グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

森と海

2013年11月07日 | 火山・ジオパーク
店の仕事が14時ごろまでかかり、予定していた午後のボランティアに行きそびれました。
で、ツアーで時々訪れていた場所が安全かどうかを確認してきました。

石の反り橋(泉津地区)
森の中にひっそり存在する溶岩の橋が、今回の台風で崩れているのではないかと気になっていました。
…無事でした!

結構切り立った地形なのに倒木が引っかかることもなく、変わらぬ姿を見ることができました。
 
波治加麻神社(泉津地区)
「お社の背後の切り立った沢が、崩れているのでは?」と気になっていました。
お社の周りは特に変化はありませんでしたが、参道の杉が数本倒れていました。

根元から倒れているものもあれば…

幹の途中から折れているものもありました。


倒れた木の、根の長さは1mぐらいでした。

これだけで、高さ20mぐらいありそうな幹を支えているとは…
大島の杉って、根が浅いのですね。

笠松(泉津地区)
およそ460年前(?)海に注いだ比較的新しい溶岩の海岸は特に変化はないだろうと思っていました。
短時間見た限りでは、何も変化はありませんでした。


美味しそうなマルバアキグミの実が、たわわに実っていました。

こういう景色を見るとホッとします。

薬師堂(元町地区)
途中の道が崩れているかも?と思いましたが大丈夫でした。
火山灰の中に縦横無尽に太い根をはるスダジイの姿に見とれました。

そして根の浅い杉の木が、倒れていたのを思い出しました。

スダジイは昔から大島に自生していた木。
杉は植林された木です。

今回は様々な場所で、杉の木の倒木が目につきました。

(写真は数日前の溶岩導流堤)

「火山島の歴史の中で生きて来たこの木だったら、もしかしたら泥流の中でも頑張れたのでは?」

そんなことを想像してしまうほど、堂々とした姿でした。

弘法浜(元町地区)
歩いてみて、あまりの変わりように驚きました。(台風後、はじめて行きました)

プールのフェンスを突き破った土砂流は、海まで注いでいました。

山の上で見たときは、道路上に流れているのは“砂粒サイズの火山灰”だと思っていましたが、海岸の砂の上に流れているのは、もっとずっと泥っぽい質のものでした。

港の水中には土砂が沈殿し、除去するには数ヶ月かかるだろうと言われ、漁業への影響も心配されています。

膨大な量の倒木。

重機が入って少しずつ片付けが始まっているようでした。
青かった海は泥で茶色くなり、その茶色い水がチューブを巻いています。

でも…夕日は変わらず周囲を美しい色に染め、沈んでいきました。

明日はまた今日とは違う1日がはじまります。

(カナ)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする