雑誌『経済』1月号で、経済同友会終身幹事の品川正治さんと一橋大学教授の渡辺治さんが対談しています。07年11月号に続く2度目だそうです。
財界の「重鎮」であり、戦争体験者でもある品川さんの発言は興味深く、重く感じます。
「構造改革で、これまで自民党政権を支えてきた『構造』まで変えていったために自民党は崩壊…民主党のほうも国民の声で勝ったわけで、民主党が勝ったのではなくて国民が勝ったのだという感じを、われわれは持つわけです」
「国家戦略局と聞けば、骨太方針をつくった経済財政諮問会議とどう違うのかと国民が気づくようになってきている。国民が主権を発動した結果、民主党政権ができたわけですけれど、それをさらに押す力は国民しかないのです」
「アメリカ軍の前方展開として地政学的に有効だとアメリカが考えているからといって沖縄に基地を集中させていて、どうして東アジア共同体を指向できるのか。アメリカの核の傘に入っていてどうして核の完全廃絶を世界に呼びかけられるのか」
「九条と二五条をドッキングした日本国憲法とはこういうものですということを、世界に自信をもってアピールしてほしい」
私の気持ちとバッチリ共鳴することもあり、うれしくなったりしますが、ともかく、国民全体が観客にとどまってはならない政治的・歴史的局面に日本社会が入っている感じです。