テレビでも有名なポールスミザー。イギリスはバークシャー生まれ。英国王立園芸協会ウィズリーガーデンで園芸を学び、現在八ケ岳で2万㎡のガーデンを育てている。この本は、八ケ岳での庭造りの実践を写真を交えて紹介している。
彼は、その土地の気候、風土に合った庭造りを提唱している。ポールのガーデニング手法で特徴的なのは、花を追いかけないということだ。花が咲いている期間は短いのだから、庭はむしろ花の咲いていない時をどうするか。葉そのものの色、形などが庭の風景に与える印象を大事にする。もう一つは、イネ科の植物を積極的に取り入れる点だ。日本の何処にでもあるススキ、チカラシバなどを意識的に植栽し、その風に揺れる風情を生かす。
ポールが言う「いい庭」とは
「庭はそこに住む人が、リラックスして楽しむスペース。だからのんびりした自然の雰囲気が味わえて、あんまり手入れをしなくてもいいナチュラルガーデンがいいと思うんだ。いくら素敵な庭でも、それを愛でる時間も惜しんでずっと草むしりしていなきゃあいけない、なんてことにならないように。そして、ハンモックを吊るして寝そべったり、座ってお茶やワインを楽しんだり出来る場所を作ること。オーブンを置いてピザを焼いたりするのもいいよ」。このポールのナチュラルガーデンの考え方には大いに共感を覚えた。
もう葉桜になった公園のソメイヨシノも、今日の雨で散ってしまった。