あなた、ごめんなさい

過去最大規模の大型補正予算案が提出される。
わたしは何の恩恵も受けない。
子孫に大きな付けを残し、消費税が上がることになったら踏んだり蹴ったりだ。
高速道路が千円になっても、遠出は公共交通機関を利用するし、車は昨年買い替えたばかりだし。

かつて世界一の借金王だと大見得を切った総理がいたけれど、こんなこと自慢することではないのに。


ちかごろ、相次いで亡くなった夫や母のことをしみじみ思い出すことがある。

突然旅先で倒れるような病気になっていたのなら、もう少し優しい言葉をかけていればよかった。
普通に暮らしていたので、きっとわたしはわがままもいやなことも言っていたと思う。
もっと暖かく、気配りしていたらこんなことにならなかったのではないか。
まさか突然倒れるなんて思わなかったから、わたしの注意が足りなかったのではと悔やむことばかり。
本当にごめんなさい。

母にもかわいがってもらったのに、当たり前のこととして、ありがとうも言わないでしまった。

いまさら悔いてみても後の祭りだけれど、この辛い気持ちは何時までも消えることはないだろう。
きっと自分がこの世を去るまで。