猫じじいのブログ

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広告代理店ルーダー・フィンとノーベル文学賞のペーター・ハントケ

2019-11-06 22:19:18 | 国際政治
 
きょうの朝日新聞に、ペーター・ハントケに今年のノーベル文学賞を授与したのは、「ノーベル賞委員会によるペーター・ハントケの名誉回復なのだ」と、池澤夏樹が書いていた。
 
池澤夏樹によれば、ユーゴスラヴィアという連邦が崩壊する過程で、ボスニアの政治集団と契約を結んだアメリカの広告代理店ルーダー・フィン(Ruder Finn)が、「民族浄化」という言葉を作り、国際世論を誘導して、セルビア人を悪者にしたてという。作家ハントケは、セルビア人でないのにもかかわらず、セルビア人を擁護し、孤立しても、信念を変えなかったという。
 
国際世論というものは、たんに、各国のメディアや政府や知識人の言動をさす。普通のひとびとは外国で起きていることを直接目撃できず、メディアや自国の政府のいうことを信じてしまう。
 
広告代理店が誘導した国際世論でもって、NATOがセルビアの町々を爆撃した。そして、セルビア人の指導者を捕まえて、国際法廷で終身刑に処し、獄死させた。恐ろしい話である。
 
不思議なのは、アメリカ政府は諜報機関をもっているから、真実を知っていたはずなのに、セルビアの町々を空爆して、普通の人たちを殺したのである。アメリカ政府はユーゴスラビア連邦の完璧な解体を望んでいたため、ユーゴスラヴィアの屋台骨をなしていたセルビア人勢力を ウソの情報にもとづき 叩き潰すのを黙認していたのではないか。このときのアメリカ大統領は民主党のビル・クリントンである。
 
アメリカ政府が直接関与したウソのニュースには、湾岸戦争のときの油まみれの海鳥の報道写真がある。これによって、アメリカ政府がマスコミを味方に引きつけた。このときのアメリカ大統領は、お父さんの共和党のジョージ・ブッシュである。
 
息子のジョージ・ブッシュも、アメリカ統領として、イラクに大量殺害兵器があるとして、イラクに先制攻撃をし、フセイン大統領を殺した。大量殺害兵器があるというのはウソの情報であった。
 
今日歯医者に行ったら、週刊文春が田中角栄のロッキード収賄が明るみにでたのはニクソン政権の陰謀だという連載をしていた。
 
私は、アメリカのファーウェイ(Huawei)叩きも、トランプだけでなく、共和党・民主党幹部たちの陰謀ではないかと疑っている。
 
情報が本当かウソかの見わけは難しい。広告代理店がつくった意図的なウソは、ひとの感情に巧みに訴える。そして、すぐ ばれないように、情報の整合性に気を使う。そして、広告代理店が国際世論を誘導でき、空爆をひきおこせるのだ。
 
1つの対策は、信頼する情報源を限ることである。もう1つの対策は、国連の多数意見だからといって、アメリカ政府の要請だからといって、他国の戦争に参加しない。他国からの難民は引き受けるが、他国に行って戦争をしない。


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