猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

菅義偉は怖い、支持率低下で2週間後にGoToトラベルの全国一斉停止

2020-12-14 23:26:29 | 叩き上げの菅義偉

菅義偉は怖い人である。

菅政権の支持率低下を受けて12月28日から1月11日までGoToトラベルを「全国一斉」に一時停止すると発表した。政府の分科会は、新型コロナ感染蔓延(ステージ3)の地域から他の地域に人がウイルスを運ぶこと(GoToトラベル)をすぐに停止するよう菅に要求したのに、「全国一斉」に問題をすり替えて、GoToトラベルを2週間延長してしまった。

首都圏の人がGoToトラベルを利用して地方に移動することのほうが、その逆より、観光業への経済効果が大きい。「全国一斉」を持ち出すことで、首都圏からのGoToトラベルを2週間延長したのである。政権の支持率低下を止めるためにごまかしをしただけなのに、テレビは英断と称賛している。

まさに、世論操作にたけた、怖い人である。

怖いのはそれだけでない。政治が自由経済に横やりをいれることができるという考えを菅義偉がもっていることである。これを「統制経済」という。

安倍晋三にもその気があった。授業員の賃上げを企業に要請した。しかし、それが実現したのは大企業の正社員だけである。全体では、給料があがらない。格差が広がっただけである。

菅義偉はGoToキャンペーンを自分の政権の目玉政策として推進してきた。そのことの反省がまったくない。

GoToキャンペーンは新型コロナ感染を全国に広げるだけでなく、国の借金によって、人為的に観光や飲食の需要を一時的に高めることである。持続可能なことではない。経済にとって大事なのは一時的需要の高まりではなく、持続的な需要である。持続的でなければ、設備投資も授業員の増員もできない。

菅義偉はまたデジタル通信業者にデジタル通信の形態の料金を下げるように要請している。政治が企業に、直接、ものやサービスの値段を下げることを要請して良いのだろうか。

伊藤隆の『大政翼賛会への道』(講談社学術文庫)を読むと、戦前に革新右翼がいて、「統制経済」を主張していたという。菅義偉は、政治が経済を統制できると考えている。菅義偉は「革新右翼」の生き残りではないか、という思いが、私の頭にめぐっている。

菅義偉は怖い人だ。

単純労働でも雇う以上まともな賃金を払え―移民・外国人・障害者の労働に

2020-12-13 23:26:03 | 社会時評

きょう12月13日の朝日新聞は、ドイツの移民の劣悪な労働環境として、ドイツのRheda-Wiedenbrück市の食肉加工会社テニエス社の新型コロナ集団感染をとりあげていた。

この集団感染は6月23日にも報道されている。そのときは、ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州ギュータースロー郡の食肉加工会社として報道された。毎日新聞は11月28日に「ドイツの食肉工場集団感染で浮かぶ外国人の劣悪な環境 規制に乗り出す政府」という見出しで同じ事件を取り扱っている。

6月23日の報道では「食肉処理場で1550人以上の新型コロナウイルスの集団感染」となっていたが、きょうの報道では、食肉加工会社テニエスで「今年6月、1400人超が次々と新型コロナウイルスに感染した」とある。すなわち、ギュータースロー郡の集団感染のほとんどが、ドイツ最大手の食肉加工会社テニエスで起きたのだ。

今回、朝日新聞がもう一度報道したのは、10月下旬に、記者がこの会社の工場を訪ねたからだ。

テニエス社は授業員7400人の会社だが、そのうちの3分2がルーマニアやブルガリア、ポーランドなど中東欧を主とした移民だという。

テニエス社で約20年働くポーランド出身の50代の従業員は、雇用主がテニエス社の下請け会社だと言う。日本の派遣労働の仕組みと同じで、会社は労働者の待遇管理を自分たちの責任でないとするためだ。

その授業員は、週6日、1日10時間以上、加工施設で豚を解体しつづける。それだけ、時間当たりの賃金が低いわけだ。彼は「肉体的につらいが、ここ10年は、昇給していない」と言う。

また、狭い1室に複数人が寝ているという。移民労働者を支援するNGOによると、勤務シフトの違いを利用して1つのベッドを共用する人もいるという。日本の外国人実習生の生活と同じだ。

移民労働者の多くは、工場と寝るところを往復するだけの生活で、ドイツ語を学ぶ機会がないという。ドイツ語を話せなければ、この惨めな労働環境から這い上がることもできない。

まさに現代の合法的な奴隷制である。

ドイツ政府は、食肉業界の労働者を守るために、来年の1月から「従業員50人以上の食肉加工会社には労働者の直接雇用を命じ、勤務時間や住環境の厳重な管理を求める」という。これに対し、テニエス社は「来年の1月以降は生産現場の中核の従業員を直接雇用にしたい」としている。

「中核の従業員」以外の労働者の人権を守らないということか。

食肉業界の労働者の待遇が悪いのはスーパーが肉の安さを競うことだという。緑の党の連邦議会議員は「そもそも肉の価格が安すぎる」という。私もそうだそうだと思う。スーパーの出現で小売業が大規模化したため、農産業、畜産業、漁業の生産者が弱い立場に追いやられ、生産物の価格が不当に安くなっていると思う。

