この夏、我が家のベランダの一角を飾ってくれた朝顔。
風が吹き抜けるため、どんな植物もうまく育たないこの場所で、
元気に美しい花を咲かせてくれました。
この朝顔は「ゆうたくんの朝顔」。
平成11年4月生まれのゆうたくん。
どんなにつらい時にも笑顔を忘れない、
人を思いやる優しい子どもだったゆうたくんは、
平成20年7月に、突然の水の事故でその生涯を終えました。
享年9歳。
ゆうたくんが大切に育てていた朝顔は、
その後も毎年夏になると美しい花を咲かせています。
ゆうたくんの学校の子どもたちや、縁のあった方々が、
種を分けていただいて、大切に育てています。
ゆうたくんのお母さんが、Web上で私を見つけて、
facebookで友だちリクエストをしてくださったご縁で、
今年は私も自宅でゆうたくんの朝顔を育てることができました。
「ゆうたが亡くなってから育てている朝顔の花は、
毎年、鮮やかなな花を咲かせ、私の心を癒してくれます。」
お母さんの言葉です。
どれほどつらかったか、どれほど悲しかったか、
今もどれほど恋しいことか。
種に添えられたカードの写真のゆうたくんは、
元気いっぱいの笑顔で、微笑みかけてくれています。
小さいころからずっと知っていた、そんな気がするほど、
身近に感じられる、笑顔です。
見つめていると、胸がいっぱいになってきます。
朝顔が咲くたび「おはよう、ゆうたくん。」と語りかける、
そんな夏でした。
ゆうたくんのお母さんは、来年の7回忌を前に、
この連休に遺品の整理をなさったそうです。
「この勇気を出すまで、だいぶん時間がかかりました。
本当は離れたくない遺品たち…でも、
いつまでもこんな遺品に囲まれた生活は自分の為にならない、
と思い本当に離れたくない!!と言う物だけを最小限に残して、
小さい頃からのおもちゃ、~小3の教科書まで整理しました。
でも私はゆうたを忘れない!! 心の中にずーっと生きてます。」
カードの最後には、こんな言葉が添えられています。
「子どもたちがすこしでも安全な社会で元気に暮らせるよう
祈っています。」
安全な社会を守る、それが私たち大人に課せられた責任。
そう心に刻みます。
ゆうたくんがこの世を去ってしばらくしての出会い。
でも私は、確かにゆうたくんの存在を感じ、
ゆうたくんは、私の心の中で生き生きと微笑んでいます。
この出会いは大切なたからものです。
ありがとう、ゆうたくん。
そして、ゆうたくんのすてきなお母さん。