サウジアラビア １－０ 日本
得点）アル・ドサリ
ＨＯＭＥ）サウジアラビア
アル・ドサリ
エイサ アミーン
スリマニ ガムディ
ハリリ
アル・ハスラン アル・ドキ
アル・カディ トゥカル
フォジャ
ＡＷＡＹ）日本
巻誠一郎
田中達也
三都主アレサンドロ 遠藤保仁
阿部勇樹
鈴木啓太
駒野友一 加地亮
闘莉王 坪井慶介
川口能活
交代）田中達也 → 佐藤寿人
巻誠一郎 → 我那覇和樹
鈴木啓太 → 羽生直剛
＜どちらにもある「責任」＞
スタメンが、チームとして機能しなかったイエメン戦と全く同じメンバーだったことには驚かされた。
イエメン戦もサウジ戦も、オシムの「考え方」や「目指す方向性」は間違っていないと思う。 内容の面で言えば、むしろ勝ったイエメン戦よりも進歩したとまで言えるかもしれない。
しかし、オシムは起用する選手を間違えた。 「策」は合っていたが「駒」を間違えてしまったのだ。
遠藤をあの位置で起用する意図がわからない。
「（考えて）走るサッカー」を具現したいのなら、運動量の少ない遠藤をあの位置で使うのは理解し難い。 また、もし遠藤のボールキープ力と展開力を生かしたいのであれば、右の攻撃的な位置ではなく前半の阿部勇樹の位置で使うべきだった。
それに、Ｊリーグでの活躍を見て代表に召集し、スタメンで起用するのであれば、ガンバ大阪でプレーしているものと同じポジションでプレーさせるべきだと思う。 あの位置では、運動量のある羽生や、ドリブルやワンツーで前を向くことのできる長谷部や山瀬や小林大悟を起用して欲しかった。 攻撃をスピードダウンさせないためにも。
スタメンの「選手選考」の面で監督に責任があったが、もちろん選手自身が敗戦の責任を負わなければならない部分もある。
まず、とにかく「横パス」のスピードが遅い。 スピードが遅いために、外から中へのパスがカットされて決定的なピンチを招いてしまう。 イエメン戦で「各駅停車」と揶揄されたパス回しは変わっていなかった。
しかし、ある程度の意図とリスクを伴って出す「縦パス」と違い、「横パス」は無思考に出される、その場凌ぎのパスであることが多い。 つまり、「横パスのスピード」は普段の練習から染み付いたものなのだ。 これを代表の試合で「変えろ。」と言われても難しい。 普段の練習、Ｊでの試合から意識を働かせないことには変わりようがない。 その「きっかけ」が、オシムに厳しく言われたからか、自身で気付いたからか、で進歩の度合いが大きく異なるということは言うまでもないが。
前半４３分にゴールポスト左に外した決定機を、
「あそこは入れたかった。 ただ、もっと多くのチャンスを作らないと。」
と語った田中達也だが、「あそこを入れなければどうしようもない。」が正解だ。
終了間際、闘莉王がリスクを冒して前線に上がっているにも関わらず、時間がないにも関わらず、無駄なパス回しを続けて時間を浪費してしまった。 普通にロングボールを放り込んでいれさえすば、あの時間帯だけで少なくとも２、３回のチャンスを作れたはずだ。 最後はどちらが１点をリードしていて、どちらが時間稼ぎのボール回しをしているのかがわからなかった。 ミスを恐れてチャレンジしようとしないこと自体が「ミス」だ。
正直なところ、この日のサウジアラビアに「アジアの盟主」として過去に抱いていたような脅威は全く感じられなかった。
「アウェイ」、「サウジアラビア」と言っても、勝たなければいけない試合だったと思う。
相手のレベルを考えると、大袈裟に「正念場」とまでは言いたくないが、次のイエメン戦は内容と結果が求められるだろう。
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