いよいよ、ペンション「ミュー」さんで、フルート・ドュオの演奏会の日がやってきた。今日の午後4時から第3回清里落語会「桂扇生独演会」があり、その前座としてフルート演奏のプログラムを組んでいただいたのだ。
生憎の空模様で、雪の朝になったが、外気温は1度と高い。
12時過ぎにOhimajiさんがやってきた。「ミュー」さんでの本番前に、予行練習をすることになっている。1時間少しほど練習したが、まだまだ思わぬ音の乱れや、ritのかけ忘れ、などが出てくるので困ったが、おおむね大丈夫だろうということで練習を終える。
2時30分過ぎに「ミュー」さんに到着すると、会場の準備がほとんどできていた。私たちは、もう一度、「ゲネプロ」をやる。3時過ぎにお客さんがやってこられたので、練習を終えることにした。
4時から演奏会が始まった。司会の方の紹介で会場に入り、先ずは、「諸人こぞりて」と「ジングル・ベル」を演奏する。その後、私たちのドュオの自己紹介をさせていただいた。「八ヶ岳ダンディーズ」ではなく「八ヶ岳ダン爺ーズ」です、よろしくと、あくまでも高座のノリで行こう。
続いてイギリス民謡から「ダニー・ボーイ」「グリーンス・リーブス」「アニー・ローリー」の3曲を演奏。簡単な自己紹介などを入れ、続いて「チリビリビン」「リュートのためのシチリアーナ」「オー・ソレミオ」のイタリアの曲を3曲、サイモンとガーファンクルの曲から「スカボロー・フェア」「コンドルは飛んでいく」を演奏。最後にもう一度クリスマスの曲「最初のノエル」「聖夜」を演奏した。
そこで退場しようとすると、驚いたことに、「アンコール」はと求められたが、用意をしていなかったのでご勘弁していただいた。やはり、「アンコール用に1曲か2曲」ぐらいは用意をしておくべきだったかな。
自分で言うもなんだが、今回は、ほとんど上がることもなく、落ち着いて演奏することができた。本番の緊張感が上手く働いて、一番いい演奏になったような気がする。
桂扇師匠の高座が始まる前に、お客さんがたは、「ミュー」さんが用意した飲み物とサンドイッチ・ケーキをいただき、交流を深めていた。ワインも出されてきて、「ワンドリンク付き」とのことだったが、ボリュームたっぷりだ。
桂扇生師匠の話は2題。最初は、「さいころばくち」の話。壺に入れたさいころの目を当てるばくちだが、親が、壺から出てしまったさいころの「ピン」の目が見えているにも関わらず「勝負!」というので、皆は、その見えている「ピン」に張る。ところが、それは、見せ掛けで壺の中は「グ=5」で、皆が負けてしまった。それを、真似する者がいて、同じようにやると、今度は、壺の中も本当の「ピン」だったので、負けてしまうという話。
2題目は、酒をやめたくて止められない酒飲みの話。魚売り屋は腕がいいのだが、酒が好きでなかなかやめられない。妻は、昨夜飲み過ぎた夫をたたき起こして、朝早くから商いに行かせる。夫は、まだ時間が早いので、海を見ながら一服していると、海に浮かんでいる財布を見つける。中を開けてみると42両もの大金が入っていた。それに喜んだ夫は、直ぐ家に戻り、「俺はついているな、酒だ酒」といって、またまた飲み過ぎて寝てしまう。
翌朝、妻に起こされて、商いに出るよう言われると、夫は「あの金があるから働かなくてもいいだよ」という。妻は「何を夢見ているんだよ」と叱責する。夫は、あれは夢だったのかと思って、それから、人が変わった様に働きだした。表通りに店を構え使用人もいるほど繁盛してきたある年の大晦日、妻は夫に、42両入りの財布を見せて、夫に隠していたということを謝るという筋。笑いとほろりとさせる人情味のある話だった。(有名な「芝浜」でした。)
桂扇生師匠は、博打で儲かると思ったときの喜びよう、煙草の一服や酒の飲みっぷり、大金を拾った時の笑顔などの表情が実に豊かで楽しい。生で高座の味わいを堪能させていただいた。来年の「第4回清里落語会」も決まっている。笑顔で帰って行かれるお客さんを見ていると、人の心を豊かに暖かくする「笑い」の持つ力を感じさせられた。
高座が終わってから、Ohimajiさんに拙宅に戻っていただいて、反省会を行う。今夜の食事は、必殺「お好み焼き」、それが焼けるまでの間、先ずは、熱々の「豚まん」を食べていただく。食べながら、今夜の演奏は、まぁまぁのできだたことを喜ぶ。丁度お好み焼きが焼けてきた。
これからも機会を見つけて「八ヶ岳ダン爺ーズ」や音楽仲間で演奏会をやりましょうか、ヘンデルのフルートソナタ第9番の二重奏もやりたいな(アルテ教則本30課にある)などの話。リンゴのまとめ買い、料理の話など、色々楽しい話で盛り上がり、ようやく10時ころお開きになった。