Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

国立歌劇場「オテロ」17.10.2007

2007年10月18日 06時17分27秒 | Weblog
りりちゃんのお母さんから借りた目覚まし(ピピピと鳴る)では起きられないので、今日よしこちゃんからリンリン鳴る目覚まし時計を借りました。これでなんとかなるかもしれません。

「はに~ちゃんどうしたのその声」と言われるような練習をしてしまいました。発声ではOKなのに、歌いだすとどんどん引っ込んでいくので、それに気がつかなくて悪い歌い方をしてしまいました。とても歌手だとは言えません。

だから今日の感想文はかなりきついですけど、素人の感想文ということで。

さて、今日はオテロを観ました。結論「オテロを観て、初めて泣きませんでした。」本当なら、デズデモナを殺したオテロを観て、「アホかお前は!後悔するなら殺すなよ~!」と鼻水ずるずるしながら最後観ているのが普通です。でも、今までにドミンゴ・リッチャレッリ・もしかしたら指揮はアッバードだった?なんかを見てしまっているので、今日の歌手がうまくてもどうしようもないです。例えばドミンゴの声の圧力だとか、リッチャレッリの声の清楚感だとか、そういう感じが懐かしいです。そしてヤーゴはあくまでも意地悪く、悪代官越後屋のように。

みなさん上手いですよ。ブラボーすごかったし。でもオテロは欲しい声の圧力がたらないし、もっと粗野な感じがほしいです。デスデモナは(これは演出かな?)最後「死を受け入れて」お祈りするのだと思っているけど、今日の人は「死にたくなくて」お祈りしていたように思います。だって、舞台の一番前で客席上方(ギャラリーの私のいる所)に向かって祈るんだもん。柳の歌も、派手なの。柳は静かに揺れて欲しかった。でヤーゴも意地悪くない。もっとやってくれ~って思った。

で、新しい演出と舞台もいやだった。真ん中に四角いお立ち台があって、その台が光る。「白も・赤も・ほらほら3色使いもできまっせ~。その上舞台を回すこともできますよ~」というのがわかった。それだけ。照明がたくさん奇抜な使い方?をされていて、その場面場面の写真を撮ったら面白いと思う。でも観ていると疲れる。

最近、その原作の時代ではなく、現代またはそれに近い演出や、時代をあえてわからないようにしている演出などが多いです。でも上手くいって面白い時もあるし、それどころか、「こりゃやられた!」と思うくらい(低予算なんだけど)すばらしい舞台もある。だけど反面、どうしようもなく疲れる舞台も多い。この違いがまだなんなのかわからない。なにがキーポイントでよかったになって、何が悪くておもしろくないになるんだろう?

塩が多すぎたか、それともダシが薄かったか?いやいや盛った皿の形か?はたまた店員の雰囲気か?感動どころか、まともに楽しんでもらうって、本当に難しいと思いました。





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国立歌劇場「ボエーム」16.10.2007

2007年10月17日 06時07分04秒 | Weblog
一箱だけ日本から送ったんだけど(船便)、まだつかないので、コートがなくて寒いです。楽譜もなくて、しかたがないので、この間りりちゃんのお母さんにいくつか楽譜を借りました。魔笛のパティトゥアと、ミサブレービスと、イタリアアリア集・・・すごいラインだけど、一冊だけ鞄にいれたウィーン物の曲にあきたら、夢遊病とかを発声がわりに遊んでいる状態。早く楽譜きてくれ~!

さて、今日はボエーム行ってきました。プッチーニの最高傑作?だと思います。結論はとってもよかったけど、ほんとうによかったけど、数年前にドレスデンで聞いた黒人の人がミミをやっていたボエームのほうが感動した。あの人今どこでうたっているんだろう?絶対ブレークしてると思うんだけど。

それでも今日もとてもよかったです。配役みて驚かれると思いますが、主役の男性ロドルフォが、アジアの名前です。そしてもう一人、最近よくみるKaiさん。男性4人のうち半分がアジア人ってすごいです。でもどちらもまったく見劣りしない(立ち振る舞いや、ちょっとした立ち方、手の動かし方がアジア人を感じさせないのです)すばらしい内容でした。

