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「海外組」が機能しなかった前半、修正できた後半

2007-06-06 | 日本代表

日本 0-0 コロンビア


HOME)日本

                    高原直泰


         遠藤保仁                  中村俊輔
               稲本潤一     中村憲剛

                    鈴木啓太

       中田浩二                      駒野友一
               阿部勇樹     中澤佑二


                    川口能活


交代)稲本潤一 → 羽生直剛
    中田浩二 → 今野康幸
    遠藤保仁 → 巻誠一郎
    中村俊輔 → 藤本淳吾
    高原直泰 → 播戸竜二

 

日本代表に対して、“勝たせてあげたい”と切に願うことができた、久々の試合でした。
後半に選手達が見せた頑張りは素晴らしく、結果は不満なれど、非常に好感の持てる試合だったと思います。
そして、インテルのコルドバの出場はならなかったものの、勝ちに行こうとする姿勢をしっかりと見せてくれたコロンビア代表にも感謝したいです。


前半は、完全にコロンビアのペースでした。
コロンビアの中盤の寄せ早さ、体の強さは、Jリーグの試合でもモンテネグロ代表との試合でも体験できないレベルのもので、選手達の間に明らかな戸惑いがあることが見て取れました。
コロンビアは、左のマリン、右のフェレイラのキープ力が非常に高く、日本はその2人からボールを取ろうと苦労している間にラインがどんどんと下がってしまい、結果的に高原が前線で孤立し、10人で相手の攻撃を守るという不本意な展開となってしまいました。

日本は、高原を1トップに、“中村俊輔、遠藤、稲本、中村憲剛”とこれまでで最も豪華なタレントを揃えたはみたものの、ただ単に中盤に人数がいるだけ。
1トップシステムを置いて攻撃する場合、中盤の2列目・3列目からの飛び出しは不可欠ですが、それがほとんど見られませんでした。


後半はコロンビアに疲れが見え始め、また、動きに全く精彩がなかった稲本から縦に飛び出して行ける羽生に代え、中村俊輔がより中央に位置するようになったことで、チャンスを作れるようになりました。
最も惜しかったのは、左サイドで高原がボールを奪って、中村俊輔、遠藤と渡り、最後は中村憲剛が右足でシュートを打ったシーンですかね。 選手が入ってくるタイミング、パスの連携、アイデアは見事でした。

 

個人では、高原は、ジェペスとペレアを背によく頑張ったと思います。 あの2人を相手にあれだけの仕事ができるのは、今の日本では高原だけでしょうね。

中村俊輔は、本来の出来ではありませんでしたが、怪我上がりということを考えれば、しょうがないでしょう。
アジアカップに出るかどうかはまだわかりませんが、もし出るなら、ゆっくりと治してほしいところです。

鈴木は中盤での守備で非常に効いていました。また、運動量豊富に攻撃参加もしていました。
しかし、やはり、あの位置でボールを受ける回数が多くなると、技術不足からピンチ招く回数も多くなってしまいます。 特に、サイドの選手が相手のプレッシャーを感じて苦し紛れに送る「横パス」や、同様の状況で中央の選手が送る「バックパス」を鈴木が受けると、余計に危険な状況を招いてしまいます。 アーセナルのジウベルト・シウバと同じで、守備は信頼できますが、後方でボールを持つと、少し恐い選手です。

阿部中澤の両CBの貢献も見逃せません。
特に、完全な劣勢だった前半を失点することなく終えられたのは、2人の鋭い読みのカバーリングがあったからこそ。 代表とクラブの経験で、阿部は優秀な「DF」として成長しましたね。

いよいよ、駒野の課題はクロスの精度だけとなりました。
ドリブルもオーバーラップのタイミングも見事ですが、やはりいいクロスが入りません。モンテネグロ戦のアシストは、「下手な鉄砲」の印象を受けたのが正直なところですが、今後強豪国と対戦していく場合、その鉄砲の“銃弾の数”は確実に減りますし、中盤で中村らが厳しいマークに合うことで、駒野が放つ“1つの弾”が持つ重要性はより大きくなります。 その1つの弾で試合を決められるようなクロスの精度が、駒野には求められます。



日本としては、“引き分けでいい”
コロンビアとしては、“勝たなければならない(得点しなければならない)”
という優勝の条件でしたが、
本来、日本が最も「苦手」とするのは今回のコロンビアの条件であり、逆にコロンビアが最も「得意」とするのは、今回の日本の条件でした。
“守りに入らせたら巧い南米勢に、日本がどう攻撃するのか”、というのも見てみたかったです。

 

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