『レイザーバック』
RAZORBACK(1994年アメリカ)
監督 ラッセル・マルケイ
脚本 エヴェレット・デ・ロッシュ
原作 ピーター・ブレナン
出演 グレゴリー・ハリソン
ジュディ・モリス
ビル・カー
■ストーリー■
カンガルーハンターのジェイクの家が巨大なレイザーバックに襲われ預かっていた赤ん坊が連れ去られる事件が発生する。以後、ジェイクは巨大なレイザーバックに復讐するため執念を燃やすのだった。一方、ニューヨークのTVレポーター、ベスはカンガルーを虐殺しているという報道番組の取材でオーストラリアへやってくるのだった。カンガルーの肉を缶詰にしている工場に忍び込んだベスだったが、工場を運営するベイカー兄弟に見つかり荒野でレイプされそうになってしまう。と、そのとき、巨大なレイザーバックが現れるのだった。
■感想■
ラッセル・マルケイ監督の動物パニック映画。
第1回東京国際ファンタスティック映画祭正式出品作品です。
ラッセル・マルケイ監督の劇場長編作品のデビュー作ということで当時話題になった作品です。
あまり盛り上がらないですが、それなりに楽しめる動物パニック映画です。
でも、今作のランニングタイム95分は長すぎです!今作もあと15分くらい短かったらテンポが良くなって面白く観れたのに!!
デビュー作ということで力が入りすぎたのか、ベスの夫カールが砂漠で見る幻シーンとか必要無いのでは??
恐竜だかなんだかの骨が動くシーンとか迫力ありますけど、本筋と関係ないシーン!!
まぁ、本筋と関係ないシーンを入れるのを得意とするラッセル・マルケイ監督ですから、しょうがないんですけどね。
『ハイランダー 悪魔の戦士』(1986年)
『リコシェ』(1991年)
『ブルー・アイス』(1992年)
と、今作のあとも、しばらくはMTVのプロモーションビデオ系のシーンが入りまくりでしたからね。
ごくごく普通に演出してくれれば良いのに!!
1990年代中盤からはTVムービーやTVドラマを監督して、普通に撮るようになりましたけど、とにかく最初からの数作は本当に苦手な監督でした。
シリーズ3作目の監督に選ばれた『バイオハザードIII』(2007年)もどうなることかと思いましたけど、意外に普通に演出してたんで安心しました。
MTVのプロモーションビデオ風の映像を使ってしまうのがラッセル・マルケイ監督の最初のころの魅力といえば魅力ですけど、エンターテイメント作品には使わないで欲しいですね。
ところで今作『レイザーバック』ですけど、孫を殺されえた老ハンターが主人公でなくて、奥さんを殺されたニューヨーカーが主人公なんですよね。
これって、ドラキュラ物で吸血鬼を倒すのがヴァン・ヘルシング教授でなくて、ジョナサン・ハーカーが倒すような感じですよね。ドラマとして盛り上がらない!!
レイザーバックを倒すことに執念を燃やしている老ハンターが倒してこそ、映画としてカタルシスを感じれるのに、倒すのがなぜかニューヨーカーってどういうこと??
今作の場合、原作があるから、このストーリー展開は、原作通りなのかもしれないですけどね。30点