また、ミミを歌った女性は、ここぞというところでとても美しく、後半のアリア「さようなら」の最後、うらみっこなしねという部分で、美しいピアニッシモを歌い、客席が拍手できない雰囲気をつくってしまいました。こういう空気は久しぶりです。
反対に4幕で、死んでいくミミの歌がとてもよかったので、マフを落として死んだとたんに拍手が出てしまいました。(かなり!)これはいくら歌がよくても、観ている方の気分はよくなかったです。そのまま静かに、緊張したまま次へ行かせてくれ~って思いましたもん。

今日はムゼッタもおもしろかったです。私が歌うとただ気が強いだけの女になりますが、お色気あり、そして恋人マルチェッロの気を引くための演技力あり、かわいいところもあり。最初のアリアでは、まるでマルチェッロの首元を羽でくすぐるかのような歌でした。(どんなんや?それくらい雰囲気よかったです)

それにしても、知らない歌手ばかり。私たちが留学していた頃の歌手はどこへいったのでしょうか?グルベローヴァはいまだに健在なのに、アライサは?リーマは?
時代が変わったのでしょうか、ちょっと寂しいです。

指揮Constantinos Carydis
詩人ロドルフォ Ho-yoon Chung
音楽家ショナール Eijiro Kai
画家マルチェッロ Markus Eiche
哲学者コリーネ In-Sung Sim
大家さん Alfred Sramek
お針子ミミ Sinéad Mulhern
ムゼッタ Jane Archibald
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テレビ番組

2007年10月16日 05時48分52秒 | Weblog
ケーブルテレビが入るようになって、あちこちの国のテレビが見られるようになったのは、先日書いたように思います。その中で気になる番組をいくつか紹介したいと思います。(今日は午後からインターネットつなぐのでつぶれたから、なんのネタもないのです)

まず、一番気になって今日試してみたのが、とあるクイズ番組。ドイツでもオーストリアでもやっているので、いろいろあるようです。出演者はひとり。おにいさんだったり、おねえさんだったり。クイズもいろいろ。「国の名前でAがつかない国はどこ?」「次のローマ字を組み合わせてできる単語は?」「○○水という単語は何がある?」などちょうど単語の勉強をするのにいいくらいの難しさなんです。で、お兄さんが言うんです「さあ、今かけてください。わかったらすぐ!今なら2000ユーロですよ!」って。で、わかった人は電話する。この電話が曲者で、1回0.7ユーロかかる。かけた上にいくつかの番号の線につながらないとスタジオには届かない。だから視聴者がかけた電話料金で番組は潤っているというわけ。当たれば100ユーロ~10000ユーロくらいまで。それにしてもなかなかかかってこないので今日試しにかけてみた。その瞬間「ざんね~ん、つながらなかったよ。でもこの電話は料金かかってますからね。」という録音。そういうことか…

日本の番組は、昔はアルプスの少女ハイジなんかがドイツ語吹き替えでやっていたけど(ミツバチハッチもあったなぁ)今はポケモンと、あと「タケシ城」?タケシ城をめざして、いろいろなゲームにいどむやつ。あれの再放送をドイツ人のナレーションを上からかぶせてやってます。城みちるがなつかしい。(何年前の番組やねん?)

それから「クイズミリオネアー」もオーストリア・ドイツ・フランスでやってます。それぞれ「みのさん」と同じ立場のおじさんのキャラが違っておもしろいけど、みのさんに勝っている人はいませんし、あれほど沈黙で引っ張る人もいません。

あと、面白いのが、「お隣さん」の番組。例えば、夫が死んで改築中の家がそのままで、子どもが小学生になったのに子ども部屋もなく、そして仕事もないので、困っている。なんて人の家にお世話おばさんが行って、家族の希望を聞き、1週間旅行に行かせる。その間に家を改築するというもの。日本のお宅改造と違うのは、家を片付ける・改築する・また使えるように物を元に戻す・これらを町中の中からお隣さんということでボランティを募り、徹底的に近所の力を借りてするところ。最後は「一人で誰も助けてくれなかった」と思っていた家族が、熱いご近所の友情を知り、涙々で終わるというもの。これ感動もんです。

この間見た「ラストサムライ」は次の日、他のドイツチャンネルでやっていたので、見逃した人は次の日に、って感じだし、昨日はある映画を2つのチャンネルで15分ずれてやっていた。途中トイレで逃してもチャンネル変えればOKだった。

フランスのテレビでは、毎日ファッションショーを扱っている番組もありました。(ちょうど今そういう時期なのかな?)

