兵庫県篠山市初田
前々回に掲載した八柱神社を訪れた日から四日後、私はまた同じ時間に同じ篠山口駅前に立っていた。
もともと雪景色が似合うだろうと期待していた八柱神社だったが、今冬はもう雪は無理だと諦めて八柱神社を訪ねたのに、まさかその四日後に雪が積もるとは。
しかもちょうど仕事が休みの日で、喜んでいいのか嘆くべきなのか判らない。
とにかくまあ、往復二千円ほどの電車賃をかけて、四日前と同じ場所に行く。
ありがたいことに、最近は雪があるか無いか行ってみないと判らない、ということはあまり無い。
前夜から雨雲レーダーと気温を何度も確認していたが、決め手になるのはネットで見られる各地のライブカメラだ。
兵庫県の場合は、兵庫県土木局の河川監視システムのカメラが役に立つ。
ライブではなく2分毎の更新で、夜間だと少し見えにくいものの、時おり雪が舞っていたり、薄っすらと地表が白くなっているのが確認できた。
前回と同じく田松川に沿って歩く。
前回と全く同じ場所に白鷺がいて、前回は逃げたが今回は逃げない。
周りの田畑は白一色ではあるものの、5センチくらいの積雪を期待していたのに、せいぜい1~2センチといったところだ。
青空が見えているけれど、時おり雪が舞う。
気温はマイナス2℃ほどで、湿度のせいか前回より寒く感じる。
雪景色と寒さの中、鶯の鳴き声が聞こえる。
春はもうすぐ傍まで来ているのだろう。
初田集落を抜けて林道に入る。
神社前から集落を見る。
普段なら撮らないけれど、やっぱり雪があると全く印象は変わる。
神社の方向を見れば山深い雰囲気だが、意外と人家が近いことが判る。
参道に入れば木々に覆われているせいで雪は更に少なくなり、ちょっと斑な感じになるものの、来て良かったと思える世界になる。
雪の中で、朱の鳥居はよく映える。
参道の奥、鳥居の向こうは凛然として、頭に思い描いていた気配を湛えている。
前回と似た構図になってしまう写真が殆どだが、雪があったから撮った写真もある。
木々の葉まで白く染まっているのは、雪が止んでから暫くの間だけだ。
時間が経てば雪は落ちたり融けたりして、黒っぽい常緑樹の木々の葉と白い地面とに色が分れて、美しさが半減するように思う。
積雪量は少ないが、いいタイミングに出逢えたようだ。
丹後出身の友人は、雪は嫌だと言うけれど、やっぱり私は雪が好きだなぁと思う。
ただ、雪国の苦労など何も判っていないのは承知しているから、その友人が言うことも理解できる。
参道を振り返る。
朱の鳥居は、緑の中でも白の中でも鮮やかだ。
この位置からの写真は、いつも納得がいかない。
色合いも、その気配も写せない。
いつもとはちょっと違う角度から撮ってみる。
見上げた木々が、白く輝いて綺麗だ。
何度か訪れた場所でも、こんな風にまだ知らなかった装いがいっぱいあるのだろう。
歩みは遅々として進まないが、やっと本殿が見えるところまで来た。
シャッターを押す手が痛い。
顔は痛みや冷たさを感じないが、鼻水が出ていても気付けないくらいだから、ちょっと麻痺しているようだ。
雪景色に目を輝かせている自分、鼻水を垂らしている自分というものを客観的に見ると、随分と滑稽な姿であって、綺麗な雪景色の中で、自身だけが綺麗ではない異物なんだなぁ、なんて思えてくる。
くぐった鳥居を振り返る。
そして本殿前へ。
前回と同じように、杉林の向こうに朝の光が射し込んでいる。
反対側は、より強く照らされて、雪も淡く太陽の色に染まる。
真横から。
帰り際、振り返ると竹の葉からさらさらと雪が舞い落ちてきた。
スローシャッターで撮ったので、竹林の上部が光を纏ったかのように微かに白っぽく写った。
撮影日時 160301 8時半~9時半
地図
綿帽子でないのが残念ですが、寒さが伝わって来ます。
木立に囲まれた神社は傘があるのも同様で、深い雪を期待出来ませんが、それでもこれは見る価値がある風景です。
石段がカーブしていくシーンが好きです。
すみません、遅くなりました。
雪が積もると別世界ですよね。
友人を誘おうか迷いつつ、結局一人で満喫しました。
木立は傘代わりにもなりますが、
雪が止んでからも不意打ちで雪を落としてくるので気が抜けません(笑
積雪は少なくても、初めてのちゃんとした雪景色の写真を載せられたので、
私としては充分に行く価値がありました。
カーブの先に、本殿がチラリと見えているのがいいですよね。
現代の日本では、本当に秘境なんて呼べる場所は少なくなりましたね。