しかし、緑の党の連邦議員はとんでもないことをいう。「安い肉を望む一人ひとりの消費者の態度が変わらなければならない。私たちの社会的な倫理の問題だ」

消費者個人の心の問題に落としてしまっては、事態は改善されない。

会社と政府の問題だ。会社と政府は労働者の待遇に責任をもたないといけない。

外国人労働者も移民も、国内の労働者と同じ法で人権を守らないといけない。同じ最低賃金が適用されなければならない。「中核の労働者」とか、怪しげな格差を設けてはならない。単純労働だから格安の賃金で良いというのはおかしい。単純労働であろうが、雇う以上、ちゃんと生活できる賃金をはらわないといけない。

これは、まさに日本の問題でもある。

伊藤隆の昭和史の理解--革新右翼をめぐって

2020-12-12 23:29:01 | 戦争を考える

菅義偉によって日本学術会議会員の任命が拒否された加藤陽子について知りたくて、図書館に『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)を予約したが、11年前に出版されたにもかかわらず、人気が高くて、いまだに借りられない。しかたがなく、彼女の指導教授だった伊藤隆の本を読む。

伊藤隆は私の15歳上の昭和史の大家である。しかし、彼の『歴史と私』(中公新書)を読んでも、なぜ、日本がアメリカとの戦争に突っ込んでいったがわからない。わかるのは、彼が民青の駒場のキャップになり、共産党にもはいったが、共産党に疑いを持ち、共産党が大きらいになったということだけである。

〈 共産党にどっぷり浸かっていた私は、学生大会の議長になると反対者の発言を許さないなど強引な進行をしたり、民青本部で『若き戦士』という機関紙作りに励んだりしていました。〉
〈 許せないと思うことがいくつかあって、その年の7月に共産党が従来の武装闘争方針から大転換を行った大会、いわゆる「六全協」のときには仲間と代々木の党本部に押しかけて抗議し、日本共産党を見限りました。〉
〈 本郷に来てからは共産党から離れて、やっと本気で近代史の勉強を始めました。〉

私が大学にはいったときも、駒場の「学生大会」の無茶ぶり、「強引な進行」は変わっていなかったが、民青が主導権を握っていなかった。本郷にいったときの理学部の「学生大会」はもっと普通のもので、ルールに基づいて運営されていた。民青と新左翼とノンポリとがつりあっていた。このなかで、東大闘争といわれるストライキが始まった。

たぶん、共産党の方針転換が定着していたのだろう。「強引さ」は一部の新左翼が引き継いでいたのだろう。したがって、私には伊藤隆の共産党嫌いが理解できない。

『歴史と私』は、権力の中枢にいた人間たちの資料発掘についての自分の功績を語っているだけなので、軍部のなかの争いや、軍部の台頭の理由がわからない。私は、大局的には、第1に、軍部を抑えるものないという大日本帝国憲法の欠陥と、第2に、政府による左翼運動の強圧的弾圧とによって起きたことだと思う。

ここで、左翼とは、人間が人間を支配することを否定する者たちをさす。

つづいて、伊藤隆の『大政翼賛会への道』(講談社学術文庫)を読む。こちらは、軍部や革新右翼の動きに詳しい。伊藤は「革新」という言葉を、体制内ルールを無視しても体制変革を目指す者たちという意味で使っている。「革新」はテロやクーデターに結びつく言葉である。

大日本帝国憲法は、天皇が言い出さなければ、「神聖にして侵すべからず」の天皇制を廃しできなかった。天皇制を支持する右翼が、体制を「破壊」せよという革新右翼になる理由がわからない。

伊藤隆は、革新派が台頭した理由を、ドイツやイタリアの影響で、米英のデモクラシーすなわち資本主義が日本の大衆の困窮を生んだと考えるようになったからだ、と考えているようである。

伊藤は、本著で、近衛新党運動を推進した日本社会主義研究所の暫定綱領を引用している。

〈 我等は日本伝来の天皇制をもって日本国民最適の国家形態と信じ、いっさいの経綸をこの前提のもとに行なわんとす〉
〈 我等は生産手段の私有を基礎とする資本主義の無政府経済性をもって我が国民の生活圧殺するものと認め、できえるだけ急速にこれが撤廃を期す〉

デモクラシーが資本主義だというのはおかしいが、天皇に主権があるという「国体」を問題にしないと、この誤りに落ち込むのだろう。したがって、左翼への弾圧が革新右翼の台頭を招いたと言える。

自由平等の「平等」を、人間が人間を支配することの廃止と理解せず、みんなが同じ服を着て同じものを食べると考えたことに、革新右翼の誤りがあったと思う。

日本学術会議任命拒否の理由も言えない菅義偉はGoToキャンペーンに固執

2020-12-11 22:13:24 | 叩き上げの菅義偉
 
きょう、神奈川県の新型コロナ新規感染者数が過去最多の285人、横浜市の新規感染者数も過去最多の158人となった。BS TBSの『報道1930』によると、GoToキャンペーンを止めてくださいと、政府の新型コロナ感染症対策分科会のみんなが、自民党や政府内の有志が、菅義偉に訴えても、彼は耳を隠さない。
 