今までのソファからは見えにくいので、テレビ専用の椅子も配置につけました。寒いので(今夜は3度だ!)バケツのお湯に足入れて、コーヒーのみながらテレビ見てます。ああ極楽極楽。
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家のまわり

2007年10月14日 22時03分05秒 | Weblog
昨日はどよ~んとした曇りだった。そんな日は気もめいるけど、20枚くらいのシーツと枕カバーをアイロンかけながら、テレビでドイツ語吹き替えの「ラストサムライ」を観ていた。確かに、吉野の山に富士山やアルプスは見えないはずだよね~なんて思ったし、こんな風習ないのよね~とも思った。でも、作品としてはそれまでの日本の捉え方と違う、真摯な解釈に努めた感じがあふれていてよかったように思います。

さて、今日は日曜。まわりのお店は全部お休みです。とっても気持ちよく晴れているので、カメラをもって家のまわりを散歩しました。(といっても晴れていると寒いんです。気温12度です)

これが家。実際は反対側になるんですけど。出っ張った所がある建物です。下の赤いラインはつぶれたスーパー。左の下に葉っぱに覆われている所が、この前入ったワイン屋。


下は家の裏の教会。毎日この教会の鐘の音を聞きながら、朝寝をします。シューベルト教会といって、シューベルトが洗礼を受けた教会です。もちろんシューベルトの生家もすぐ近くにあります。(日曜の午後だから人がいないと思って行ったんですが、とても静かにお祈りしている人がいたので、中の写真はやめました。でもステキな教会でした。)



次は、家から3分の所にある、リヒテンシュタイン公国のお城です。お城というか、迎賓館というか、実際はなんなんだかよくわかりませんが、今は美術館になっています。お庭もあります。








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長電話

2007年10月14日 00時24分17秒 | Weblog
11月にウィーンに来るうまちゃんが、新しくスカイプできるようになったので、今日はいきなり2時間も長電話ならぬ長スカイプして旅行計画を話し合ってしまいました。本当にこれが無料なのか?信じられないですけど、本当です。ヘッドフォンをヨドバシなら980円で買って、あとはパソコンにダウンロードするだけ。ほんとうにすごい時代になりました。でもまあ、スカイプしなくても、光電話なら日本からオーストリア1分25円くらいなので、昔の6秒ごとにチャリ~ンチャリ~ンとコインが落ちていくのを思えば天国です。

で、長話をしすぎて、今日の「オテロ」も逃しました。今すぐ出かければ余裕で立ち見に間に合うんだけど、まあ、来週もう一回あるからいいか。オテロは昔ドミンゴとリッチャレッリというすごいペアで聞いてしまった印象が強いので、見ても大丈夫かなぁって気持ちがあって、ちょっとしり込みぎみ。今日は雑用をすませます。でも今度は行きますね。

さて、いろいろまとまっていく中で、自慢したいのがフランス旅行の宿の値段。これがすごく安くすみそうです。全部インターネットで調べて予約したのですが、例えば比較にガイドブックに掲載されている高級ホテルの値段は、二人で150ユーロからです(もちろん1泊700=15万なんてのもざらにある)。エコノミーでも二人で95以上。なのに、まずミュンヘンのユースが17ユーロ。ディジョンの駅前ホテルが一人30.あのパリが一人22.5。帰りのザルツブルグが40です。これって脅威の値段だと思います。反対に電車をちょっと高いけどユーレイルセーバーセレクトパスというのにして、オーストリア・ドイツ・フランスの1等車に乗り放題にしました。これで、心配なくあっちこっちいけそうです。(帰りにパリからいきなりザルツブルグまで乗るので、これだけで元取れそうです)

ウィーンではワイン・オペラ・クリスマス市・カフェとケーキ・そしてもちろん観光と満載で、その隙間にできればハンガリーと私も欲張るものだから、日程がうまく組めません。まだまだ長スカイプをしないといけなさそうです。

それ以後も日帰り旅行とかはすると思うけど、大きな旅行はこれで最後になるので、そしてパリは初めてなので(新婚旅行で行こうと、とっておいたけどあきらめたから行ってきます。)気合入ってます!
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りりちゃん

