私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

映画「光」

2017-07-19 15:46:19 | 日記

July 19, 2017

相変わらず暑いが、今日は風がある分過ごしやすい。連日冷房の中でパソコンに向き合う生活は、精神衛生上よくない。「アルテリア・シネマ」で映画を観てきた。カンヌ国際映画祭で、「エキュメニカル審査員賞」を受賞した、川瀬直美監督の最新作・「光」だ。あらすじをパンフから紹介すると、「視覚障害者が映画を楽しむための音声ガイドの製作に従事する美佐子は、視力を失いつつあるカメラマン雅哉と出会う。彼女のつくったガイドをぶっきらぼうにけなす雅哉に反発する美佐子だが、かつて彼の取った夕日の写真に心を奪われる。」とある。生きることに悩みを抱える女性と、光を失いつつある天才カメラマンとのラブ・ストーリーであるが、美しい映像を背景にくりひろげられる物語は、なかなか複雑で、重いものだった。美佐子を演じている女優、水崎綾女の表情が印象に残った。

私が点訳のボランテイアをはじめてから10年ほどになる。その過程で、私自身が白内障の手術の失敗などがあり、右目がほとんど使いものにならなくなっている。それでも日常生活に不便はないので、点訳は続けている。点訳を始めた頃には考えもしなかったことだが、視覚障害者という言葉が少し身近に感じてはいる。そんな私の抱えている小さな悩みも含めてぜひみたいと思っていた映画だった。現代は、視覚障害者のための新しい機器がどんどん改革されている。あまり深入りしたくなかったので、今まで、盲学校の見学とか点字図書館への出入りなどは避けてきたが、映画を通して知らなかったことを学ぶこともできた。最終的に、この映画で監督が描こうとしたものが何なのかをつかみ取ることはできなかったが、 目が見えるとか見えないとかではない、心の中に光を持ち続けて行くことが生きることなのだと思った。

「アルテリオ・シネマ」では、作品によっては、目の不自由な方のための音声ガイドを、FMラジオレンタルを予約して聞くことができる。これまでもこういった案内はされていたが、映画「光」によって、改めて意識することができた。

画像は、妹のメールから、庭でとれたほうずきを加工したものだという。