『チェンジリング』
THE CHANGELING(1979年カナダ)
監督 ピーター・メダック
脚本 ウィリアム・グレイ
ダイアナ・マドックス
原作 ラッセル・ハンター
出演 ジョージ・C・スコット
トリッシュ・バン・ディーバー
メ ルビン・ダグラス
バリー・モース
■ストーリー■
雪道で車が故障し、救援の電話をしている間に、交通事故で妻子を失った作曲家ジョン・ラッセルはシアトルに引越す。4か月後、ジョンは作曲活動のため歴史保存協会が管理している古い屋敷チェスマンハウスに1人で住み、母校で教鞭を執りはじめるのだった。しかし、チェスマンハウスで、ジョンは不思議な怪奇現象に遭遇するのだった。その怪奇現象は上院議員を巻き込んだ事件の始まりに過ぎなかった。
■感想■
最もオカルト映画が似合わない大物俳優ジョージ・C・スコット主演のオカルト映画です!
1970年代後半から1980年代は、劇場作品も、ホラー映画やSF映画ばかり製作されて公開されていました!
ホラー映画もバブルだったのか、殺人鬼が暴れまわるスラッシャームービーやら、オカルト映画やら、ホントに色んなホラー映画がありました。が、その中でも特に異色なのが本作です。
ジョージ・C・スコット演じるジョンの周りで、次から次へ怪奇現象の数々が起こりますが、全然怖くありません!だってジョージ・C・スコットが怖がっているようには見えないんですから!
勝手に蛇口から水が出て、バスタブにたまった水に子供の顔が浮かんだり、封印された屋根裏部屋へ誘うように、誰もいないはずの家の中側から突然割れた窓ガラスとか。不思議な音とか、色々起きるんですけど…。不思議そうな表情は浮かべるものの、怖がっているようには見えないんですよね。
でも、中でも1番印象的なオカルト現象は、ジョージ・C・スコットの娘との思い出の小さなボールを川に捨てて、そのあとで、家に帰ってきたあとに起こる出来事を描いたシーンです。
このシーンはホントに印象的です!もうこのシーンだけプラス10点です!
でも、本当に怖くありません。観客を怖がらせようっていう気が無いどころか、登場人物のジョージ・C・スコットが全然怖がっていないんですからね。
ストーリーの展開もオカルト映画っていうよりも、ミステリー映画っていう感じで展開していきます!
監督は『蜘蛛女』(1993年)『スピーシーズ2』(1998年)のピーター・メダック。
脚本は『ザ・アマチュア』(1981年)のダイアナ・マドックスと『フィラデルフィアエクスペリメント』(1984年)『ブラックライダー』(1986年)ウィリアム・グレイ!
主人公のジョージ・C・スコットは、幽霊屋敷に住むものの、幽霊に襲われる役じゃなくて、オカルト現象の原因を探ることによって昔の事件を解決する探偵役になっています。
ジョージ・C・スコットも、オカルト現象の原因とは直接関係ないから、全然怖くないですよね。普通のオカルト映画だったら、関係ない人でも誰でもドンドン被害者になっちゃいますけど、今作の幽霊は律儀なんで大丈夫です!
オカルト映画でも「怖い!」ってうたい文句の映画はたくさんありますけど、今作はその逆です!
あえて言えば「怖くない!ミステリー調!」そう、今作は怖くないのが1番の特長のオカルト映画です!!
ミステリー映画が好きな映画ファンにこそ是非見て欲しい1本です。
ところで、今作ってTVの映画枠で放映されたとき、延長枠だったんですけど、まだTVの吹替え音源って残ってるんですかネ??残ってるんなら是非、DVD化するときは、そのときのノーカットのTVの吹替え音源つけて下さい!(多分、ノーカットだったはず) 75点
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