2007年10月13日 00時25分22秒 | Weblog
今、目覚ましがないので、朝起きれるかどうか心配しながら寝たら、何度も目が覚めてあまりよく眠れませんでしたが、ちゃんと8時半におきました。(立ち見に行くと疲れるのでほおっておくと10時だったりする)

約束の時間は11時。それまでにシャワーして、朝ごはん食べて、ほんの少しのお土産と、借りていた漫画、昨日焼いたプリンなどを持ってりりあちゃんのお母さんの家に出かけました。

お昼はお約束の散らし寿司にこちらのスモークサーモンをのせ、味噌汁を作ってくれたのでそれも一緒にいただきました。そして!なによりももう一人よっちゃんがアジの開きを持ってきてくれたので1匹焼いて3人で食べました。まだ日本食恋しいところまで行かないのですが、やっぱり日本食はおいしいです!おいしい昼ごはんとなりました。


で、写真はお友達の赤ちゃん「李梨亜(りりあ)」ちゃん。生後8ヶ月です。念のために書いておきますが、とってもステキなオーストリアパパとのハーフです。そして念のために書いておきますが女の子です。(めっちゃ和風でしょう!これがまたかわいいですわ。)

3人でご飯食べながら、いろいろ話はあっちにとび~こっちにとび~してあっという間の5時間。よっちゃんは小学校に子どものお迎えに、りりあちゃんとおかあさん、そしてパパは、今晩からザルツブルグの親戚の家にいくとのことで、冷蔵庫のほうれん草とキャベツをもらって帰ってきました。そして20冊の単行本とマンガも!ありがたいありがたい。これでガイドブック以外の物が読める。

ということで、今日はボエームをお休みして(ドヴォルフスキーなんだけど)家にこもって漫画読ませていただきます。
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フォルクスオパー「こうもり」11.10.2007

2007年10月12日 07時04分47秒 | Weblog
また行ってしまいました。これから年末にかけて、いったい何回「こうもり」観るんだろうと思います。

例えば今日は、先日「魔笛」でパパゲーナをした人が、次の日に「マリッツァ」で妹役(かなりハードな役です)をして、そして今日、イーダ役で出ています。これができないとこっちでは食べていけないんですよね。私みたいに、3年に1回しかリサイタルしないような状態ではいけない。毎日なんかの役で舞台に立っている。またそれができる国である。というのはどっちにしてもうらやましい限りです。

で、役者さんたちとっても慣れているので、毎回少しずつ違うことをなさる。または、誰かがセリフを飛ばしてしまったりしても、誰かがカバーしている。そういうのが、数回観ているとわかります。初めての人は、だれも気がつかない。

こっちの舞台って、舞台の一番前に箱があって、そこに人が入っているでしょう。今日はなぜかファルケ役の人にずっと立ち位置の指示が出ていました。(時々手が見える)この前もやっていた人なんだけど、(そういえばこの前も指示はこの人に出ていた)もしかしたら今年からこの役?かもしれませんね。今日はそういう余計なことばかり観てしまいました。

その上、聞こえるけどわからない単語や文章を、上演中にカバンから手帳をだしてメモったりしてしまいました。上の階はすいているので、今日も立ち見なのに一番後ろに一人で座っていました。あばれても誰も気づきません。

オペラから帰ってきて、種だけ作っておいたハンバーグを焼き、ご飯を炊いて(ジャーがある)その間にプリンの種を作り、ご飯の間にプリンを焼き(オーブンもある・使い方はわからなかったが、適当にそのへんさわったら動いた)そして、まだ12時前。なんとありがたいことか!明日はそのプリンを持って友達と4人でお昼ご飯。3人衆さんが残してくれた、必殺「京風ちらし寿司の元」で久しぶりの再会を楽しもうという計画です。

ロザリンデElisabeth Flechl
アデーレNatalie Karl
イーダJohanna Arrouas
オルロフスキーAnnely Peebo
アイゼンシュタインThomas Sigwald
ファルケDaniel Schmutzhard
アルフレッドPavel Cernoch
イワンHeinz Fitzka
フランクCarlo Hartmann
フロッシュGerhard Ernst
ブリントChristian Drescher
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国立歌劇場「マノンレスコー」10.10.2007

