Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

専門家

2010-06-10 | 想い・雑感
どんなに多くの死を見つめてきた
死の専門家と呼ばれる人も
それはあくまで
「他人」の死の専門家であって

自分自身の死については
素人だ

たった一回しか経験できないことの
専門家になれるはずがない


何もしないわけではありませんが

2010-06-10 | 想い・雑感
「ありません・・・」

囲碁などで
もう打つ手がなく
途中でもう勝ちようがなさそうだと
負けを認め投了するとき
このように言うのを聞いたことがある

勝負の世界だから
勝ちがあり 負けがある
まあ致し方ないですね

勝負しているわけではないけど
時にわたしも ・・・ありません・・・
という意味のことを言わざるを得ないときがある
癌自体の治癒や制御ができなくなったときである

提供する医療とすれば
まだまだ手は有るのだが
がんを治せない
という内容を本人に告げるのは
婉曲表現でもつらい


「様々な抗がん剤を組み合わせて治療してきて
何度も小さくなりかけましたが
再び勢いを増し
今回の勢いを押しとどめる治療が難しくなりました」

「じゃあ 次は何をしますか?
何もしないんですか?」

「・・・」

この・・・の部分は
その状況によって
様々な言葉が並んでくるし
その部分は
病状の進行と共に
変化していく

べつに
あなたも私も
負けたわけではないのにね
死 を相手に勝負できるわけないのにね

時の速さ

2010-06-10 | 想い・雑感
夕方
標高4,500mの高台にバイクで上がり
小さな公園のベンチに寝そべる

夕暮れには少し間があり
空の底が抜けているような青空

鳥のさえずりが 時には叫びのような声が
聞こえてくる

しばしぼんやりして時計を見ると
2,30分経ったと思っていたのに
9分しか経っていない

身をおいた状況で
こんなにも時の流れ方が変わるのだろうか


ふと
兵士のことを思う

行軍の途中に体を休め 澄んだ青空を見上げたとき
戦争という日常を離れ
止まったようなひと時を感じたりするのだろうか
そうなら
そのとき何を思うのだろうか