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ダンジーブログ

緩和外科

2006-08-22 | 医療・病気・いのち
 癌の方に手術をすると言えば、癌を取るんだろうと思われることでしょうが、そうでないこともあります。癌自体はとても切除できない状態でも、症状を取るために手術を行うことがあるのです。進行癌、末期癌の方の症状を緩和するための外科治療と言うことで、緩和外科という言葉を使う人もいます。

 消化器外科の場合多いのは、消化管の通過障害に対する手術です。消化管は、口からおしりの穴まで、一本の通り道。途中で堰き止められたら、逃げ道や抜け道を造る必要がでてきます。例を二つあげます。

 膵頭部癌が十二指腸に浸潤して、十二指腸が閉塞してしまい食事が通らなくなった場合、十二指腸をバイパスして胃と小腸をつないで、もう一度食事が食べられるようにすることがあります。

 直腸癌が周りの臓器まで浸潤してしまい、とても取りきれない状況で、便もつまってしまった場合など、癌自体はそのままにして、直腸より上流の結腸をお腹の皮膚まで持ち上げ、人工肛門を作ることがあります。

 以上のような手術を行うかどうかの判断はなかなか難しいこともあります。決断を迫られる状況というのは、患者さん自身の体力も落ちつつある時であり、予後がどれくらいかというのもある程度推測しないといけないし。

 でも当然、手術をするかしないかは、本人と十分相談して本人の意向に添っていくというのが、ケアのそして医療の基本であることは変わりありません。

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