2007年10月11日 06時35分44秒 | Weblog
昨日のシュトゥルムは本当にきつかったです。今朝は完全二日酔いで起きました。でも午後からは練習しましたよ。自慢でもなんでもないですが、6月の発表会以降は全然歌えなかったので、こっちにきてリハビリからと思っていますが、やっと最近1時間~1時間半身体と気力が持つようになりました。それでもまだ高音は出してなく、中音域で響きだけを探しています。

さて、マノンレスコーを観て来ました。今日はなんと感想を書こうかとても迷っています。このオペラ、音楽だけでも充分ステキですね。目をつむって聞いていても酔えるオペラです。(というか、目をつむって聞いていた)

歌手も、最初テノールの人がどうかな?っと心配だったのですが、すぐにアンサンブルも良くなり、どんどん後半盛り上がっていくのがわかりました。マノン役の人もピアニッシモがとても美しく、しかも高音が魅力的な女性で、とてもすばらしかったし、オーケストラの部分だけでもしんみり聞き入ってしまう部分が多々ありました。

で、舞台なんです。舞台そのものはとっても面白かったんです。いきなり、ディアモールか、はたまた阪急百貨店のグランドビル側のディスプレーか?というくらい、舞台の奥にウィンドーがあり、そこにマネキンが赤や黒のドレスを着ている。
次の幕では、そのウィンドーが窓になり、窓の外の景色が見える。一瞬にして、地上1階から、高級ホテルの最上階みたいになってしまった。こういう仕掛けは大好きで、だから舞台そのものは悪くないんです。おもしろいんです。

なのに、最初からどうしてもしっくりこない。目をつむって聞いてしまいたくなる。最後まで「どうしてなんだろう」と、考えながら聞いてしまいました。

いくつか原因はあって、まず、このプッチーニのふくよかな音楽と、乾いた面白さを持つ舞台のミスマッチだと思った。オケが、どうだ~、これでもか~、かわいそうだぞ~って泣いているのに、舞台は乾いているんです。(この表現で通じるかなぁ)

もちろん時代が現代に近いものになっているので、囲われたマノンの生活は、カメラマンやテレビが取材にくるような生活。そしてまるで雑誌ボーグにでも出てくるような服装。目に映っている絵は悪くないんです。面白いんですよ。でも聞こえてくる音楽と私の中でマッチしない。で、しかたなく目をつむって聞いていると、昔見た古い時代のマノンレスコーの舞台が見えてくる。もうどうしようもなかったです。

娼婦たちと一緒に、港で呼ばれて並ばされるシーンは、手錠に最新ファッション、カメラマンたちのフラッシュを浴びてという解釈だった。これも目はとてもよろこんでいたんだけど、音楽聴きだすとおかしい感じがするし、確か最後はアメリカに飛んで、ひもじくて死ぬんだよねと思っていたんですが、最初のショーウィンドーに戻ってきてしまいました。

時々手元の対訳を読むんですが、「お願い、水を探してきて~」とマノンが死ぬ前に言うのですが、これは昔々まだアメリカに何もないときに、荒野の中で言うから聞こえるセリフなのになぁ~って。たぶんそのちょっとした言葉も、今回の舞台には違和感があったのだと思います。

どっちもパーツとしてはとてもよかったのに、あわせると消しあっている感じがして残念でした。この前の「天国と地獄」は現代にしてパワーアップしたいい例だったのですが、今回は昔のほうがよかったなぁというのが私の感想。(これでまとめてしまいたくないなぁと思うのですが、これでまとまってしまいますね。)

ウィーン国立歌劇場にはHPもあり、今日のマノンレスコーなどほぼすべての作品をビデオで一部見ることができます。今日の舞台に興味のある方は、

ここをクリック

ウィーン国立歌劇場のHPです。写真の下のVideobeispiel という文字をクリックすれば、パソコンによっては見ることができます。有名なアリアも少し入っていますよ。

指揮Miguel Gomez-Martinez
マノンレスコー Daniela Dessi
レスコー(マノンの兄)Eijiro Kai
デグリューFabio Armiliato


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シルヒァーシュトゥルム飲みました

2007年10月10日 06時30分13秒 | Weblog
今、めっちゃ酔っ払ってます。誤字脱字はご容赦を。

さて、オペラの後、思いっきり勇気を出して、(実はこの1週間毎日、下の居酒屋に入るかどうか迷っていた)ドアを開けてみました。

今日はひげのおじいさんではなく、銀髪のおばさんでした。中にはおばさんのボディーガードというひなびたおじさんと、普通のおじさん、そのおじさんが相手をしていた片言の英語しか話せない酔っ払いのロシア人がいました。

