少し更新の間隔が空いてしまった。この間、母が亡くなったこともあり、なかなかこちらの更新に手が回らなかった。
今日は、少し自分の業績の紹介を。
五月革命論の現在——その背景とその社会学
この論文は、六八年五月の学生達の運動が、その後の社会に与えた影響を、最新の議論を交えて検討した論文である。日本でも、最近やっと、六〇年代後半の運動とその後に到来する新自由主義との関係が認識されてきたが、具体的にその関係を論証したものはないように思える。無論、私が勉強不足なだけかもしれないが。
しかし、仏では、学生達の運動の欠点が、その後の社会の行方を決定づけた、というのは言い過ぎであるが、すくなくともその後の社会の到来の先鞭だったことが、具体的事実の分析から明らかにされている。
ゴビルという歴史学者の分析が秀逸なのだが、それについては拙論文を読んでいただければと思う。