「レッド・ウォリアー」
原題:Nomad/Nomad The Warrior
製作:2005年
●本作はフランスとカザブスタンが製作した歴史大作で、いつも紹介しているマーシャルアーツ映画のようなB級作品ではない。物語はカザフの民がジュンガル族の侵攻を受け、救世主として育てられた王族の青年が友の死などの試練を乗り越え、ジュンガルの軍勢を打倒するまでを描いた物語である。
だが正直言うと、私がこの作品をレンタルしてみたのは出演者の顔ぶれに惹かれたが為だった。なにしろ主人公の育ての親で賢者の役をジェイソン・スコット・リーが、ジュンガル王の息子役にマーク・ダカスコスが扮しているのだ。この2人が出ているとあらばレンタルしない訳にはいかない!…ということで見てみたのだが、残念ながら「夢の対決」は実現していない。『DRAGON BATTLE EVOLUTION』もそうだったけど、なんでいつもマーシャルアーツ映画ってこうなっちゃうんだろうか?
ジェイソンは先述の通り賢者という役回りだが、並みの兵士なら太刀打ちできないほどの武術の腕を持っている。そんなジェイソンは救世主の到来を感じ、襲われていた王の子を助けて師となるなど、なかなかの存在感を発揮。対するダカスコスも、救世主を殺そうとする襲撃シーンでは見事な剣劇アクションを繰り広げ、たまにキレのいい蹴りを放ったりしている。これでこの2人が全編に渡って活躍してくれればなお良かったのだが、ジェイソンは後半から救世主の元を離れてしまい、ダカスコスに至っては中盤に救世主との一騎打ちに敗北し、生首を晒す羽目になってしまうのだ。
ジェイソンは演技面でまだ見せ場があったが、ダカスコスが強くなさそうな救世主にやられるのは個人的に納得がいかなかった。このダカスコスが一騎打ちを持ちかけてきた際、対応に出たのがジェイソンだったので「ジェイソンVSダカスコスの夢の対決か!?」と期待が膨らんだが、直後にジェイソンが救世主にバトンを渡した時点で私のテンションはあっという間に急降下(爆)。ちなみに本作の格闘アクションは、なんとリチャード・ノートン(!)が担当している。ジェイソンにダカスコスにノートンまで揃っているのに、この仕打ちはちょっとなぁ…。
全体の感想としては、作り手の「超大作を作るぞ!」という気合は良く伝わってくるし、CGに頼らない壮大なロケーションやアクションシーンも楽しめる。しかし主人公と親友の女性を巡る確執や、敵の妻になってしまったヒロインや、敵の姫が主人公に思いを寄せる場面など、盛り上がりそうな要素がことごとく放置されていた。はっきり言って本作には山場がないため、スケールの大きい作品なのにどうしても物足りなさを感じてしまうのだ。決して悪くない作品だが、ジェイソンとダカスコスの格闘シーンを目当てにしている人は要注意を。
原題:Nomad/Nomad The Warrior
製作:2005年
●本作はフランスとカザブスタンが製作した歴史大作で、いつも紹介しているマーシャルアーツ映画のようなB級作品ではない。物語はカザフの民がジュンガル族の侵攻を受け、救世主として育てられた王族の青年が友の死などの試練を乗り越え、ジュンガルの軍勢を打倒するまでを描いた物語である。
だが正直言うと、私がこの作品をレンタルしてみたのは出演者の顔ぶれに惹かれたが為だった。なにしろ主人公の育ての親で賢者の役をジェイソン・スコット・リーが、ジュンガル王の息子役にマーク・ダカスコスが扮しているのだ。この2人が出ているとあらばレンタルしない訳にはいかない!…ということで見てみたのだが、残念ながら「夢の対決」は実現していない。『DRAGON BATTLE EVOLUTION』もそうだったけど、なんでいつもマーシャルアーツ映画ってこうなっちゃうんだろうか?
ジェイソンは先述の通り賢者という役回りだが、並みの兵士なら太刀打ちできないほどの武術の腕を持っている。そんなジェイソンは救世主の到来を感じ、襲われていた王の子を助けて師となるなど、なかなかの存在感を発揮。対するダカスコスも、救世主を殺そうとする襲撃シーンでは見事な剣劇アクションを繰り広げ、たまにキレのいい蹴りを放ったりしている。これでこの2人が全編に渡って活躍してくれればなお良かったのだが、ジェイソンは後半から救世主の元を離れてしまい、ダカスコスに至っては中盤に救世主との一騎打ちに敗北し、生首を晒す羽目になってしまうのだ。
ジェイソンは演技面でまだ見せ場があったが、ダカスコスが強くなさそうな救世主にやられるのは個人的に納得がいかなかった。このダカスコスが一騎打ちを持ちかけてきた際、対応に出たのがジェイソンだったので「ジェイソンVSダカスコスの夢の対決か!?」と期待が膨らんだが、直後にジェイソンが救世主にバトンを渡した時点で私のテンションはあっという間に急降下(爆)。ちなみに本作の格闘アクションは、なんとリチャード・ノートン(!)が担当している。ジェイソンにダカスコスにノートンまで揃っているのに、この仕打ちはちょっとなぁ…。
全体の感想としては、作り手の「超大作を作るぞ!」という気合は良く伝わってくるし、CGに頼らない壮大なロケーションやアクションシーンも楽しめる。しかし主人公と親友の女性を巡る確執や、敵の妻になってしまったヒロインや、敵の姫が主人公に思いを寄せる場面など、盛り上がりそうな要素がことごとく放置されていた。はっきり言って本作には山場がないため、スケールの大きい作品なのにどうしても物足りなさを感じてしまうのだ。決して悪くない作品だが、ジェイソンとダカスコスの格闘シーンを目当てにしている人は要注意を。