お店に入り、丁寧に「シ・シルヒァーのシュトゥルムをいただけないでしょうか・か・か?」と、つっかえながらもなんとか言いましたら、グラスに赤い発砲ワインをついでくれました。シルヒァーはオーストリアの中部シュタイヤーマルク州にしかない品種なので、とてもめずらしいのです。それの発酵途中を飲める機会はままありません。赤よりはほんのすこしルビーに近い色の発酵中ワインを眺めながら、おばさんに言いました。「1週間ずっと入ろうかどうしようか迷ってたの。」おばさんはいいました。「ワイン?それとも店?」「もちろん店の雰囲気」「1杯飲めば慣れるわよ」

1杯で帰ろうと思ったんですが、引き止められてしまい、2杯目はお近づきの印におばさんのおごりになってしまって、で、2杯飲んで帰ってきました。シュトゥルムは発酵しているだけに回るのが早くて、すでにべろべろです。危ない危ない。となりのロシア人なんかシュトゥルム飲む前にウォッカ飲んでましたから、グラスひっくりかえしてました。

おばさんに「日本人は私が最初?」と聞いたら、「いやいや近くに指揮者の男の人がいるでしょう、その人が最初。」「あら、私その人の家に住んでいるだけど。」
「あら~そ~なの~あの人すてきなのよ~」とおばさんはとっても喜んでいました。で、おごってもらったというわけ。師匠ごちそうさま。

最後は、抱き合ってキスまでしてもらって帰ってきました。家の下なので30秒で帰宅できるのも、Goodです。一人で酒屋に入るのは初めてだったので?本当に勇気がいりましたが、おいしかったですぅ~!おやすみなさい。
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フォルクスオパー「伯爵令嬢マリッツァ」9.10.2007

2007年10月10日 06時16分24秒 | Weblog
またマリッツァを見てきました。前回と主役の二人が違っていました。テノールの人は、名前を知っていたので、昔からフォルクスに出ていた人だと思いますが、今日はとってもステキでした。この作品はあまり良く知らないので、今日初めてみたようなシーンもあり、まだまだ機会があれば見に行かないと!と思います。

マリッツァTünde Frankó
リーザJohanna Arrouas
ボツェナManjaSulie Girardi
ポプレスクándor Németh
リーベンベルクMarko Kathol
タシロSebastian Reinthaller
ペニチェックGerhard Ernst
チェコWalter Jenewein
ベルコHarald Huemer
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フォルクスオパー「魔笛」8.9.2007

2007年10月09日 05時33分06秒 | Weblog
やっぱり私の知らない新しい演出でした。前は子ども向きかわいい魔笛だったのですが、今回はかなり大人向きでした。だからといって、うさんくさい宗教色をだしているのとは違い、青や緑の照明を基本にしたステキな魔笛に仕上がっていました。

今回の配役の中では、パミーナがとてもよかったです。モーツァルトをレガートに歌うのは至難の業。なのにとても美しいレガートができる歌手で、パーフェクトに近いのではないか?と思うくらいよかったです。ただし、外国の人のようで、ドイツ語が母国語でないのはわかってしまいました。

また、全体的に言葉を音楽の中でも大切に表現する方向にあるのでしょうか。以前に比べてモーツァルトなのに言葉を言う為に時間を取っている歌手が多かったです。(もちろんテンポはそのまま)特に夜の女王の最初のアリアのゆっくりな部分は、びっくりするくらい一言一言大切に発音し、まるで演歌の泣きを聞いているようでした。この女王が杖ついて老婆を演じながらタミーノを口説き落とすところなんか「おかーちゃんかわいそうなんや」と思ってしまったくらいよかったです。

もちろん部分的に歌の歌詞にうまくあわない部分(演出や舞台)もあったのですが、がまんできる範囲でした。例えばパパゲーノが「この木で首をつって」みたいなことを言っているのに、木がなくって、上からロープだけが降りてくるみたいな。