きょう、分科会が開かれているとき、菅は、ニコニコ放送に出て、自分のことを「ガス」と言って、周りの司会などからヨイショされて上機嫌であった。
 
菅は、10月26日の所信表明のときの立場
 
〈GoToキャンペーンにより、旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを応援します。これまで、延べ二千五百万人以上の方々が宿泊し、感染が判明したのは数十名です。事業者が感染対策をしっかり講じた上で、利用者の方々にはいわゆる「三密」などに注意していただき、適切に運用してまいります。〉
 
を崩さない。しかし、きょうの分科会でGoToキャンペーンが新型コロナ感染者数の増加を招いている証拠が示されたという。分科会会長の尾身茂は「これまで我慢してきたが、もう、御用会議と思われることに耐えられない」と言ったそうだ。
 
旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを押し進めれば、「密」が生じるではないか。新型コロナが依然と流行しているのだから、「密」でない形で細々と営業するので良いではないか。お酒を飲んでストレス発散だと騒ぐなんて、休む暇もなく新型コロナ感染者を看護している人たちに失礼ではないか。享楽を煽るGoToキャンペーンより、職を失う人の生活保障や医療従事者の手当てにお金を回すべきである。
 
いっぽう、菅は、いまだに、日本学術会議会員任命拒否の理由を明らかにしていない。任命拒否された6名のうち、加藤陽子しか知らないと菅は言う。ならば、菅は、自分が知らない5名をどうして任命拒否したのか。また、加藤陽子の何を知っているというのか。学術会議の推薦された会員候補を、理由もなく、任命拒否するとは、その6名をバカにしており、人権を無視していることになる。
 
そればかりか、日本学術会議を民間団体とし、会員を任命する第3者機関を作るのだと菅の側近はいう。あほか。自然科学、生命科学、社会科学からなる日本学術会議の会員を誰が選ぶことができるのだろうか。学会はどこでも学会自身で会員を選ぶから、学界の水準を保てる。学会の外の機関が会員を選ぶとなると、学会は意味をなさなくなる。
 
「叩き上げ」の菅義偉は知識人が嫌いだから、専門家の意見を頑なに無視し、自分を大きく見せるために、意地を張る。これは、国民にとって大きな迷惑である。菅をみていると、戦前の暴力集団、新体制派や陸軍革新派を連想してしまう。ビジョンもなく、専門家を無視するだけでなく、武闘派をなめるなと他人を恫喝する人間なんて、「ガス」でなく「スカ」である。
 
菅義偉に国を託すわけにいかない。

新型コロナの感染拡大に経済だと利権をばらまく自民党に困っている

2020-12-10 22:16:29 | 新型コロナウイルス

私はNPOで子どもや若い子の対面指導を行っている。勉強を教えている場合もあるが、共感する聞き手になっている場合が多い。共感するにリモートではなかなか難しい。

私は糖尿病のうえ心臓の冠動脈が詰まっている。一昨年、昨年と5回カテーテル治療で入院している。そして、あと少しで73歳になる。

新型コロナの感染流行がなかなか収まらないのに、私は困っている。家族は私が公共交通機関を使ってNPOに行くのに反対している。私の担当している子も、公共交通機関を乗り継いで遠くからくる子が多い。もっとも、遠い子は1時間半かけて来てくれる。

きょう、東京都は、過去最多の602人の新型コロナ新規感染者を発表した。横浜市も、昨日、121人の新規感染者、きょうは117人の新規感染者の発表があった。

首相の菅義偉は、この期におよんでもGoToキャンペーンの誤りを認めず、来年の6月まで続けると言って、東北を回っている。東北人をバカにしているのではないか。

菅の地元の横浜市では、林芙美子市長が、新型コロナのドサクサをついて、IRを進めようとしている。菅も林も観光しか経済を支える策がない。しかも、最悪のカジノ誘致で横浜市の経済を支えようとしている。

日本の近代史を調べていると、「尊王攘夷」「富国強兵」のもと、大日本帝国の欠陥をついて、主権者である天皇が軍人を規制できず、日本国民にも近隣の人々にも、多大な苦しみを与えた。

憲法が変わって、いまは、主権者は国民のはずである。

現在、国民が規制できていないのは、自衛隊ではなく、自民党の無茶ぶりである。この間、「密」を引き起こすGoToキャンペーンをやめてくれという感染専門家、医療従事者の声を自民党は無視してきた。

戦前と違い、憲法の欠陥をついたものではない。選挙の投票率が低いから、既得権を守る自民党が何をやっても とがめられない、と思って、国債をどんどん発行して利権を支持者にバラまき、好きかってを行っている。

こんなことを許していて良いのか。自民党は日本の経済とモラルの破壊している。