近畿地方では紀伊半島か但馬の山奥みたいなところしかないような。
昨日、お天気が良かったので、岡山県備前市へ遊びに行って来ました。
兵庫県って、南部が太っているので、東部に住んでいるとお隣の岡山県がとても遠いのですよね。
私の在所からでも山陽道で県境まで1時間かかります。
日生でお昼を食べたのですが、丁度牡蠣のシーズンで漁港は観光客でいっぱいでした。
静かなところへ、と旧閑谷学校へ行きましたが、すごく山奥にある雰囲気なのに、ちょっと走るとすぐ民家ですね。
史跡は国宝だし、有名だし、教科書に載っているし、で子連れの観光客がとても多かったです。
でも、人工的な瓦や芝生や石塀が幾何学的で美しかったです。
それに人が多いのに何故か静かでした。
流石、閑谷学校(笑
その後に深谷の滝へ行きました。
深谷ですが、民家がすぐ下流にあり、JRの駅も近いし、神社と滝と整備されていて、誰もいませんでしたが、観光地の雰囲気たっぷりでした。
こんにちは
但馬は結構人工林が多いですし、里が近いので、
近畿で秘境といえば、やはり紀伊半島でしょうか。
以前にJunさんから聞いたと思いますが、
「ひだる」とかが、まだいそうな気がします。
岡山、遠いですよねぇ。
隣県というイメージが全く無いです(笑
海の写真が撮りたくて、近場でいいところは無いかと探したとき、
日生も検討したんですが、紀伊由良と交通費がほぼ一緒、
舞鶴や敦賀がちょっと高いくらいでビックリしました。
しかし、漁港も閑谷学校も観光客でいっぱいですか。
私が行くようなところは観光客どころか人っ子一人いないわけで、
有難いような納得がいかないような…(笑
深谷の滝、初めて知りましたが立派なものですね。
駅から徒歩で行けるし、もう少し近い地域なら絶対に行くのに…。
閑谷学校は国宝で見学料金が安いし、漁港は今が牡蠣のシーズンなので、人が押し寄せるのでしょうね。
岡山から鳥取方面へ姫新線などでのんびり行くのもいいかなぁなんて思ったりします。
秘境とは言えないですが、私が生まれた和歌山県のみなべ町には、沖合に鹿島と言う山が三つある無人島があります。
鹿島神社のご神体なので、普段は禁足地ですが、周辺で釣りなどは出来るようですし、観光船もあるそうです。
昭和天皇が南方熊楠と面会した島で、国の天然記念物です。
小さい時からずっと行ってみたいなと思っていますが、まず無理でしょうね(笑
篠山があるバラエティ番組で「兵庫県の秘境」と紹介されたことがあります。飲食店の紹介番組で、お蕎麦屋さんが写っていましたが、県民から見ると、「どこが秘境?」ですね。
お蕎麦屋さんより、雪景色の八柱神社の方がずっと秘境に見えます(笑
こんにちは
安易に観光地に行くより、自分で探して見つける方が、
ずっと楽しいし印象深いと思うんですけどねぇ。
昔はよく青春18きっぷを使って、のんびり鈍行の旅をしました。
紀伊半島一周したり、兵庫から鳥取、岡山とぐるっと周ったり。
無人島、というだけでワクワクします。
航空写真で見ると、岩礁が多くて、いい写真が撮れそうな場所ですね。
南紀といえば南方熊楠と言っていいくらい、植物好きとしても神社好きとしても、
避けては通れないくらいの存在感です。
ただ、天然記念物で昭和天皇とかかわりのある島は、
田辺の神島だと思われます。
それ、秘境じゃなくて、ただの穴場ですね(笑
本当の秘境は滅多にありませんが、秘境的穴場なら、
八柱神社のように、わりと身近なところにある気がします。
みなべは鹿島です。
これも信仰の島で、神聖な場所です。
母は子供の頃に遠足で上陸したことがあるそうです。
「龍の口」と呼ばれる洞窟があるのだと聞いたことがあります。
この島はみなべの町を津波から守ったことでも信仰を集めています。
本当に行ってみたいですけどね・・・
我が家のアルバムを見ると、風化などで崩落して今は存在しない美しい海岸の風景がたくさん残っています。
無人島で神社があって洞窟があるって、最高のロケーションですね。
みなべと言えば、私は岩代の海岸で二度ほど遊んだことがあるのですが、
とにかくやっぱり、和歌山はいいなぁ、という思いが募ってきて、
もう何年も行ってないので行きたくて仕方ないです(笑
とはいえ、紀伊田辺まで鈍行で往復六千円以上かかります。
みなべもほぼ同じくらいでしょうし、なかなか気軽には行けません。
あー、でも海の写真が撮りたいです。