「スウィーパーズ」
原題:SWEEPERS
製作:1998年
●前回・前々回とエロエロでアングラな作品を取りあげてしまったので、今回は無難な作品をひとつ。『ジルリップス』に続いてのドルフ・ラングレン主演作である。今の所、彼の作品で良作にめぐり合うことは中々なかったのだが、本作は佳作に入る類の作品だ。
ドルフはアンゴラで地雷除去を行っていたが、あるとき作業中に息子が地雷原で地雷を踏み、不幸にもドルフの目前で死んでしまう。それから数年後、ドルフは息子の死というアクシデントに遭遇したことで、仕事から離れて酒びたりの日々を送っていた。そんなアンゴラの地に、かつてアメリカで作られた新型地雷を巡り、クレア・スタンフィールドが地雷除去のために現れた。だが、回収したはずの高性能地雷により仲間の除去スタッフ全員が爆死。難を逃れたクレアは、このまま引き下がるわけにはいかないと地雷の調査を続行し、ドルフの協力を仰いだ。
最初こそは拒否していたドルフだが、多発する地雷の被害に怒りを燃やし、クレアと共に地雷の謎を追い始める。謎の敵に襲われながらも真実に近付いていくドルフとクレアは、やがてダイヤモンド鉱山を牛耳る連中との戦いに発展し、そこで予想だにしなかった真実を知るのだった…。
本作は地雷を主題にした作品で、息子を失ったドルフの苦悩などが描かれている。だが特に頭の固い作品というわけではなく、勧善懲悪なアクション映画としてきちんと成立している。もちろんドルフの格闘アクションもちゃんとあり(序盤の酒場での闘いがちょっと面白い)、地雷を扱った作品だけに派手な爆破シーンが随所に挿入されていた。『ジルリップス』みたいにドラマに凝って変な方向に行ったりせず、ドラマとアクションがちゃんと両立している。ある意味、ドルフ作品の理想系とも言える作品なのだ。
しかし本作で、どうしても解せない点がある。それはクライマックスで繰り広げられる2つのアクションシーンに関してだ。クレアが捕らわれていると知ったドルフは、敵の巣窟であるダイヤモンド鉱山へと突入。非道なヒゲオヤジを始末する。続いて敵のボスが機関車で逃走を図り、ドルフがこれを派手に爆破して本作は幕を閉じる。どちらも迫力ある爆破シーンが展開されているが、両方とも似たようなオチであるためかインパクトが薄く、面白みはあまり感じる事が出来ないのだ。
たぶん本作の監督は、ラストのアクションを鉱山にするか機関車にするかで悩んだに違いない。物語的には鉱山で終わらせてもいいが、監督としてはどうしても機関車のシーンも入れたかったのだろう。そこで無理矢理どちらも詰め込んだ結果、2つのアクションの迫力が相殺される事に…これはあくまでも私の憶測だが、鉱山で全てのケリを付けていたらテンポもよかったと思うし、キリのいいラストになったはず。ここらへんはちょびっと残念です。
原題:SWEEPERS
製作:1998年
●前回・前々回とエロエロでアングラな作品を取りあげてしまったので、今回は無難な作品をひとつ。『ジルリップス』に続いてのドルフ・ラングレン主演作である。今の所、彼の作品で良作にめぐり合うことは中々なかったのだが、本作は佳作に入る類の作品だ。
ドルフはアンゴラで地雷除去を行っていたが、あるとき作業中に息子が地雷原で地雷を踏み、不幸にもドルフの目前で死んでしまう。それから数年後、ドルフは息子の死というアクシデントに遭遇したことで、仕事から離れて酒びたりの日々を送っていた。そんなアンゴラの地に、かつてアメリカで作られた新型地雷を巡り、クレア・スタンフィールドが地雷除去のために現れた。だが、回収したはずの高性能地雷により仲間の除去スタッフ全員が爆死。難を逃れたクレアは、このまま引き下がるわけにはいかないと地雷の調査を続行し、ドルフの協力を仰いだ。
最初こそは拒否していたドルフだが、多発する地雷の被害に怒りを燃やし、クレアと共に地雷の謎を追い始める。謎の敵に襲われながらも真実に近付いていくドルフとクレアは、やがてダイヤモンド鉱山を牛耳る連中との戦いに発展し、そこで予想だにしなかった真実を知るのだった…。
本作は地雷を主題にした作品で、息子を失ったドルフの苦悩などが描かれている。だが特に頭の固い作品というわけではなく、勧善懲悪なアクション映画としてきちんと成立している。もちろんドルフの格闘アクションもちゃんとあり(序盤の酒場での闘いがちょっと面白い)、地雷を扱った作品だけに派手な爆破シーンが随所に挿入されていた。『ジルリップス』みたいにドラマに凝って変な方向に行ったりせず、ドラマとアクションがちゃんと両立している。ある意味、ドルフ作品の理想系とも言える作品なのだ。
しかし本作で、どうしても解せない点がある。それはクライマックスで繰り広げられる2つのアクションシーンに関してだ。クレアが捕らわれていると知ったドルフは、敵の巣窟であるダイヤモンド鉱山へと突入。非道なヒゲオヤジを始末する。続いて敵のボスが機関車で逃走を図り、ドルフがこれを派手に爆破して本作は幕を閉じる。どちらも迫力ある爆破シーンが展開されているが、両方とも似たようなオチであるためかインパクトが薄く、面白みはあまり感じる事が出来ないのだ。
たぶん本作の監督は、ラストのアクションを鉱山にするか機関車にするかで悩んだに違いない。物語的には鉱山で終わらせてもいいが、監督としてはどうしても機関車のシーンも入れたかったのだろう。そこで無理矢理どちらも詰め込んだ結果、2つのアクションの迫力が相殺される事に…これはあくまでも私の憶測だが、鉱山で全てのケリを付けていたらテンポもよかったと思うし、キリのいいラストになったはず。ここらへんはちょびっと残念です。