを裕次郎に認められ、世の中に出て行く。しかし、また兄が現れ、借金の肩代わりをさせられて、破産へと進む。映画ではビートタケシが好演していた。兄を恨みぬき、死んでホットするという壮絶な兄弟の物語だ。
一方、石原慎太郎さんの「弟」。家庭環境も父親の教育も全く違う兄弟。湘南ボーイでヨットレースに出て、そこでの兄弟の性格の違いが浮き彫りにされてくる。裕次郎の正義感あふれる行動、喧嘩っ早さなどが生き生きと飾りの無い言葉で描かれている。両親の教育方針が素晴らしいと感じる。この兄弟は、反発し、喧嘩し合いながらも、お互いを認めている。裕次郎が不治の病に倒れ、危篤状態のとき、母親と裕次郎がしみじみ話す「でも無念だね・・・・。お互いに・・。」弟364ページ・という場面は涙を誘う。そして最後に慎太郎さんはつぶやく「いや、それ以上に彼がいなければ、私はありえなかったのだ。」弟373ページ。
胸にグット染みてくる2つのすごい兄弟の物語です。
コメント
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