3幕最後の合唱場面で、初めて合唱がそれまでの衣裳を脱ぎ去り、全員白い衣裳で出てきました。その時に着物を着ている女性あり。そうなんです。全員白なんですが、インドの衣裳あり、オランダの衣裳あり、イスラム系の衣裳ありといろいろなんです。全世界の衣裳を白で統一した。ここに来て初めて、うん?ザラストロとその人々をどう解釈したのかな?って考えてしまいました。それまであまりよくわからなかったから。ドイツ語全部わかっていたら理解してたのかな?(このへんいつも難しいんですよね。)

魔笛は眠い。が私の今までの感想なんですが、全然眠くないあっという間の3時間でした。

魔笛は、今までにパミーナをセリフも含め全曲、3人の侍女を、歌とセリフを一部勉強したことがあるので、聞いていても「また歌いたいなぁ」と思ってしまいます。でも今回は、オペラはいつか役立つ栄養素みたいな、グリコのおまけみたいな感じに捕らえているので、深入りしないようにしようと思います。こうもりなんか、観るたびに楽譜買いにいきたくなります。危ない危ない。他に見る曲あるやろう!って言い聞かせてます。


演出 Helmuth Lohner
舞台美術 Johan Engels
衣裳Marie-Jeanne Lecca

指揮 Klaus Sallmann
夜の女王 Ekaterina Lekhina
パミーナ Jennifer O´Loughlin
1の侍女 Edith Lienbacher
2の侍女 Adrineh Simonian
3の侍女 Andrea Bönig
パパゲーナJohanna Arrouas
ザラストロWalter Fink
タミーノ Jörg Schneider
弁士   Lars Woldt
第2の僧侶 Thomas Sigwald
童子   Wiener Sängerknaben
パパゲーノMathias Hausmann
モノスタトス Christian Drescher
門番の人(日本語でなんていう役だっけ?)Mehrzad Montazeri
門番の人  arl Huml

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テレビ「プラターにまた花が咲く」

2007年10月08日 00時22分59秒 | Weblog
昨日今日と、ほとんど家から出ずにいるのですが、それでもテレビで充分ウィーンが学べてしまいます。

思っている以上に昔の映画の放送が多いのです。ちょうど白黒~カラーに変わるか変わらないかの時代です。

先週は、大好きなイタリア白黒映画「ドン・カミッロ」シリーズをやっていました。これはあるめっちゃおもろい神父さんのお話なんですが、面白いのに泣ける。
短いこの期間にまた見る機会があって本当にうれしかったです。

昨日は、大好きなウィーンの俳優さんハンス・モーザーが出ている映画でした。主役ではありませんでしたが、その陽気なキャラクターを存分にだしていました。彼のよたったウィーン訛りが大好きです。

そして今日は、「プラターにまた花が咲く」という有名なウィーン歌曲のタイトルがつく映画でした。お話はウィーンが舞台の、ペーター・フェルディナント公と、高官の娘の恋物語ですが、舞台の絵の中に、プラターの春、ルストというプラターの奥にあるカフェにたくさんの人が(ドレスにつばの広い帽子で!)コーヒータイムを楽しんでいる様子(私が行ったときには閉まっていた)、ホテルザッハーの当時の様子や、ホイリゲの様子などが描かれています。

その昔、コンセルバトリウムのリートの授業で先生が、「この歌はこの絵を見るといいよ」と、なんかの詩集の絵を見せてくれたりしていました。その時はなんでその絵を見るといいのかよくわかりませんでしたが、今は、こういう映画や、美術館の絵で、その時代を知るのにとってもいいということがよくわかります。

その上、そのテーマソングが私の歌いたいウィーン歌曲なんですから、いうことはありません。そして映画そのものの音楽も作曲家のシュトルツ自身が手がけています。(映画は歌詞なしで音楽だけでしたが、もしかしたら歌より映画が先かもしれませんね)

で、日本ではウィーン映画といえば「第三の男」だけなんですよね。他にももっといい映画がたくさんあるのに、放送してくれない。そのぶんたくさん見て帰ります。


あらすじ(ORFのテレビプログラムから抜粋)(いつか訳します)
IM PRATER BLÜH'N WIEDER DIE BÄUMEAuf dem Weg ins Hotel Sacher verliebt sich Erzherzog Peter Ferdinand in die junge Hofratstochter Lixie. Diese aber hat nur den Klavierlehrer Toni im Kopf. Durch die Bekanntschaft zum Erzherzog erhofft sich Lixie die lang ersehnte Protektion, um Toni eine Stelle an der Hofoper zu verschaffen. Der gemeinsame Abend mit Peter Ferdinand im Separee entwickelt sich jedoch zu einem handfesten Skandal.

