展覧会二日目の19日、信じられないお客さまをお迎えしました。
サグラダファミリア専任彫刻家、外尾悦郎さんです!
ご連絡をいただいて、職員室は大パニック!
約束どおり、11時ごろにお見えになり、
まずは校長、副校長と記念撮影。
体育館にご案内して「天才」図工の先生の解説で
作品をご覧になりました。
タカゴダファミリアを見上げる外尾さん。
夢のような、信じられない光景です・・・・・・・。
ちょうどその時体育館では2年生の子どもたちによる
「展覧会の音楽」の演奏が始まりました。
外尾さんはだれよりも大きな拍手を贈ってくださったそうです。
この演奏で子どもたちが使っていたトーンチャイムに、
大きな関心を示されました。
「サグラダファミリアで鳴らしたいのはこの音なんです。」
本当は、作品のそばで子どもたちとの対面を、と考えていたのですが、
あまりに来場者が多く、落ち着いてお話をうかがうのは難しい状況。
そこで音楽室に5・6年生の子どもたちを集めました。
外尾さんが音楽室に入ってこられると、子どもたちは、
「・・・・・・・・・・・?!」
「さて、この方はどなたでしょう?」
「・・・・外尾さん?」
「そう、サグラダファミリア専任彫刻家の、外尾悦郎さんです♪」
驚いて声も出ない子、「きゃ~!」と声をあげる子、
反応はさまざまですがとにかくみんなびっくり!」
スペインに暮らして気づいたこと、
なぜ、サグラダファミリアで働くことになったのか、
ガウディが職人さんをやる気にさせる天才だったこと、
ガウディと同じ方向を見ようとしながらお仕事なさっていることなど、
外尾さんは子どもたちに心をこめてお話してくださいました。
子どもたちは、今まで見たこともないような真剣な表情で、
外尾さんのお話に聞き入っていました。
「世界にはさまざまな人種がいて、さまざまな人たちがいて。
だから日本人と同じように考える人ばかりではない。
それはとても大切なこと」
「同じ人は絶対生まれてこない。
過去も未来も、君と同じ人はいない。
世界で唯一というより、宇宙で唯一の存在。」
「いろんなことをした人ほど、いろんなことが勉強になって、
身について、全部が役に立つ。」
「これからもあんな元気のいいものをずっとずっと作ってください。
そしたら、僕がつくっているサグラダファミリアと
同じ意味が出てきます。」
外尾さんが「何か質問ありますか?」と問いかけたとき、
すぐには手が挙がりませんでした。
そんな子どもたちに、外尾さんは、
「『学問』とは『問うを学ぶ』こと。
『何でだろう?』『どうしてだろう?』と浮かんだことを、
自分でどんどん探していったら、どんどん大きくなる。」
「『なんか、わからないなあ・・・・』と悩むくらいに思った人はね、
そのときにもう大きくなってるの。」
すると子どもたちの手が挙がりました。
「 勇気を出して。
ちっちゃな勇気がね、
明日の自分を大きく育ててくれる。
ちっちゃな勇気でいい。大きな勇気はそんなにいらない。
ちっちゃなちっちゃな勇気を毎日、自分の心の中に
いつも持ってください。
また会いましょう。元気でね。ありがとう!」
感謝の気持ちをこめて、5・6年生全員で、
「MIDORI~繋がる輪~」を歌ってプレゼントしました。
子どもたちと別れて校長室に戻ると、
外尾さんは私が用意した外尾さんのご著書
「バルセロナにおいでよ」にサインをしてくださいました。
インターネットで注文していた「サグラダ・ファミリア ガウディとの対話」が
まだ届いていなくて本当に残念。
でも、このサインをいただいた本は、最高のたからものになりました。
「チームガウディ」のひとり、4年生担任の先生も、
サインをいただいて感激の記念撮影。
6年生担任のこの先生は、なんと外尾さんと同じ高校出身。
周年行事の際発行された記念誌に、
外尾さんが作られた中庭の写真が。
そのときの外尾さんのご講演の記録も載せられていました。
とてもうれしいパチリ!
そして「天才」図工の先生は、色紙にサインをいただきました。
外尾さんから「がんばってください!」と力強い激励の握手。
天にも昇る気持ちです。
「MIDORI」の楽譜を受け取ってくださった外尾さんは、
「サインしてもらわなくちゃ!はい、ここにね!」
ものすごく緊張しながら、なんとかサインさせていただきました。
最後に記念撮影。
カメラを構えた人が「アントニ」と言ったら、
撮影される人は「ガウディ!」と言うのがポイント。
こんな幸せなことがあるなんて・・・・・・。
外尾さんは給食もご一緒してくださり、
お忙しい中2時間半の滞在の後、
お帰りになりました。
外尾さんのお話は、深くて、あたたかくて、
静かな情熱にあふれていて、
子どもたちの心にすうっと入っていくのが、
かたわらで見ていて感じられました。
お話すればするほど、そのお人柄に心惹かれる、
そんな方でした。
「タカゴダファミリア」が完成したとき私は、
この取り組みを外尾さんに知っていただきたい、
子どもたちの姿を見ていただきたい、
こんなすばらしい「天才」図工の先生がいることをお伝えしたい、
という思いでいっぱいになりました。
心をこめてブログを書くことによって、
いつの日か外尾さんの目に触れることがあるかもしれない、
そう願って、取り組みの一部始終をブログにまとめました。
そのブログを見て思いを感じてくださった方のおかげで、
外尾さんに見ていただくことができただけでなく、
実際に展覧会に足を運んでくださったのです。
バルセロナでサグラダファミリアを訪れて以来、
外尾さんは憧れの方であり、
日本人として誇りに思う存在でした。
その外尾さんにお目にかかれたこと、
子どもたちと対面していただけたこと、
あのときの子どもたちの瞳の輝き、
「天才」図工の先生の努力をねぎらっていただけたこと。
今も、大きな大きな感動の中にいます。
「思う」こと。
そして、その思いをかなえたいと心から願うこと。
そのためにどんなに小さくても一歩踏み出してみること。
それが大切なのだと、あらためて感じました。
お忙しい中子どもたちのためにおいでくださった外尾さんと、
私たちの思いを外尾さんにつないでくださった方々に、
感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。