Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

フォルクスオパー「魔笛」8.9.2007

2007年10月09日 05時33分06秒 | Weblog
やっぱり私の知らない新しい演出でした。前は子ども向きかわいい魔笛だったのですが、今回はかなり大人向きでした。だからといって、うさんくさい宗教色をだしているのとは違い、青や緑の照明を基本にしたステキな魔笛に仕上がっていました。

今回の配役の中では、パミーナがとてもよかったです。モーツァルトをレガートに歌うのは至難の業。なのにとても美しいレガートができる歌手で、パーフェクトに近いのではないか?と思うくらいよかったです。ただし、外国の人のようで、ドイツ語が母国語でないのはわかってしまいました。

また、全体的に言葉を音楽の中でも大切に表現する方向にあるのでしょうか。以前に比べてモーツァルトなのに言葉を言う為に時間を取っている歌手が多かったです。(もちろんテンポはそのまま)特に夜の女王の最初のアリアのゆっくりな部分は、びっくりするくらい一言一言大切に発音し、まるで演歌の泣きを聞いているようでした。この女王が杖ついて老婆を演じながらタミーノを口説き落とすところなんか「おかーちゃんかわいそうなんや」と思ってしまったくらいよかったです。

もちろん部分的に歌の歌詞にうまくあわない部分(演出や舞台)もあったのですが、がまんできる範囲でした。例えばパパゲーノが「この木で首をつって」みたいなことを言っているのに、木がなくって、上からロープだけが降りてくるみたいな。

3幕最後の合唱場面で、初めて合唱がそれまでの衣裳を脱ぎ去り、全員白い衣裳で出てきました。その時に着物を着ている女性あり。そうなんです。全員白なんですが、インドの衣裳あり、オランダの衣裳あり、イスラム系の衣裳ありといろいろなんです。全世界の衣裳を白で統一した。ここに来て初めて、うん?ザラストロとその人々をどう解釈したのかな?って考えてしまいました。それまであまりよくわからなかったから。ドイツ語全部わかっていたら理解してたのかな?(このへんいつも難しいんですよね。)

魔笛は眠い。が私の今までの感想なんですが、全然眠くないあっという間の3時間でした。

魔笛は、今までにパミーナをセリフも含め全曲、3人の侍女を、歌とセリフを一部勉強したことがあるので、聞いていても「また歌いたいなぁ」と思ってしまいます。でも今回は、オペラはいつか役立つ栄養素みたいな、グリコのおまけみたいな感じに捕らえているので、深入りしないようにしようと思います。こうもりなんか、観るたびに楽譜買いにいきたくなります。危ない危ない。他に見る曲あるやろう!って言い聞かせてます。


演出 Helmuth Lohner
舞台美術 Johan Engels
衣裳Marie-Jeanne Lecca

指揮 Klaus Sallmann
夜の女王 Ekaterina Lekhina
パミーナ Jennifer O´Loughlin
1の侍女 Edith Lienbacher
2の侍女 Adrineh Simonian
3の侍女 Andrea Bönig
パパゲーナJohanna Arrouas
ザラストロWalter Fink
タミーノ Jörg Schneider
弁士   Lars Woldt
第2の僧侶 Thomas Sigwald
童子   Wiener Sängerknaben
パパゲーノMathias Hausmann
モノスタトス Christian Drescher
門番の人(日本語でなんていう役だっけ?)Mehrzad Montazeri
門番の人  arl Huml

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