Johanna Matz (Lixie)
Gerhard Riedmann (Peter Ferdinand)
Theo Lingen (Schindler)
Marte Harell (Fr. Sacher)
Nina Sandt (Mizzie)

Regie Hans Wolff
Drehbuch Juliane Kay
Kamera Willi Sohm
Musik Robert Stolz
Story Rudolf Österreicher  ・ Siegfried Geyer
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今日のたいちくん

2007年10月07日 23時00分43秒 | Weblog
もちろん日本にいるんですけど…これを楽しみにしている方も多いので。

この10月から保育園を変りました。会社から近いでも家から遠い保育園から、家から近いでも会社から遠い保育園になりました。久しぶりに見るけど、やっぱりおとこまえやわ!(おばばかです。すみません。)
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今日の買い物

2007年10月07日 02時09分10秒 | Weblog
土曜日は午前中だけ練習しようと計画しているのですが、今日はさぼってしまいました。(やっぱり夜立ち見に行くと疲れる)

さて、今日は土曜なので、明日の分も含めて買い物をしました。土曜は午前中だけだと思っていたのですが、多くのスーパーが今は土曜の午後もあいているようです。

買ったのは左奥からソーダ水・ミネラスウォーター・ブロッコリー
真ん中が、ジャガイモと玉ねぎ
右奥からペパーミント茶・バター・ニュルンベルクソーセージ

しめて9.18ユーロ。これを900円と考えると安い。160円×で考えると高いまたは日本と同じになってしまう。それにしてもこれより少ないジャガイモや玉ねぎはないのか!

ブロッコリーやカリフラワーは何年か前からありましたが、その頃は買いたくないくらい悪かった。でも今は購買意欲が出るくらいきれいな野菜が出ています。

この材料で昼はソーセージとジャガイモ。あとスープの残り。
おやつにパラチンケン(クレープが分厚くなってるようなもの)を自分で作って食べた。ジャムをかけるより、粉砂糖だけのほうがおいしかった。

次は同じく粉モンのカイザーシュマーレン(皇帝のパンケーキ)に挑戦したい!
ウィーンに来てまで粉モンか?と思うけど、実はウィーンもいろいろおいしい粉モンがある。少し(食べるだけでなく作るほうも)チャレンジしてみようと思います。
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フォルクスオパー「こうもり」5.10.2007

2007年10月06日 06時03分30秒 | Weblog
今朝、7時に起きて、8時にフォルクスオパーの窓口に並びました。こっちのほうが、国立チケット売り場よりすいていると思ったのですが、みんな考えることは同じで、ほとんどの人が11月5日のピクダム(小澤征爾)ねらいでした。

私は10番目でしたので、希望のバルコン一番はしっこ1列目はダメ。しかたがないので、バルコンはしっこの2列目を奮発して29ユーロで買いました。ここが見える席だったかどうかは、座ったことがないので、行ってみてのお楽しみです。

今日は、フォルクスオパーでまた「こうもり」を見てきました。立ち見1.5ユーロです。前回とは役者さんが違うので、少しずつ雰囲気も違いました。特にフロッシュ役の人が、前回は歌手、今回は役者さんなので、今回はすごいウィーン訛りだったので、セリフは全滅。見てわかるものしか笑えませんでした。

それにしても、なんで毎回同じことが起こるのがわかっていて笑っちゃうんでしょう?まあ、吉本みて育った私ですから、子どもの頃、岡八郎や船場太郎の同じギャグに毎回大笑いしていたことを考えると、そんなものか…と思います。

それにしても、フォルクスオパーから、行きは登りなので10分、帰りはくだりで徒歩8分の、この家の立地に感謝です。6時に家でご飯食べていても間に合うのですから。

舞台音楽演出 Heinz Zednik
指揮 Michael Tomaschek
ロザリンデ Elisabeth Flechl
アデーレ Natalie Karl
イーダ Johanna Arrouas
オルロフスキー Annely Peebo
アイゼンシュタイン Thomas Sigwald
ファルケ Daniel Schmutzhard
アルフレッド Pavel Cernoch
イワン Stefan Tanzer
フランク Carlo Hartmann
フロッシュ Gerhard Ernst
ブリント Christian Drescher
コメント
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