『ザ・フォール』
THE FALL(1999年カナダ、ハンガリー、イギリス)
監督 アンドリュー・ピディングトン
脚本 エマ・フロスト
原作脚本 マイケル・ウォーカー
出演 クレイグ・シェーファー
エレン・デ・フュージュロー
ユルゲン・プロウノウ
■ストーリー■
小説家志望のアダムは恋人の海外勤務に伴いブタペストにやってくる。ある日、アダムの部屋に男2人組みに追われた美女マルタが転がり込んでくるのだった。マルタは街の有力者コバーチに夫を殺され娘を誘拐され追われていたのだった。
■感想■
カナダ、ハンガリー、イギリス製のサスペンス映画。
1999年の作品ですけど、今さら、この内容なの??
って感じの作品でした。
登場人物が少ないのも災いしてか、途中でネタが割れちゃいます。
「う~ん、このネタなの??」
って感じの作品です。まるでオムニバス映画の1篇みたいなネタになるのがせいぜいの内容の作品です。
今作を作ったスタッフは何を求めてたんでしょうね??
衝撃のクライマックスを狙ったんでしょうけど、こんな内容で驚く人って、あんまり映画を観たコトが無い人だけじゃないでしょうか??
『生きていた男』(1958年)
『殺しのリハーサル』(1982年)
『消えた花嫁』(1986年)
とまでは行かなくても、観客を驚かすつもりなら、もうちょっとストーリーにヒネリを加えてくれないと。
これじゃ、ちょっとひどすぎですね!
せめて『テラー・トレイン』(1980年)の犯人くらいはビックリさせて欲しいです。
そういえば、『生きていた男』(58年)ってまだDVD化されていないですけど、こういう正統派の作品こそちゃんとDVD化して欲しいですよね。
『消えた花嫁』も『ハネムーン・クライシス新妻蒸発』(ビデオ題:『他人の向う側私の家に見知らぬもう一人の妻がいる』)(1975年)といっしょにBOXでDVD化して欲しいです。見比べて観るのも楽しいでしょ!!
こういう手に汗握るような傑作ミステリーは日本語吹替え音声で観たいですよね。『ハネムーン・クライシス新妻蒸発』はTV放映版の吹替えだと90分枠(正確には85分枠)なので実質69~70分くらいの吹替え音声になってしまうので新録か欠落部分のみ新録追加で日本語音声つきでDVD化して欲しいです!!
まぁ、今作『ザ・フォール』は作っているスタッフたちもミステリーのつもりでなく単なるサスペンス映画のつもりで作っているんだから、ストーリーにヒネリを加えようなんて思ってもいないでしょうけどね。
サスペンス映画、スリラー映画を作るつもりで作ったにしても盛り上がらない展開です。
冒頭、ヒロインが追手2人から逃げて、カミソリで反撃するくらいまでの展開はなかなかだったのに、その後は、ユルユルで中だるみしちゃいますもんね。
スリラーとしても、ミステリーとしても中途半端な感じです!!
今作は劇場映画ですが、もし仮にTVムービーだったとしてもダメダメな感じです!!せめて、せめて、せめてもう少し驚かせて欲しかったです! 10点