a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

夏の総括:夏の研究生活その3

2005年10月03日 | etc.
 もう10月に入っていますが、遅ればせながら、今年の夏の「総括」を(;^_^A アセアセ…。すでに季節は秋、しかし、秋の本格的な研究生活に入る前に、今までの反省をすることで、これから良いスタートを切ることが出来るのではないだろうかと思ってのこと。

 ただ……、こうした「反省」の際に重要なのは、、決して「後悔」のために過去を振り返らないこと。あくまで改善点を見つけるという目的で。そして、「完璧主義」を決して取らないこと。「完璧主義」だと、達成出来ない目標から現実を評価するので、どうしてもマイナスばかりが目立ってしまうので。ただ、この「完璧主義を避けつつ頑張る」というのが、実は結構大変なのですが……(^-^;。(完璧主義は、目標がはっきりしていて、そう言う意味ではやりやすい)

 研究関連

 まずは論文について。
 実は今夏に、ずっと暖めているアイデアを論文にしようと考えたのだが、結局出来ずに終わってしまう。しかし怠けていたわけではなく、ある文献を読んでいたところ、論文執筆にあたってどうしても必要な文献に気付いたため。結局論文は仕上げられなかったのだが、この「必要な文献がわかった」という点は、大きな収穫であった。これによって、論文全体の方向性がうまく定まるでしょう(実は「方向性」はすでに決まっていて、それを打ち出すためにはどうしても読んでおかねばならない文献ということなのだが)。これによって、当初計画していたよりも良いものになりそうな予感(あくまで「予感」です)。

 読書に関しては、量自体は、思ったよりも少なかった……。ただし、量は少なかった分、「質」には満足かもしれない。
 実はブルデューのmeditations pascaliennesを読んでいたのだが、彼の文体にかなり戸惑った。以前読んだところでも、ノートを作って読んでみると、十分には理解出来ていなかったことに気付く。誤読がなかっただけ、まだよかった(笑)。それと平行して、邦訳されている他の文献も読んだが、原文を参照せねばならず、これがけっこう面倒(邦訳は素晴らしいのだが)。ただし、精読をする中で、ブルデューをこれから扱う視点が明確になってきたのは、これまた収穫。
 理論を展開する上で「文体」が重要であることを再確認。これはアルチュセールのイデオロギー論『再生産について』の意義を読解する為の、重要な視点でもある。この点を再確認出来たとすれば、それは収穫だったといえる。

 語学……十分とまでは行かないが、とりあえず満足。
 なぜだかわからないが、今夏は自然と「語学の勉強」に力が入った気が。語学の勉強に思わず時間を取られてしまったのは少しいたいが……。
 しかし、それも友人との共同仏訳の計画で、「相手に迷惑をかけないように」と考えたからだろう。留学から帰国して、長らく「仏語で論文を書く」という作業をしてこなかっただけに、今回の計画のために、足腰を鍛える準備が出来たのは、良かった。ただし、ドイツ語にも力を入れてしまい、どうにも重心を失った感は否めないが(現在の研究でドイツ語が必須ということはあまりなく、その分「余計なこと」になってしまう)。本来ならば(研究を考えれば)、もっと英語をやるべきなのだろうが……(この点については、別の機会で話を)。

 こう書いてみると、さぞかし充実した夏を過ごしたように思われるかもしれないが(苦笑)、実はそんなことはなく、実際には惨憺たるもの(;^_^A アセアセ…。論文は仕上がらず、読書は進まず、語学ばかり、それとて着実な進歩はなくポイントをはずしたもの……。

 ただ、そうは言っても、あまり十分な「成果」を出せなかった夏であったが、こういう場で振り返ると、それなりの前進はあったように思われるから不思議(笑)。ただ、「華々しい成果」がなくとも、着実な前進が出来たのであれば、それはそれで良いこと。これからの季節によりよい「実り」を迎えられるだろう(と、希望的観測)。

 研究以外にも、この夏の「まとめ」があるのだが、それは次回に。

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